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たぬきのちらうら

凪のお暇を紐解けば女性版異世界転生だった話

2018/08/15 20:08 投稿

  • タグ:
  • 凪のお暇
  • マンガ
  • 書評



最近なにかと話題の漫画、コナリミサト先生の凪のお暇。
話題になっていたこともあり、買って読んでみました。

主人公の凪は、空気を読むことに徹しているOL。
会社でも無理やり周りに合わせて、
自分の言いたいことはいわない。
やりたくもないSNSをやって、
友達の幸せ自慢に相槌をうち、
同調して、波風立てず、
凪の海のような人生を送っている。

「あ、これ私のことだ」

と思う女性が世の中にたくさんいるような、
まさに現代社会の申し子。
そんな生活にストレスと疲れを感じつつも、
周りには内緒で、社内で一番の売れっ子営業マンで人気者の我聞くんと付き合っている。
その優越感が自分の支えであるわけだが、

ある日、彼が
「身体の相性がいいから付き合ってるだけ」
と同僚に話しているのを聞いてすべてが壊れてしまう。


そこから、凪のお暇が始まります。


会社を辞めて、SNSを断って、
誰にも知らせずに引っ越してすべてを断捨離。
少ない貯金で新しい人生を始めるぞ!
と、再スタートを切るわけです。


これ、

「異世界転生やんけ」


というのが、僕の率直な感想であり、間違っていないと思うんですよね。
ちなみに、けなしているわけではなくむしろ面白い。
ライトノベルの異世界転生は、
今の読者の求める物語に答えた結果、
別の世界や生まれ変わった先でチートばりに活躍できる。
来世に救いを求めちゃう、踊念仏レベルの空想なわけですが。

現代でリセットするのが、実際家の女性らしいところなのかなーと。

リセット願望って誰にでもあるんですよね。
現代の用語で、「人間関係リセット症候群」なんてのもあります。
SNSとか定期的にクリーニングして、
人間関係すっぱり切っちゃう人。

関わる人も多い、手段も多い、
人に縛られ空気を読むことで息苦しくなる世の中。
いやになっちゃったらリセットしちゃえって。
すごくすごく、理想的な物語なんです。



で、閑話休題。



ただの俗世から離れた理想ライフだけなら、
この作品を面白いなんて推しません。
「今の時代の女性」を思いっきり切り取った描き方が最高なんです。

特に、2巻の後半。
友人に誘われ凪が婚活パーティに行くシーンがあります。
そこで、いまいち押しの弱い凪に寄って来る、
カタログスペックでも見た目でも性格でもイマイチな男性たち。
突っ込みたいだけの男と見下しながら、
自分だって付き合っていた彼氏の何を好きだったかと思えば、
カタログスペックと見た目。
だって凪ちゃん言ってたじゃない、
自分の元カレのこと、

「自分が幸せだと証明するためのカードだって」


中身がよければ、お金なんてなくても幸せ。
そんなわけない。
見た目がよくてお金がある男性を無意識に選んでる自分。

はてさて、前の職場で軽蔑していた周りの女性たちと、
凪自身何か違うところがあるだろうか。



そういう、鋭い切り口が本当に刺激的。
ここでも読者は、

「あ、これ私のことだ」

と思わされるわけです。
さて、あなたは周りの同僚女性の姿を見下しているわけですが、
あなた自身はそれほど高尚な考え方と生き方をされているのですか。

異世界に転生したって、実際うまくいくわけなんてなく、
もともと自分が持っている性格、スペックが、
否応なく自分を苦しめる。

現実の厳しさを突き付けてくるような話でした。




それでも、逃げた先で凪は新しい人間関係の中、
自分の醜さを自覚しつつも少しずつ救われていきます。

まだ4巻。
この先話がどう展開していくのかとても気になるところ。

男の人にも女の人にもオススメです。

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