完璧なセキュリティーはありえません...が、ちょっとかわいそうな事例も。
ここ数日、ソフトウェアのダウンロードや販売を手がける「Vector」(ベクター)にて、異変が起きています。公開されているソフトを「Google Chrome」や「Firefox」を使ってダウンロードしようとすると、「有害なプログラム」として止められてしまうのです。
コメントを一部引用させていただきますと、
弊社の調査ではウイルスの感染やファイルの改竄は確認できず、Google社に対して再審査を請求しているところです。
(中略)
Google Chrome、Mozilla Firefoxで上記のブロックが発生した場合は、お手数ですが、Internet Explorerなど、ほかのブラウザを利用してダウンロードしてくださいますようお願いいたします。
とのこと。つまり、今回のブラウザから出された警告は、「誤検出」のようです。
セキュリティーソフトの「誤検出」とは
「誤検出」とは、セキュリティーソフトなどが無害なファイルやウェブページを有害なものとして扱ってしまうというもの。いわば、セキュリティーソフトの「冤罪(えんざい)事件」です。
今回のベクターの件は、「Google Chrome」や「Firefox」に内蔵された有害ページの検知機能が暴走したことによるものと思われます。ベクターの調査でも、改ざんなどが行われた形跡はなかったということですからね。
ちなみに、Googleによるベクターの診断結果は、以下のサイトにて見られます。「7つのウィルスが見つかった」などと書かれていました。
「誤検出」はたまにあること
ちなみに、こういった「誤検出」は、セキュリティーソフトでは意外にもあることです。
例えば、上記の窓の杜にも書かれていますが、なんの問題もないにもかかわらず、窓の杜自身が「Google Chrome」に有害認定されてしまったことが過去にあったそうです。
それ以外にも、ウィンドウズ用のセキュリティーソフトが、普通のソフトを「ウィルス」と認定して隔離してしまうこともあります。私自身、つい最近遭遇しました。
ウィンドウズパソコンを使うのであれば、セキュリティーソフトを使うことは必須です。しかし、セキュリティーソフトは、決して万能なものではありません。
新しくできたばかりの未知の有害ソフトには対応できないことがありますし、逆に今回のような「誤検出」の問題もあります。人間が作っているものである以上、しかたがありません。
重要なのは、セキュリティーソフトが問題を検出した時、「本当に有害なものなのか」「誤検出なのか」を判断できるようになることです。
とはいえ、専門家でもない限り「誤検出」かどうかを見破るのは、至難の業です。信用あるサイトからダウンロードした場合でも、悪意ある第三者のハッキングによって改ざんされている場合もあるため。
ダウンロードしたソフトが有害認定された場合は、「有害認定されたソフト名 使用しているセキュリティーソフト名」などで検索してみましょう。SNSを検索して、同じ状況にあった人たちのコメントもいい情報になります。
どうしても判断がつかない場合は、数日待ってみるのもひとつの手です。有名なソフトの場合は、あとから情報が出回ることあg多いです。
普段は頼もしいセキュリティーソフトも、時に面倒な存在になってしまうことがあります。「誤検出」の存在を知っておくことで、インターネットをもっと便利に使えるようになりたいものですね。
誤検出問題の再来[窓の杜]