正規のショップがなくても、欲しがる人はぎょうさんおるんやで。
核開発プログラムに関連した西側の経済制裁を受け、さまざまな外国製品の輸入に制限のあるイラン。もちろんアップル製品も例外ではなく、アップルストアばかりか正規の取扱店も存在しないというのが現状です。
そんなイランの首都テヘランには、密輸されたアップル製品を取り扱う「ニセのアップルストア」が複数あるのだそう。毎日新聞が最近伝えたところによれば、なんと一つの商業ビル内に22軒のニセアップルストアがあるケースも。2012年のロイター通信ではテヘラン市内だけで100店舗以上とまで言われていますね。
同記事によれば、イランにはアップル製品の密輸入を手がけるブローカーが複数存在し、彼らが大量仕入れを行っていることもあって手数料が安く済んでいるとのこと。実際、隣国のUAE（アラブ首長国連邦）で販売されている正規品iPhoneと比較しても、1％ほど高い価格差（およそ8万6,500円）で購入可能だとか。庶民には手が届かない価格ながらも、富裕層からの人気は非常に高いとされています。
イランでの人気は本家のアップルも把握しているようで、昨年10月のウォールストリートジャーナルは「アップル、イランでiPhone販売にらみ業者と接触開始」と題した記事のなかで、現地の流通業者とフランチャイズ店舗設立のための会談を行っていると報じられていました。
なお、米国はすでにイランでの消費者向け通信機器販売を解禁しているため、アップルがiPhoneをイランで直接販売することも「法的には」可能とのこと。今後何らかの動きがあるかもしれません。
きっと密輸業者としてはアップルウォッチは絶対に買い付けたい「要買いウォッチ」のはず。アップル公式との間でどのような攻防戦が繰り広げられるのか、注目されますね。
イラン:「全部本物です」...ニセのアップルストア大繁盛 [毎日新聞]
アングル：イランで浸透するアップル製品、制裁と憧れの狭間で [ロイター]
アップル、イランでiPhone販売にらみ業者と接触開始 [ウォールストリートジャーナル]
