カメラで風景を撮るときなど、「ズーム」機能を使うことってけっこう多いですよね。でも「本格デジカメと違って、スマホのカメラでズームすると画質が荒くなっちゃう...」とお悩みの方もいるのでは。
これは「光学ズーム」と「デジタルズーム」という方式の違いによるもの。スマホのカメラに用いられているデジタルズームで画質が荒れてしまう理由を、ズームの仕組みと合わせて解説していきましょう。
ぜんぜん違う! 光学ズームとデジタルズーム
デジタル一眼などの一般的なカメラでは、レンズの焦点距離と画角(写真に写せる範囲)を操作することで望遠や接写を行います。
焦点距離と画角: デジタルカメラの基礎知識(リコー)より
画角が広いレンズを広角レンズ、画角が狭く遠くのモノにピントを合わせられるレンズを望遠レンズと呼んでいて、ズームインするというのは言い換えると画角を狭くするということ。こうしたズームレンズの仕組みを使ってズームするのが「光学ズーム」です。
光学ズームとデジタルズームの比較: デジタルカメラの基礎知識(オリンパスイメージング)より
一方の「デジタルズーム」では、すでにセンサーに写った画像の一部を切り抜いて拡大表示することでズームを実現しているため、どうしても画像に含まれる画素(ピクセル)の数が少なくなることになります。スマホカメラでズーム撮影した写真の画質が荒くなるのは、これが理由なのです。
コンパクトさと画質はトレードオフの関係
一般的なスマホカメラに高倍率な光学ズームが搭載されない理由としては、光学ズームの仕組みはレンズや機構が複雑で、どうしても厚さや大きさが必要になることが挙げられます。小型・薄型であることが求められるスマホにとっては、ズーム機構は相性が悪いと言わざるを得ないようですね。
スマホの普及でカメラの売り上げが低調だとも言われていますが、ズームを使ってキレイな写真を撮りたいなら、スマホとは別にデジカメを用意したほうが良いですよ。
それでは今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!
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