年初来、大きな事件が相次いで、金融市場は大荒れです。年明け早々から、原油の急落で日本の株価も大きく下落しました。また、フランス大統領が1月20日にECB(欧州中央銀行)が金融緩和を行うだろうと観測発言をしたところ、そこを起点として世界中の株価が上昇しています。
これに限らず、「実際にあの政治家がこう言った」「中央銀行の決定がこうだった」「与党が選挙で勝った負けた」というようなことが、株価に大きく響いたという記事をよく見るはずです。今回は、日本とは直接的に関係が薄そうな、ギリシャの総選挙の結果が日本の株価に大きく影響しているようです。
また、もっと大きなトレンドを支配しているのは、実体経済を左右する原油価格の動きや、為替の円安/円高といった交易条件、欧米経済統計の数値などです。
株価は、基本的には企業業績の積み上げによって決まります。
社会的な事件が株価に影響してくるのは、それが回り回って企業業績に影響してくる範囲においてです。
ギリシャの総選挙が日本の株価に影響したのはなぜかというと、選挙で勝った政党が、ECB(欧州中央銀行)などが財政再建支援の条件としていた緊縮財政を拒否している急進左派連合だったからです。
これにより、例えばギリシャがユーロから離脱したり、欧州主要国のギリシャ向けの債権が焦げ付いたりしたら大変です。そこで欧州の株式市場が警戒感から下落し、日米の株価もこれに引きずられたのです。
しかし、しばらくして、その影響が大したことがないと思われたので、株価は盛り返しています。
「風が吹けば桶屋が儲かる」的な発想に見えるでしょうか?
でもそれは為にする空論ではありません。世界経済は相互に密接に関連しているので、世界の一箇所で起こった経済的ショックは、世界中に連鎖して、世界中の金融マーケットがこれに反応するのです。