「MNP渡り鳥」は、完全に終わりかもしれません。
auとドコモの2社が、MNPによる転入よりも、機種変更による既存利用者を優遇する方向に切り替え始めました。日本経済新聞の報道によります。
MNPとは「モバイルナンバーポータビリティ」の略で、電話番号を変えずに他社の回線に乗り換えること。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
今後この方針が強まっていく可能性を考えると、今のうちに居着くキャリアを決めてMNPをしておくべきかもしれません。一体どういうことなのか、簡単にご紹介いたしましょう。
終わりつつある「MNP優遇」
以前はどのキャリアでもMNPでの転入に、大幅なキャッシュバックがつくケースが多くありました。中には、次々とMNPすることで大量のキャッシュバックを得る「MNP渡り鳥」なんて行為をする人もいたほどです。
しかし、割引合戦の過剰な加熱により、沈静化。最近ではMNPによるキャッシュバックは、以前よりも目立たくなってきましたよね。
その代わりに出てきたのが、機種変更をする人、つまりは既存利用者への優遇措置です。
既存利用者を優遇へ
現在「機種変更優遇」の方針を取り始めているのは、ドコモとauの2キャリア。一体どのような優遇なのか、それぞれ見てみましょう。
ドコモの場合
ドコモではシャープ製の最新スマホ「AQUOS ZETA SH-01G」(アクオス ゼータ)にて、機種変更を大幅に優遇しました。新規やMNPだと実質負担金が4万9248円ですが、機種変更なら2万9808円(税込)です。
さらに、ドコモの継続利用期間が10年をこえている場合、実質負担金が1万9440円まで下がります。
auの場合
auでは最新機種への買い替えをサポートする、「アップグレードプログラム」の提供を開始しました。これは、auの機種を使い続ける限り、通常2年縛りとなるところを19カ月で次の機種に変更できるというもの。
2年を待たずして次の機種へ乗り換えられるため、常に最新のスマホを持っていたいという方に向けたプログラムとなっています。
ただし、月額300円がかかることや、機種変更後の機種でも「アップグレードプログラム」に継続加入すること、機種変更後に旧機種を正常に動作する状態で返却するといった条件もつきます。ご加入の際は、注意してください。
「MNPは損」な時代が来るかも
もし今後もこういった「機種変更優遇」が広がっていくようであれば、いずれMNP自体が損という時代が来るかもしれません。特に、SIMフリーの義務化が始まる今年の5月からは、この傾向が加速する可能性も。
もし「長く使うならここ」と思っているキャリアがあるなら、今のうちに「最後のMNP」をしておくのもよいでしょう。気がついた時には、MNPをしにくい時代になっているかもしれませんよ。
「機種変」優遇に活路 通信各社、MNP不振で [日本経済新聞]
画像[ドコモオンラインショップ]