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赤字なんかではない? 気になる年金財政の運用

2015/01/17 20:00 投稿

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これもよく誤解されることが多いのですが、「年金財政は赤字だ」と言われます。

結論から言えば、公的年金の財政は決して赤字ということではありません。赤字なのは国の一般会計で、これは国債の残高すなわち政府の借金が約1,000兆円近くあります。ところが年金財政は赤字どころか、年金の積立金すなわち貯金は、2014年の9月末時点で約130兆円もあります。

公的年金制度というのは、働いている現役世代の人が毎年払い込んでいる保険料をその年に年金を受取るお年寄りに支給する、いわば単年度決済の制度です。

毎年支払いと受け取りが完了しているのです。かつては払う人の方が受取る人よりも多かったので、余った分を貯金しそのお金を運用してきました。その結果が積み上がって130兆円もの金額になっているのです。

年金の運用

もちろん最近は少子高齢化が進んだために、毎年入ってくるお金よりも出て行くお金の方が多くなってきています。

年によっても違いますが、ざっくりとした金額で言えば毎年3~5兆円ぐらいの不足額が出ています。したがってこの130兆円が全く増えなければ、そしてこれからも毎年同じぐらいの金額が不足するのであれば、この積立金はあと20~30年ぐらいで枯渇してしまうことになります。

ところが、この130兆円は何もせずに現金で置いてあるわけではありません。国内外の株式や債券等を一定の比率で組み入れて運用しています。年によってプラスの時もあればマイナスの時もありますが、2001年から2014年9月末までの累計収益は約41兆円にもなります。もちろんこれで万全というわけではありません。今後も少子高齢化は進むと考えられていますから、毎年の収支をできるだけ均衡させるようにしていく工夫が必要です。

もちろん国も少子高齢化に対して手をこまねいているわけではありません。実は1994年からそのための対策を打ってきています。例えば昨年から年金の支給開始が60歳から受け取れないという人が出てきました。

これも94年に支給開始年齢の引き上げを決定し、60歳から65歳に支給を遅らせるということを20年間かけて実行しています。

さらに年金保険料は2004年から2017年まで毎年少しずつ引き上げたり、支給額を必ずしも今までのような物価連動にしないようにすることで金額を抑制したり、と様々な方法をとってきています。

今後も未来永劫、年金制度が絶対安心ということではありませんが、公的年金はよく考えられた制度であり、少なくともすぐに年金制度が破たんするということはありえないと知っておくべきでしょう。

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