30代以上の世代にとっては、テレビといえばブラウン管テレビのことを指していたものです。しかし、どうやらブラウン管の生産は来年には完全に終了することになりそう。読売新聞などが伝えています。
思えば日本では、およそ10年ほど前の地デジ移行を機に液晶をはじめとする薄型テレビの普及が進み、すっかり見かけなくなってしまったブラウン管。
すでに日本国内では生産されておらず、現時点で生産している企業はフィリピンでブラウン管の製造・販売を行っているシャープを含め、世界でもたった3社とのこと。シャープは来春、他2社も来年中には全て撤退する見込みなのだといいます。
1897年にカール・フェルディナント・ブラウンが陰極線管を発明し、1940年代後半には米国企業によって量産が開始されたブラウン管は、テレビ受像機としても長い歴史を持っており、PCの世界でもCRTディスプレイとして長く親しまれてきました。思えば1998年発売のアップル製PC、初代iMacの画面もブラウン管でしたね。
YouTubeだってテレビの受像管(Tube)を名前に冠しているくらい、「テレビといえばブラウン管」のイメージは根強いものだったりします。
ところでシャープ以外のブラウン管メーカー2社はいずれもインドの地場企業だそうで、インドといえば、バイクからiPhoneまでノスタルジックなモデルを長く生産し続けることで知られるお国柄。なにしろ、今年の前半までiPhone4が生産されていた国なのです。
今回のブラウン管生産でも最後に残ったのがこの国だというのも、さもありナンという気にさせられますね。うーん、お後がよろしいようで。ナマステ。
「昭和」の象徴...ブラウン管TVの生産終了へ [YOMIURI ONLINE]