※前編を読んでいない方はこちらからお読みください。
――「引き出しを増やしておくこと」はSEX以外にも役立ちますか?
だと思いますよ。美しさにも磨きがかかるというか、そもそも性的なものを意識しないと自分をキレイにする必要もないですしね。
それに、引き出しが多いとコミュニケーションが充実しますよね。語彙や表現力が豊富な人とのほうが円滑に会話できるのと同じで、SEXやスキンシップというコミュニケーションにおいても、引き出しが多いほうがスムースにいくものです。
SEXって相手あってのものなので、相手にも存分に楽しんでもらえるよう、「いやらしいことはしたくない」っていう考えはなくしたほうがいいかもしれませんね。
――取材を通して、またはプライベートで出会った女性たちが抱えている性の悩みは、どういう類のものが多いですか?
セックスレス、コミュニケーションレスに悩んでらっしゃる方は多いですね。子どもがほしいのにレスという人も多いです。
もちろん、妊娠に関していえば体外受精という手もありますし、SEXしなくてもうまくいってるカップルは大勢います。当人たちがそれで納得しているんだったら問題ないとは思うんですけど、でも、そのふたりがSEXしていたら絆はもっと強いはず。
だって一番パーソナルなコミュニケーションで、その人としかしないわけなんだから。「レスでもいいわ」なんて思うのはすごくもったいないこと。
――どうしたらそうした状況から抜け出せるのでしょうか?
自分の身体に、「SEXって楽しいものなんだ」って感覚を植え付けておくことってすごく大事。
セルフプレジャー(=自慰行為)もしてほしいし、小説をはじめ"おかず"にできるものがこれほど豊富な国って他にないんで、興味のあるものには臆せず手を出してみてほしいですね。
「見た目のかわいさに惹かれた」という理由で大人のおもちゃを購入してみるのもいいと思うんです。Amazonを利用すれば、新たなサイトに個人情報を登録する必要もないし、いつものあの箱で届く安心感もあるのでいいですよ。
女性向けAVを観てみたいなら、まずは無料ストリーミングを利用するのもいいですね。特定の相手がいる人なら、いつもよりちょっとセクシーなランジェリーを身につけてみるのはどうでしょう? マッサージオイルを利用して、お互いの身体に触れ合うのもおすすめですよ。
付き合いが長くてマンネリ化してるカップルや夫婦なら、普段の会話にセクシーな話題を盛り込むだけでも変化が表れます。
といっても特別なシチュエーション作りなんかは必要なくて、例えば一緒に映画を観に行って「あの女優さんの身体セクシーだよね」なんて会話を交わすだけでもいいんです。
女性にとっての性って、男性とは違ってライフステージとともに変わり続けるもの。初潮・妊娠・出産・更年期・閉経...と身体が変化していく中で、自分は性とどういう距離感を保ちたいか、年をとったときに(SEX)したい人もしたくない人もぜひ一度じっくり考えてみてほしいですね。
性(≒SEX)って美人で若い人の特権じゃなく誰もが一生関わっていくものなんだから、ポジティブに向き合ったほうがきっと人生ももっと楽しくなるはず。
【三浦ゆえProfile】
出版社勤務を経て、現在はフリーで編集者、ライターとして活動。著書に『セックスペディア』(文藝春秋社) 、編集協力に『失職女子』(WAVE出版)『恋に効くSEXセラピー』(KADOKAWA メディアファクトリー)『いってちゅ。』(扶桑社)『超整形美人』(竹書房)『一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ』『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズ(以上、ブックマン社)などがある。