さて、携帯電話の通信やテレビ・ラジオ、ICカードや高速道路のETCまで、あらゆる場所で利用されているのが、目には見えないさまざまな電波。でも、ルールを守って使わないと重大事故につながるトラブルを起こす可能性もある、とてもデリケートなものです。
そこで日本国内では、携帯電話やスマホを含む「無線機」に対して、電波法令の技術基準に適合している証として、上のような『技適マーク』を表示することとしています。
基準認証制度をパスしないと国内では使えない
スマホなどの無線機が「技適マーク」を取得するには、電波法の定める基準に合致しているかテストする『基準認証制度(技術基準適合証明等)』をメーカー側でパスする必要があります。国内で技適マークのない無線機を使用した場合、電波法違反で罰せられる可能性があるので注意が必要。
国外から持ち帰った海外メーカー製端末や、輸入ショップ等で入手した国内未発売モデルの端末などについては、総務省の「電波利用ホームページ」内で技適証明を受けた機器を検索してみるのをおすすめします。
技術基準適合証明等を受けた機器の検索 [総務省]
あれ? iPhoneに技適マークがついていない...
au版iPhone5にて、技適マークを画面表示した例
2010年までは本体に直接印字する必要があった技適マークですが、現在は画面に表示する方式でもOKになっています。ちなみに本体に技適マーク印字のないモデルでは、「設定」画面内から確認できることが多い模様。例えばiOS端末なら、以下の手順で技適マークを表示可能です。
「MRA法」と今後の展開
2015年のSIMロック解除義務化、そして東京オリンピックに向けて海外からの渡航者の増加が見込まれることもあって、「海外メーカー製の無線機をいちいち認証試験する現在の技適は非効率だ」との声も上がっており、技適マークをめぐる制度は今後変化していくことが予想されています。
電気通信機器の相互承認(MRA)とは [総務省]
また、他国との協定として無線機器の相互承認を行う『MRA(Mutual Recognition Agreement)』が今後広がっていく可能性もあります。総務省によれば、これが締結された二国間では電気用品等の輸出入が円滑にできるようになり、貿易促進につながるのだそう。現在の日本では、欧州共同体(EC)、シンガポール、米国との間でMRAが締結されています。
スマホ以前の時代には「ガラパゴス化」と呼ばれ、独自進化を遂げたこともある日本の携帯電話市場ですが、最近では様変わりしてきているのを感じさせる話題ですね。
それでは皆さん、今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!
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