Googleマップなどの地図やナビゲーションをはじめ、スマホを使っていると様々な場面で位置情報を用いたサービスの恩恵を感じます。
位置情報といえばカーナビでもおなじみGPSですが、スマホや携帯電話の場合は『A-GPS(Assisted GPS/補助GPSとも)』という仕組みに対応するのが主流。今朝はGPSとA-GPSの違いについて解説していきましょう。
人工衛星からの信号で位置を特定するGPS
一般的にGPS(グローバル・ポジショニング・システム/全地球測位網)と呼ばれるシステムは、アメリカが打ち上げた約30個の人工衛星からの電波信号をキャッチして位置を特定する仕組み。その原理上、最低でも3〜4つの衛星からの電波を受ける必要があり、最初の位置の特定までにやや時間がかかるという性質があります。
携帯電話基地局を補助として使うA-GPS
位置情報の取得に時間がかかったり、屋内で電波が届きにくい場合があるといったGPSの弱点を補っているのが、A-GPS(補助GPS)。
「携帯端末がどこの携帯電話基地局と通信をしているか」でおおよその位置を絞り込み、そこから測位可能な衛星の軌道データを端末に送ることで素早い位置の特定を可能にしています。常に同じ位置に固定されている基地局を上手に利用した仕組みと言えるでしょう。
また、あらかじめ基地局から位置情報のヒントを受け取っているので、人工衛星からはノイズの影響を受けにくい電波(時刻信号)だけをピックアップして受け取れればOK。そのため屋内にも強いというメリットがあります。
A-GPSの長所と短所は?
人工衛星からの電波のみで測位する通常のGPS(スタンドアロンGPS)と比較して、A-GPSの長所・短所をまとめてみると、
長所: 測位スピードが早い、屋内など信号状況が悪い場所にも強い
短所:ネットワークに繋がらない場所では使えない、(データ通信が従量課金の場合)測位のたびに通信料金がかかる
ということになります。最近では携帯電話基地局以外にWi-Fi(無線LAN)を使えるケースがあったり、定額データ通信が一般的になっているおかげで、上記の短所もあまり気にならなくなってきました。また、現行の端末ではA-GPSとスタンドアロンGPSに両対応している機種が多いようです。
今やスマホには欠かせない位置情報は、こうした仕組みで取得されていたのですね。
それでは皆さん、今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!
(参考)A-GPS、スタンドアロンGPS [KDDI]
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