オランダのハーグに所在するユーロポール(欧州刑事警察機構)は、今年末までに「インターネットに接続されたデバイス上で、世界初のオンライン殺人が発生する可能性がある」として、警告を発しました。
ここでの「オンライン殺人」とはネットに接続された医療機器などを操作し、被害者に物理的なダメージを与えて死傷させることを意味しているようです。
ユーロポールでは米セキュリティ企業『IID』の報告書をもとに、ペースメーカーや移植可能なインスリンポンプ、除細動器などの医療機器がインターネット経由でハッキングされる危険性を指摘。
心臓病の持病を持つ元米副大統領ディック・チェイニー氏の例として「潜在的なハッカーを防ぐため、彼のペースメーカーにはハッキング対策機能があった」とも言及しています。
身の回りを見渡してみると、医療機器のみならず家電などのリモート操作でも悪用されると危険というケースもあるかもしれません。実際に日本国内でも一時期エアコンの「外出先から電源を入れられる」機能が省令で認められないと経済産業省から指摘されたこともありました。
ユーロポールのレポートでは、「家や自動車のキーロックを乗っ取られて身代金を要求されるようなケースも起こり得る」とされており、あらゆるものがインターネットにつながる便利さの反面、新たな犯罪が生まれる可能性もあることが改めて示唆されています。
Organised crime groups exploiting hidden internet in online criminal service industry [Europol via THE STACK]