一般的に、便利なものは諸刃の剣などと言われますが、携帯電話も、できることが多くなり利便性が増すにつれて、リスクも増してしまうといえます。実際、スマートフォンを取り巻くセキュリティ確保の重要性は、年々高まる一方です。
こうした事情から、パソコンと同じように、スマートフォンにもセキュリティアプリを導入しておいた方が良いのです。
「セキュリティアプリがあれば何も心配いらない」と、過信してしまってはいけませんが、怪しいアプリを検出してくれるなど、セキュリティアプリが安全の大きな助けになることは、間違いありません。
そこで、たくさんあるセキュリティアプリの中から毎週1本を選び、その使い勝手をレビューしていくという連載企画をスタートいたします。セキュリティについて気になっているけど、「どのアプリを使ったらいいかよく分からない」という方の一助となれば幸いです。
第1回の今回は、『Avira Antivirus Security(アヴィラ・アンチウィルス・セキュリティ)』を取り上げます。
まずこのアプリを選んだ理由としては、AV-Testの2014年7月度テストで、検出率100%という結果を出しており(累計でも98.3%の検出率)、かつ使用感も満点評価で、さらには基本機能が無料で使えるからです。
もう一つ付け足せば、日本語化されているというのも、大きいポイントです。
ウィルス監視・スキャン(Antivirus)
初期設定を済ませてしまえば、特に意識することなく動作してくれます。メイン画面には誤訳がありますが、機能には問題ありませんのでご安心を。
新しいアプリをインストールしたり、アプリがアップデートされたときに、自動的にウィルススキャンしてくれます。ただし、ウィルス検知のためのパターンファイル更新は1日に1回です(有料版に移行すれば、毎時更新となります)。
基本機能については、全く不満を感じませんでした。これは、掛け値なしにオススメできます。
盗難防止
一般的なセキュリティアプリには珍しく、スマートフォン端末の追跡機能がついていますが、Google純正の Androidデバイスマネージャー がある今となっては、メリットは薄いでしょうか。
パソコンなどから追跡するには、まず英語版のサイトへ行き、端末のペアリングが必要となります。英語が苦手な人には少し敷居が高いので、無視しておいても構わない機能です。
Identity Safeguard
Gmailの受信メールと、登録してある連絡先について、ウィルススキャンしてくれます。
連絡先については、スキャンで怪しいと指摘された人の中に、実際には知らない人がいれば、削除するなどの対応をするようにいたしましょう。
ブラックリスト
着信拒否、受信拒否する相手を設定できます。
携帯電話には元々ブロック機能がありますが、本アプリの場合はアプリ側でブロックしますので、一旦は着信します。このため、着信があったことをアプリで確認できるようになっています。相手の動向をつかんでおきたい人には、この機能は良さそうです。
有料版(11.99ドル/年)
年間約1200円を支払うことで、有料版に移行することもできます。
有料版に移行する最大のメリットは、セーフブラウジング(ホームページ閲覧時に、有害サイトをブロックしてくれる)ができるようになることです。
より安心してスマートフォンを使いたい方は、有料版への移行も考慮しておいて良いと思います。
アンインストール
他のセキュリティアプリに乗り換えるときなど、アプリを削除したい場合、「設定」内の「デバイス管理者」項目にチェックが入っていると、アンインストールできませんので、ご注意ください。
総評
無料で使えるにもかかわらず、不正アプリの検出能力が高いということで、他の有料アプリを使う気にならなくなるほどです。
ただ、一応は日本語化されているのですが、基本機能以外のことについて設定しようとする場合など、英語が必要になる場面があるのは、やや残念なところです。
しかし、無料で使えるというのは、そうした部分を補って余りありますから、まずは試してみて欲しいアプリです。