ネットの爆発的な拡散力に背筋が凍ります。
アメリカの女優や歌手といった多くの有名人のプライベートな画像や動画が、海外の画像掲示板に投稿されたとする問題、どうやら流出元はアップルのクラウド（インターネットサービス）『iCloud』の脆弱性をついて攻撃したハッカーによるものだと見られているようです。
有名人でなくても心配になるこの事件、複数の情報元が報じている内容を総合して「いったい何が起きたのか」を簡潔にまとめてみましょう。
誰が被害にあったの？
産経新聞などの報道によれば、被害にあったと見られるのは100人以上もの人気女性スターたち。
そのなかには女優のジェニファー・ローレンスさん（写真左）、歌手のリアーナさん（写真中央）、モデルのケイト・アプトンさん（写真右）といった面々が含まれているのだそう。報じられた内容によれば、流出した画像や動画には私的に撮影したヌードなどが多いとされ、精神面もあわせて被害者側のダメージは相当なものと想像されます。
どのように流出したの？
流出したデータは、アップルのオンラインサービス『iCloud』に保存されていたものとされ、海外テクノロジー系メディア『9to5Mac』の記事（英文）によれば、流出騒動の少し前に「iPhoneを探す」機能の脆弱性を突いてパスワードを総当たり攻撃できるようにするツールが公開されていたとのこと。
このツールと今回の事件の関連はまだはっきりとはしていませんが、公開のタイミングなどから、この攻撃ツールが用いられた可能性が高いと見られているようです。
なお、現在はアップルによってこの脆弱性は対策済みとされており、アップルがこの問題について積極的な調査を開始したと報じている海外メディアもあります（re/codeの記事）。
個人レベルでは どうやって対策すればいい？
今回はアップルのサービスに存在した脆弱性を攻撃者に突かれたこともあり、個人では対策が困難なレベルの事例と言えます。しかし、流出したら困るデータはオンライン（クラウド）に保存しないようにするといった自衛手段は日常的に心がけておきたいところ。
もちろん、パスワードを使い回さないようにする、なるべく複雑にして定期的に変更するといったセキュリティの基本をこまめに実施するだけでも危険性は低下するはず。ネットの脅威から身を守るために、ひとつずつコツコツとセキュリティ対策を積み重ねていくことが重要です。
盗まれた女性スターの「私生活」 流出元はアップルのクラウド [MSN産経ニュース]
Vulnerability in Find My Phone service and weak passwords may explain alleged celebrity photo leaks [9to5Mac]
Apple Says It Is "Actively Investigating" Celeb Photo Hack [Re/code]
（pic: Wikipedia 1 , 2 , 3）
