スポーツ観戦の醍醐味の一つは、スタジアムなどに足を運んでじかに応援することにあります。
そんな応援も、スマホやタブレットを正しく使えばより楽しく応援できますし、間違った使い方をすれば選手やほかのお客様に迷惑をかけてしまいます。
迷惑のかからない利用方法を理解して、スマートにスポーツ観戦を楽しみたいですね。
適切でない使い方
スポーツ観戦とスマホ・タブレットの利用については、あまり主催団体・興行団体でも語られていません。技術の進化にルールが追いついていないということもあるかもしれませんね。筆者が関係者などから見聞きしたお話を元にご紹介いたします。
撮影禁止のスポーツも
たとえばプロゴルフの観戦では、選手プレー中の撮影はできません。スマホの持ち込みは認められてはいますが、
・指定されたエリアでのみ通話やメールチェックが許されている
・選手のプレーの邪魔をしてはいけないという観点から、スイング前後の撮影はもちろん、観客が動くこともマナー違反
といった表記をされている所が多いです。各大会のオフィシャルウェブサイトには注意事項が掲出されています。
野球・サッカーではそのようなルールは無いようですが、野球ではフラッシュの利用は明確に禁止事項になっています。
興行において明示している例として、新日本プロレスでは「動画撮影禁止、ただし写真撮影や写真のシェアはOK」と表明しています。
ルールブックのようなものは文章として読みにくいことが多いのですが、このような通知方法はファンに伝わりやすいかもしれませんね。
ほかの観戦者の邪魔になる行為
スマホやタブレットを使って試合の様子を撮影しようとしたとき、頭上にもちあげて撮りたくなってしまいますよね。そのようなときに、後ろの観客の邪魔になってしまうケースがあります。
試合を楽しむ権利はすべての観戦者に平等です。自分のための行動で、ほかのファンの迷惑にならないようにしたいですね。
イングランドサッカーチームのマンチェスターユナイテッドが近頃、観戦者によるタブレット端末の持ち込みを禁止しましたが、その理由の一部は、このほかの観戦者に対する配慮が理由だと言われています。
中継はNG
スマホやタブレットで動画が撮れるからといって、それを動画配信サイトに生中継として流してしまうことには問題が残ります。
映画館で映画を見ているときに、映画をスマホで中継したら良くないということが感覚的にわかると思うのですが、それと同じ考えに近いです。
弁護士の方の考察が紹介されているPDFファイルがありました。
試合の状況を録画することが禁じられていない場合でも、許可がない限りはあくまでも「私的利用」の範囲にとどめておくことが大切です。
有効な使い方
メジャースポーツは「権利ビジネス」と言われることもあるくらいですから、映像や公式のサイトの情報価値を高めるための策を講じます。ですので、気を付けたいことの筆頭には写真や動画の公開が許されるかどうか、ということになるでしょう。
とはいえ、選手名鑑や記録がチェックできるなどスマートデバイスがより楽しい観戦の助けになることも多く、主催者側はバランスよく使ってほしいと考えていることは見え隠れします。
NTTドコモ、ソフトバンク、auなどはWi-Fiスポットを積極的にスタジアムに設置しています。スタジアムでも快適にスマホを使えるようにする環境作りは進められています。
スマホを使われたくなければ、このようなサービスは不要なはずですね。
情報提供に積極的なスタジアムも
プロ野球・埼玉西武ライオンズのホームスタジアム・西武ドームでは「Lions Wi-Fi」というサービスがあります。西武ドーム内に150近いWi-Fiのアクセスポイントを用意し、スタジアム内だけで提供されるライオンズの独自情報や試合映像を見られます。
このようなサービスをしているスタジアムへ赴く際には、積極的にスマートデバイスを持っていくのが面白いでしょうね。
まとめ
スマホやタブレットに関する記載はともにありませんが、全体的な応援マナーを確認しておくと良いでしょう。
一例として東京ドームの観戦マナーに関係するページを紹介します。
ほかのプロ野球のスタジアムもほぼ同様ですので、参考になるでしょう。
Jリーグは共通の応援マナーに対するガイドラインが発表されています。
各チームもこれに準拠しております。
とはいえ、スタジアムに観戦に行くなら一番やるべきことは、リアルにスポーツを見て、声援を送ることではないかと思います。スマホやタブレットをいじってばかりでは観戦に来た意味がありませんからね。
応援しに来ているのですから、まずは観戦して楽しむのが一番!そのうえで上手にデバイスを使いましょう。
(奥野 大児)