スマホでコントロールできるモデルもすっかり定着し、安価で手に入りやすい機種も揃ってきたラジコンヘリ。夏のレジャーに向けて購入を検討している人もいるでしょう。
そんななか、今年の4月に名古屋市の市街地でラジコンヘリを飛行させたとして航空法違反の疑いで書類送検された男性の話題がニュースでも報じられています。
今回の件で、いったいどういった点が航空法に触れるとされているのか、またマナーや注意したいポイントについて短くまとめてみました。
ラジコンの高度と空港からの距離に注意
今回、航空法違反が疑われているのは、飛行させた現場が名古屋空港から半径9km以内であり、かつ高度が150m以上であったとされるため。航空法第九十九条の二によると、
(飛行に影響を及ぼすおそれのある行為)第九十九条の二 何人も、航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのあるロケットの打上げその他の行為(物件の設置及び植栽を除く。)で国土交通省令で定めるものをしてはならない。ただし、国土交通大臣が、当該行為について、航空機の飛行に影響を及ぼすおそれがないものであると認め、又は公益上必要やむを得ず、かつ、一時的なものであると認めて許可をした場合は、この限りでない。2 前項の空域以外の空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為(物件の設置及び植栽を除く。)で国土交通省令で定めるものをしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に通報しなければならない。
とされており、今回飛行したのは空港周辺の一定範囲内上空(制限表面)の上空という条件に抵触したと思われます。
「無人機」にカテゴライズされるラジコンヘリは、購入や操縦に特別な免許も必要なく誰でも手に入れられるため、気軽に飛ばしても良さそうに思う人もいるかもしれませんが、こうした法的な制約についてもしっかり知ったうえで楽しみたいところ。
また、それ以前に見通しの悪いところや人混み、その他危険のあるところでは飛ばさない、周囲に充分注意して無理な操縦はしないようにする等のマナーをしっかり守るようにしましょう。特にカメラを備えたモデルでは、周囲のプライバシーなどにも配慮が必要です。
空中を飛行するだけに、墜落などの事故にはくれぐれも注意しなければいけませんね。
ネットで批判の無線ヘリ無許可飛行 書類送検 [NHKニュース]
制限表面 [Wikipedia]
[航空法]
(ワタナベダイスケ)