世界中の各地で綿々と紡がれてきた、人類の歴史。従来では中国・西ヨーロッパに偏りがちだったという収録地域を東南アジア、アフリカ、中東などまんべんなく網羅した世界史辞典アプリが『角川世界史辞典』です。
以前に紹介した『角川新版日本史辞典』アプリとも連携でき、世界史のキーワード約1万4千項目以上を収録した大ボリュームのアプリ。全項目の完全読破は至難の業です。
これは歴史から我々への挑戦状だ!
圧巻のデカさ!『地域年代対照表』
まずは上の画像、これは私が個人的に当アプリの目玉機能だと感じた『地域年代対照表』の一部。iPhoneの縦表示画面では極一部しか表示できないくらい大きな年表です。ちなみに全体像は下のようになりますよ。
縦軸に地域、横軸に時代を取っており、年代ごとの文明や支配国家の移り変わりがよくわかるようになっています。色分けされているのも見やすくて良いですよね。それにしてもでかい。
多くの国や地域をキメ細かく収録
世界中の地域を偏りなく網羅しているこのアプリ、アメリカ大陸最古の文明(なんと紀元前1200年〜!)であるオルメカ文明や、古来からオーストラリアに先住していたアボリジニ等についても詳細なテキストを参照できます。
様々な地域について細かく見ていくほどに、世界史の概念が変わるかもしれません。
検索を制する者が、世界史辞典を制す
『角川新版日本史辞典』と同様、収録された大量すぎる情報からお目当ての項目を見つけるには「検索」の使いこなしが必須。人名などは索引から見つけるのが非常に困難なので要注意です。
本文内の単語をなぞって選択すれば、アプリ内すべての文中から検索してくれる「全文検索」はとても便利。また別途角川新版日本史辞典をインストールしてあれば、アプリをまたいで世界史と日本史間での相互検索もできるようになります。
また、5色でカラー分類して管理できる付箋機能で、色別に国や地域に分類してまとめるのも有効ですね。
付録も含めて、超読み応えアリ!
本文とは別に、さらなる情報量の付録もたくさん付いています。例えば『世界の主要王朝家系図』は文章に疲れた時に見てみるのも良さそうです。またロシアなどでよく見られる「時代や政治体制によって呼び方が変わる都市」や、エベレストなどの言語及び文化圏によって呼称が変わる地名などをまとめた『主要地名対照表』もためになりますよ。
同シリーズの『角川新版日本史辞典』と比較すると、ややビジュアル的な資料が少ないとは感じるものの、より読み物としてのズッシリ感があるな、という印象。
お値段も同じく2,300円とアプリにしては高額な部類ですが、内容の濃さから判断するならば今回も「収録された情報量に対してこの値段なら安い!」と思わせてくれますよ。
使用端末:iPhone5(OS:7.1.1 バージョン:1.3.1)
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発売元:NOWPRODUCTION CO.,LTD/更新日:2014年1月9日/価格:2,300円/対応機種:iOS 5.0 以降
(ワタナベダイスケ)