いまでこそドコモ・au・ソフトバンクで販売されているiPhoneですが、当初はソフトバンクの独占販売でしたよね。
筆者の周りだと、まずガジェット好き勢、つぎに広告ビジネス層、そしてお金持ち(?)の学生といった順にソフトバンクと契約していたことが思い出されます。
しかし、一体なぜソフトバンクの独占販売だったのでしょう?
ソフトバンク株式会社代表取締役社長の孫正義さんが、スティーブ ジョブスとのやりとりを海外インタビューで教えてくれました。
iPhone発表の2年前、私(=孫さん)はiPodに電波受信機能を付けたモノのスケッチを持って、ジョブスに会いに行きました。すると
「マサ、それは要らない。だって僕には既に自分のがあるんだから」
と返されました。そこで私は
「わかったよ、このスケッチはしまおう。でももし 君が実現したら、日本での販売は僕にやらせてくれ」
と言いました。しかしスティーブは笑いながらこう返してくれました。
「マサ! それはできないよ。だって君はまだ 通信会社すらもってないじゃないか」
「ようし、わかった。スティーブ見ててくれ。僕は日本で通信会社をつくろう。そしたら約束だ、絶対に忘れないでくれよ」
孫さんはその後 ボーダフォン株式会社(現・ソフトバンクモバイル株式会社)を買収し、その2008年にiPhoneを日本独占販売したのはもう誰しも知るトコロでしょう。
当時のiPhone発売まさに狂想曲と呼ぶにふさわしい騒ぎでしたが、その裏にこんなに熱い男2人のドラマがあったなんて... 感動です!
ちなみに孫さんが、日本マクドナルド創業者・藤田田(デンと発音して下さい)さんを尊敬してるというのは有名すぎる話。ひょっとしたら孫さんは、ジョブスとのiPhone販売交渉に挑む自分を、藤田さんのレイ クロックとのマクドナルド販売交渉にダブらせていたのかも...
なんて想像するとさらに胸が熱くなってくるものがありますね! ただそれは私の勝手な想像ですが(笑)。
[Bloomberg](Pic)
(伊藤ハワイアン耕平)