スマートデバイスの普及によって、アプリのグローバリゼーションが進む昨今。これまでは、欧米諸国がその牽引役を担っていましたが、今後は日本を含め、韓国、中国など東アジアのデベロッパーが、その役割を取って代わるかもしれません。
去る1月22日(木)に、東京・ベルサール八重洲で開催されたトークセッション「日本、韓国、アジアのアプリビジネス最新トレンド」。その中では、そんな東アジアがリードする「スマ充!」ライフの未来を予感させる議論が交わされていました。
急成長が進む、東アジアのアプリ市場
まず、話題にあがったのは、東アジアのアプリ市場について。特に中国と韓国のデベロッパーの売上は、ここ1〜2年で200%も伸びていると、グーグル株式会社の坂本達夫さん(写真左から2人目)は着目します。
「この両国は、グローバリゼーションが加速していて、アプリを開発するにも、最初から世界を取りにいっています」
その背景として、韓国のスマホ事情について、株式会社FlittoのCEO、Lee JungSuさん(写真一番右)。同国では、すでにガラケー文化は無くなっていると説明していました。
「韓国のスマホ転換率は95%。移り変わりのスピードが、とても早いんです」
反面、全世界において、アプリの売上のほとんどは日本やアメリカから生み出されたもの。そのため、韓国や中国のデベロッパーといえども、はじめから売上の見込みが立つ、多言語化を目指して開発しているんだそうです。
日本だって、負けちゃいない
日本のアプリ開発も、ここ数年大きな変化にさらされていると言及したのは、株式会社コミュニティファクトリーの松本龍祐さん(写真左から4人目)。Yahoo! JAPANのアプリ開発室長も兼任する同氏は、自らが手がけたプリクラアプリ『DECOPIC』も最初から5カ国語対応だったと応戦します。
「特に最近のヤフーは、リソースの多くをスマートデバイス要員に割いています。もちろんPCサイトも大切にしているのですが、最重要なのはスマートデバイスです」
さすがは、日本を代表するITのリーディングカンパニー。「爆速」のコピーは伊達じゃないようです。というか、これ、ひと事じゃありません。TABROIDもこの流れにいち早くキャッチアップしていくべく、努力していきたいものです。
どうなる? 2014年のスマホ業界
そんな議論が深まる中、株式会社SMATOOSのCEO、Kim Moonsooさん(写真左から5人目)は、今後のアプリ業界を左右する、気になる発言をされていました。いわく、いまようやく「ゲーム以外の分野で、革新的なアプリが開発され始めてきた」のだそうです。
「一般的にゲームアプリの寿命は短いといわれています。対して、教育アプリの寿命は長い。そこにゲーミフィケーションの仕組みを導入したら、強いアプリができあがる」
実際、彼らが生み出した英会話アプリ「BeNative!」は、毎日配信されるコンテンツは無料、ただしそれを後日参照しようとすると有料になるという、続けてアクセスしたくなる仕組みが盛り込まれています。
また、さきほどの松本さんは、2014年にはスマホからのEコーマスが一般的になるだろうと予想。現状、たった10%しかシェアがないものの、いま急速に伸びているのだそうです。
「シェアが10%ということは、つまり伸びしろが90%もあるということ。すべてひっくり返す雪崩をうったような変化が、そこに迫っていると思います」
インターネット史上、アクセスするデバイスの主力は常にPCでした。ところが、ここ数年でそれがスマホに取って代わったのです。コマース市場だけが、PCが主戦場のままでいるわけありません。
スマートフォンやタブレットなど、もはや生活に欠かせないものとなったスマートデバイス。「スマ充!」のその先の未来は、意外とすぐそこに迫っているのかもですね。
プレスリリース:メディアカンファレンス「韓国スマホアプリの最新トレンド」開催のご案内[アムタス]
(オサダシン)