映画『スティーブ・ジョブズ』公開中のいま、ジョブズ伝記に再ブームの兆しかも? 講談社『Kiss』で連載中のヤマザキマリ版ジョブズを皮切りに、集英社の児童書『学習まんがシリーズ』、そして小学館『学習まんが人物館』と立て続けに刊行されているスティーブ・ジョブズ漫画たち。
ここでは同一人物を扱った作品ながら、絵柄や切り口の違ったこの3作品を徹底比較しちゃいましょう。あなたのお気に入りジョブズはどのジョブズかな?
まずは最新刊の『小学館版ジョブズ』をチェックしてみた
今回紹介する3作品でもっとも後発となったのが『小学館版 学習まんが人物館 スティーブ・ジョブズ』です。
既刊の講談社版と同様に児童向けという形になっていますが絵柄のタッチは少年誌・青年誌っぽいテイストで、装丁を変えればそのままコミック単行本として違和感なく売れるんじゃないかと思えますね。
小学館版ジョブズの見所は、インド放浪を経てお坊さんスタイルでアメリカに帰国するジョブズ。もっとも、次のページではもう髪が伸びていたりするのは伝記漫画ならではの展開の早さゆえか。
意外と「若き日のジョブズ」のイメージって固まってるんですね
さて、ここからが比較編。ジョブズ青年期のヤンチャで神童めいた逸話はご存知の通り。3つの漫画作品を比べてみてもそのイメージはかなり共通しています。
↑ 集英社版の若ジョブズ。児童ウケ良さそうな熱血キャラで、「めちゃくちゃすごい」は本書のジョブズが連呼するキーワードです。子どもにもめちゃくちゃわかりやすい。
↑ 小学館版は子ども時代がイタズラっ子というよりちょっと真面目っぽく描かれています。その反動か青年期の描写はかなり生意気さアップ。なお、若ジョブズ時代の髪型がロン毛ヒッピーや坊主頭など変化に富んでいるのが本作の特徴。
↑ ヤマザキマリ(講談社)版は他と違って大人向けのためか、若ジョブズの危うい側面の描写も。喫煙シーンもさすがに児童書ではカットされちゃいますもんね。
タートルネック時代も比べてみた
アップル復帰後、晩年に至るまでトレードマークとして着用していた黒いタートルネック。この時代のジョブズも比較してみましょう。
↑ 集英社版(上)とヤマザキマリ版(下)。どちらも毒気が抜けた感じですね。
↑ 小学館版でも落ち着いた雰囲気になってますね。でもお得意の「ダメ出し」が炸裂。やっぱジョブズはこうでなくちゃ(笑)?
他にもエピソードの取捨選択や人物描写など、様々な面で違いが見えるのがジョブズ伝記読み比べの面白いところ。漫画だけでなく、映画や実際のインタビューやプレゼンの映像なども比較してみるとさらに違った発見ができるかもしれませんね。
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(ワタナベダイスケ)