「携帯電話の電源をお切りください」が変わる?
今年に入って総務省が指針を緩和した「携帯電話の電波が心臓ペースメーカーに与える影響は少ない」とする内容を受けて、各鉄道会社の間でも車内アナウンスを変更するなどの対応が始まるといった話題が最近ではニュースなどでいくつか取り上げられています。
産経ニュースが報じたところによれば、
京阪電鉄=電源オフの呼びかけをとりやめ
近鉄、阪神電鉄=アナウンス見直しを含め検討中。
阪急電鉄=「ペースメーカーを使っている方の不安を取り除くためにも電源オフを継続していく」
JR西日本=様子見
と、どうやら各社バラバラな対応となっている模様。
ところで、携帯電話とペースメーカーについてはたびたび議論の種になっていましたが、なんだか難しい話だと感じていた人も多いのでは?
そこで皆さんの理解の一助になればと思い、2013年1月24日付で総合通信基盤局から発表されている報道資料をもとに、総務省の新たな指針について要約してまとめてみましたよ。
各通信規格とペースメーカーの離隔距離をまとめてみた
以前の指針は、当時普及していた電波出力の高い2G(第2世代)携帯電話をもとにしており、各キャリアの2Gサービス終了を受けて現行の3Gを基準としたものに緩和されました。
総務省の資料から、現在のケータイ・スマホに内蔵されている通信規格について箇条書きで抜き出してみたのが下のリストです。
・携帯電話とペースメーカーの離隔距離は従来の22cm以上から15cm以上に緩和
・非接触ICカードのリーダー・ライターはペースメーカーから12cm以上離すこと
・調査の結果、PHSはペースメーカーに影響を与えなかったが、外見が区別しにくいため配慮すること
・無線LAN(Wi-Fi)機器については特別の注意は必要としない
・WiMAX機器も特別の注意は必要としないが、ペースメーカーに密着させるのは避けるべき
もちろん指針には混雑した場所などでの配慮についても書かれていますが、携帯電話や通信機器に関するペースメーカーからの離隔距離(離すべき距離)は数字上ではリストの通りとなるようです。
RFID(電子タグ)について
また、携帯電話関連以外だと、店舗などでよく見かけるRFID(電子タグ)についても記述がありました。
ペースメーカー利用者はRFIDゲートは立ち止まらず中央を歩く、ハンディ型の読み取り装置などはペースメーカーから22cm以上離すこと、といった内容が書かれています。携帯電話よりもRFIDリーダーのほうが離隔距離を大きくとるように定められているんですね。個人的には勉強不足からこちらはノーマークでした。
この記事では総務省の資料をコンパクトに要約しましたが、時間が許せば皆さんにも元の報道資料を一読いただきたいところです。
それとは別に携帯電話の利用マナーにも再度気をつけたいですね。電車内での通話、危険な歩きスマホ...周囲から白い目で見られちゃってますよ〜。
ここでやっぱり、マナー再考です:
「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の改正案に対する意見募集の結果及び指針の改正 [総務省]
ペースメーカー「携帯の影響ほとんどない」と総務省 電車内マナー変わる? [ライブドアニュース(産経ニュース)]
(ワタナベダイスケ)