まるで変化していない...
米WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)が、NTTドコモの坪内副社長に「iPhoneの取り扱いについて」インタビューしました。中国で開催中のモバイルアジアエキスポにて行われたインタビューです(全文はWSJで(英語))。
このインタビューに関して、アップル情報サイトのRINGO-SANCOさんが妙訳をされていました。ここでは重要と思われる部分を、一部抜粋してご紹介いたします。
Q (WSJ 以下略): iPhone販売を妨げている事柄は?
A (坪内氏 以下略): (前略)単に条件面の問題です。調達コストは?販売コミット数は?といったことです。仮にiPhoneを扱うとしましょう。その場合、我々には得るものと失うものが出てきます。つまり「iPhoneを販売する」長所と短所を比較検討する必要があるのです。
得るものと言えば、AppleのiPhoneはマーケティングを強力に後押しするツールとなり、魅力的な製品がラインナップに加えられます。ただ、同時に問わなければなりません。「条件は?」ということです。iPhoneを扱う他のキャリアは、iPhoneを低価格で販売しています。つまり、非常に多くの販促費がかかっています。
また、我々が現在Android向けに提供している独自のサービスは、カスタマイズの余地がないiPhoneでは動作せず、対応を断念しなければなりません。
(以下略)
RINGO-SANCOより引用。一部省略は編集部によるものです。
ふむふむ、なるほど。これはアレですね、ちょうど1年前にドコモの株主総会で語られた内容と何一つ変わってねぇ(詳しくはこちら)!
一年間(またはそれ以上)、平行線をたどり続けているようです。なっがい平行線だなぁこれ。
結局のところ、ドコモ「条件緩和して」アップル「やだ」という状況のまま、全く話が進んでないということですね。どっちも折れなすぎでしょう...。
なお、RINGO-SANCOさんではインタビュー全体の妙訳をされていますので、ぜひご覧ください。状況が変わっていないというのがさらによく確認できますよ。
昔ほどではありませんが、ドコモにiPhoneを望む声は今でも確実にあります。しかし、ドコモはいまだに最も利用者が多く、懐には余裕があります。auやソフトバンクと違い、厳しい条件を飲んでまでiPhoneを取り扱う必要がもないのでしょう。
同じくアップルも、日本ですでに2キャリアからiPhoneが発売されているため、条件を緩和してまでドコモに取り扱ってもらう必要もないと考えていると思われます。
この均衡は、どちらかの経営危機が訪れるまで変わらないのかもしれませんね。
布石とは一体なんだったのか:
・「だが裏にはiPhone導入への布石という意味合いもありそうだ。」という日経新聞のフレーズがTwitterで流行中
WSJによるNTTドコモ坪内和人副社長へのiPhoneに関するインタビュー(抄訳)
Q&A: NTT DoCoMo Looks Beyond iPhone[Wsj.com]
(コンタケ)
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