ニューヨーク市がHIV/エイズ対策に力を入れていることは以前NY通信#2でコンドームのお話をした時にお伝えしました。HIV/エイズ関連アプリもちょっと検索しただけで薬の服用スケジュールを管理するためのアプリ(Google Play)や、HIV/エイズについて正しい知識を身につけるためのアプリ(iTunes)など、たくさん公開されているようです。
今年秋、アメリカでは自宅で自分で検査できるHIV検査キット「Oraquick」が Rite AidやCVSと、日本でいうコンビニのような気軽な店で購入できるようになりました。キットの値段は40ドル。さっそく試してみました。
弁当箱大の大きさの箱。これで一回分。箱は引き出しのような部分がついていて、そこに説明書が入っています。
感心したのはそのデザインが非常によく考えられている点です。キット自体が検査をするためのプラットフォームのようになっているのですが、検査用の試験管を固定する場所があったり、マニュアルがカード状になっていて、手で抑える必要がなかったりと、細かい所まで注意が払われています。
平たい綿棒を使って口から唾液を取り、それを先ほどの試験管の中に入れて20分待つと結果が出ます。
待っている間、上の様にマニュアルの一部が試験紙をおおうので結果は見えません。20分の間は引き出しの中に入っている「HIVについて」という本を読みます。
20分後、勇気を出して試験の結果を見ます。ちなみに結果を見る段階ではどうなっていれば陰性/陽性なのかは知らされません 。結果を見た後に見るページに、その読み取り方が書いてあります。
先に読み取り方を知っていた場合、結果を見ることに大きなプレッシャーがかかるのと、結果次第でマニュアルの先を見てもらえないことがあるからだと思います。
マニュアルを進めると「陰性の場合」「陽性の場合」と説明が書いてあります。24時間無料のカウンセリング電話番号もあり、支援団体などの情報も書いてあります。
試験の後は綿棒や試験管を付属のゴミ袋に入れて捨てます。プライバシーを守るため不透明でシール付き。
アメリカ全土で毎年5万人いるHIVの新規感染者が、「Oraquick」の登場で減るでしょうか。
(近藤司)