前回のエントリーでは政府主導のコンペティションChallenge.govで募集された「ホームレス救援アプリ」を紹介しました。
Challenge.govは2009年にオバマ大統領の「賞金と公募などを使用し、難しい社会問題を解決するためのイノベーションを促進する」という呼びかけに応じて開始されました。
この「民間に問題を議論させ、賞金を使ってそれを解決するイノベーションを促進する」というアイディアがとてもアメリカ的だなと思ったので、今回から何回かに渡って、Challenge.govに出されている公募を紹介したいと思います。
NYC SCHOOLS GAP APP CHALLENGE
NY市の教育部門が公募するチャレンジ。チャレンジの紹介にはたいてい分かりやすい動画が紹介されています。
The Gap App from NYCDOE iZone on Vimeo.
つまり、「読み書きの能力の欠如」「興味/モチベーションの欠如」「計算能力の不足」等の理由で、1クラスの中の生徒間に非常に大きな算数の能力差(GAP)が生まれているわけですね。
子どもによっては2年分も遅れている子もいる。そんなクラスがNY中に3000以上もあるそうです。そんなクラスを教える先生を助ける簡単なアプリはないか。というのがこのチャレンジです。
応募部門は2つあり、実際に算数を教えるためのアプリと、クラス管理/運営のためのアプリに別れています。
各部門1位の賞金が2万1千ドル、2位が1万1ドル。賞金8千ドルの名誉賞というものもあります。
賞金も、2万1千ドルのうちの1万5千ドルが現金、6千ドルがアマゾンのサービスクレジットという点も、色々な分野の第一線を上手く巻き込んでいる事がうかがえます。
審査員にはNY市の教師、そして教育専門家、ReThinkEducationなど教育とテクノロジーに取り組む団体の代表者に並び、「米国の2ちゃんねる」的存在Redditの共同創立者Alexis Ohanianが混じっていたりと彼らの議論を聞くだけでもとても面白そうです。
応募〆切りまであと1ヶ月。それから審査がされ5月13日に受賞アプリが紹介されるようです。一体どんなアプリが飛び出してくるか楽しみです。
(近藤司)