兄弟メディア「ギズモード・ジャパン」からの転載。
お。DACのメーカーは、コッチ方面で大人気なESS Technology製なんですね。
スマホでいい音、楽しみたい。そうお考えの方にはおすすめなのがヘッドホンアンプ内蔵のUSB DAC。デジタルで音楽信号を取り出して極力劣化しないようにアナログにコンバートしてくれるアイテムです。
本体をコンパクトにまとめなければならないし、バッテリーライフを長くするという目的もあるため、スマートフォンに組み込まれているヘッドホンアンプ部は必要最低限な構成となっていることがほとんど。ゆえに駆動力が低く、高価なヘッドホン/イヤホンの実力を発揮できません。ならばこその、ヘッドホンアンプ内蔵のUSB DACというわけです。
しかし従来の製品は大きいモノが大半。2段重ねを推奨するゴムバンドや短いケーブルもありますが、運用はしにくい。
良音をとるか。利便性を維持するか。この2つ、両立してくれそうな品が現在machi-yaクラウドファンディングで支援者を募っているNext Driveの「SPECTRA」です。
DACチップはSABRE9018Q2C。モバイル機器用に開発されたアンプ回路を含むDACです。再生可能なデータはPCMが~32bit/384kHz、DSDが~11.2MHz。ハイレゾ音源ほぼフルカバー。これ以上のクオリティの音源もありますが、周囲に雑音がある環境だとその緻密な音は再現しきれないし、ハイレゾはファイルサイズが大きい。ポータブル用途で考えたらこれ、最高品質級です。
種類は汎用性の高いUSBモデルと、Micro USBモデル(Android用)。USBモデルはLightning - USBカメラアダプタを使うことでiPhoneと接続できます。
日本でリリースするなら、ユーザーの多いiPhone(Lightning端子)仕様を出してほしかったところですが、MFi認証がまだ通過していないんだとか。今後に期待、といったところでしょうか。
試作機をお借りしたので実聴してみました。うん、音像はシャープですね。ESS Technologyらしいオーディオ的ではなく、モニター的なトーン。音の立ち上がりが速く、スパッと収束していく。その上で独自の味付けでしょうか、低域にパワーを感じます。自宅でAKG Q701(開放型モニターヘッドホン)とつなげてみましたが、駆動力のあるアンプじゃないとコイツの低域って目覚めないんですよ。でも、据え置きアンプほどではありませんが、ドラムとベースが生き生きとしてる。
ダイナミックドライバーイヤホンのRHA MA750、オーディオテクニカATH-CKR100、BAドライバーのクリプシュX11、密閉型ヘッドホンのBeats Proなどで聴きまくってみましたが、なるほど。1つの傾向が見えてきました。
得意なのは音圧を高めつつも微細音を取り入れているサウンド。レベルの高い音の存在感を前に出しながら、音量の低い音の粒を並べていく。ダンスミュージックとの相性、いいですね。まさかDJ OZMAの『疾風迅雷~命BOM-BA-YE~』に鳥肌立てることになるとは思いもしませんでしたが。
苦手というか、イヤホン/ヘッドホンの相性が出やすいのが、少し前のロック。ボーカルを前、バッキングを後ろ、ドラムスをさらに後ろに配置したかのようなバランスの曲と、ダイナミックドライバーの密閉型イヤホンだと音が飽和しやすい印象が。なんだろう。鳴らしこんだら変わるのでしょうか。あ、コイツはまだ試作機でした。ということは、まだまだ音がブラッシュアップされる可能性があるわけで。
もう1つの肝心なポイント、利便性についてはノープロブレムすぎます。数百Ωのレコーディングエンジニア用ヘッドホンを使うのでなければパワーは十分ですし、小さい・細い・軽いはド正義。ただし、イヤホンのケーブルをスマートフォン本体に巻くような運用はできません。
気になるお値段ですが、現在60%オフ(9,800円)のUSBモデルはソールドアウト。MicroUSBモデルもそろそろ終わりそう。他には48%オフ(1万2800円)、32%オフ(1万6800円)、24%オフ(1万8800円)などのプランがあります。
できるだけ安くゲットしたいかたはお早めに!
source: machi-ya
(武者良太)