W杯の日本ーギリシャ戦で、
一般的な戦術論の類推が得られて興奮したので、書き残しておきます。

※サッカー素人なので、
 本文は、戦術論の雑談としてお楽しみくだされば幸いです。
 サッカー論や監督の采配に言及する能力も意図もありません。

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<まとめ>


・ギリシャは早々に退場者を出し、同点狙いの専守防衛戦術に変化

 →戦闘が「野戦」から「攻城戦」に変化

・「攻城戦」は守り手が圧倒的に有利
 →日本は、敢えて隙を見せ、城から誘い出して野戦に持ち込むべきだった?

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勝機がなきゃリスクを負わない
ギリシャ戦を見て体感できたのは、
「勝機がある」と思っていない敵は、攻めてこない →隙を見せにくい
という一般論でした。



ギリシャの立場:同点なら及第点
退場後のギリシャの立場に立って考えてみます。
  ※開戦直後は当然、勝利を狙っていたでしょう

攻めこんだ場合、
圧倒的な戦力差(人数差)がある訳ですから、
1点を得られる確率より、
隙を突かれて
逆に1点を取られる確率の方が高いでしょう。

となれば、守りに徹して同点で凌げれば上々。
しかも、守っても攻めても、
カウンター(奇襲)のチャンスは同様に存在しそうなので、尚更です。

攻めることに旨味があるからこそ、人はリスクを負って攻めこむ。



城を落とすには10倍の戦力が必要
攻城戦は難しい。
城を攻め落とすには、10倍の兵力差が必要とも言われている。
孫氏も兵法で「攻城は下策」と切り捨てているくらいだ。

攻城側が勝てるのは、(僕の知る範囲では)以下のような場合だ。

・10倍差の兵力
・城壁を破壊できる大砲(圧倒的な遠距離攻撃力)
・補給路を断って囲む、持久戦
・外からトンネルを掘り、城壁の下で崩落させる
・奇襲による指導者殺害


これをサッカーに置き換えると

・10倍差の兵力
 →W杯では厳しいか

・城壁を破壊できる大砲(圧倒的な遠距離攻撃力)
 →強烈なミドルシュートや、
  相手選手を吹っ飛ばすようなタイガーショットが必要
  →少年誌のスポーツ漫画以外では厳しいか

・補給路を断って囲む、持久戦
 →時間制限があるので厳しいか

・外からトンネルを掘り、城壁の下で崩落させる
 →退場

・奇襲による指導者殺害
 →退場(逮捕)


このように、かなり苦しい条件だ。

サッカーの専守防衛が、

戦争における攻城戦とどの程度似ているかは分からないが、
ゴールをめぐる攻防、という本質は
攻城戦の本質、城門をめぐる攻防と合致しているので、
それほど間違ってはいないだろう。

もっとも、
城に限らなくても、
守りに徹した相手を倒すには数倍の戦力が必要
なのは直感的にも異論のない事実だ。



敢えて隙を見せるしかなかった?

  →俗に言う「誘い出す」という戦術行動がこれか



「独立した1つの試合」
と見た場合、

日本有利
ギリシャ不利

なのは間違いないのだけれども、

「専守防衛のギリシャを崩して1点とる戦い」
と見た場合、
むしろ、

ギリシャ有利
日本不利

という逆転現象が生じる。

となると日本は、
守備を多少薄くして、相手に
「攻める旨味がある!」と思わせて城から引きずり出すしか
無かったのかもしれない。

こうすれば、
「専守防衛のギリシャを崩して1点とる」
という不利な戦いから、

「『一人少ないギリシャ』と『守りの薄い日本』でお互いに攻め合う」
という、

日本五分
ギリシャ五分

っぽい試合に持ち込むことができる。(!?)


つまり僕は、
「退場者が出た! 日本有利だ、がんばれ~~~」
と応援していたのですが、
あとで考えてみたら不利な戦いだった気がしてきた
という訳です。
(そして興奮した)

「戦い」は、やっぱり奥が深くて面白い!!!

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おわりに

以上の推論は、
サッカー素人が
「今日のギリシャは守りまくっていた」
という前提を元に展開しています。

本当にギリシャが「専守防衛」と言えるほど

守備に徹していたのかは自信がないです。
万が一この部分が違っていた場合、
これはもはや、ほんとすいませんでした!

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【追記】
 下記リンクが面白かった。
 実は勝ちより引き分けのほうがグループリーグ突破の可能性が高かったんですよ
 |NotSoTooooo
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