なんと、未公開の別バージョンが存在した!
現行バージョンに至るまでの、試行錯誤の軌跡である。
今回は、それらを一挙に紹介します!
(理由:過去のコンテンツを使えば楽に更新できると悪魔がささやいたから。)
<前提 ゼクレアトルとは?>
- 小学館のWEB漫画サイト、裏サンデーにて連載中。
- 全話無料。(第一話はコチラ)
- 作画:阿久井真,原作:戸塚たくす(僕)
<ストーリー>
『お前はこのマンガの主人公だ』と突然告げられた凡人、カン太。
頑張ってマンガを面白くしないと世界が終わる!?
カン太の日常を漫画化している神(?)ゼクレアトルによって徐々に明かされる過酷な真実。
そして第4話目で驚くべき何かが起こる!
<未公開バージョンの概要>
ver1:メタライフ
- 2011年 10月11日 全17p(未完)
- 『主人公が、自分がマンガのキャラである事に気づく』というメタネタを採用。
- 主人公はカン太。しかし途中で死ぬ。
- 主人公は友人に交代。
- ゼクレアトルは存在せず。
- 担当編集I氏に
「面白いけど展開が早すぎます!落ち着いて!これ2Pで1巻分くらいの内容だから!」
と言われ、衝撃を受ける。今読み返すと、確かにテンポがひどすぎる。
僕が編集者で、作家にこんなネームを持ってこられたら殴る。I氏に心より感謝である。 - I氏に
「僕が歳だからかもしれないが、メタ構造が分かりにくい。もっと直感的に分かる構造にできないかな?」
と言われ、次のバージョンで
(旧)主人公の世界はマンガの中 (世界は、本の中に存在)
↓
(新)主人公の世界をマンガを通して中継 (世界は、ちゃんと実在)
という設定に変更した。確かに分かりにくかった。I氏に心より感謝である。 - I氏に
「このマンガには起承転結の『転』しかない。でもマンガは『承』が一番長い。そこを面白く見せなきゃいけません」
と教わり、目の前に新たな世界が開ける。 - I氏「展開に頼らずに面白くする方法は、キャラをしっかり描くことだ。1人の人間の生き様をしっかり描ければ、それだけで面白い。」
- この記事の下部で公開!(全体公開)
ver2:メタコミックス
- 2011年 10月16日 全12p(未完)
- I氏のアドバイスを受け、4日後に完成。
- ゼクさんのデザインが全然違う!(ちんちん丸出し)
- まだテンポが早いが、何とかギリギリ読める。格段に改善された。
- I氏「まだ我慢が足りない。特に序盤は、1つの面白さに絞って見せていくべき」
- I氏「事態を受け止めるまでの過程を丁寧に。このマンガの最も特異な点は『お前はマンガのキャラだ』と告げられる点。そこはじっくり描くべき」
- この記事の下部で公開!(全体公開)
ver3:ゼクレアトル
- 2011年 10月26日 13pまで完成
- 2011年 11月6日 1話の最後まで完成(現行版)
- 1話の終わらせ方(ゼクが消えた後の展開)に悩み、何パターンも描いた。
- ver3.1 漫画を面白くするために何が必要か分析するバージョン
こちらで公開!(現行版に近いボツネタの一般公開は野暮なので、会員限定公開) - ver3.2 自分のマンガを読み返し、秘策を思いつくバージョン
- ver3.3 翻弄されつつも情報分析し、何かを発見するバージョン。
- ver3.4 凡人らしく翻弄されるバージョン(現行)
- この段階でもまだ、誰が作画者になるか決まっていなかった。
※僕がこのまま描く、という恐ろしい話もあった(@_@;) - カン太は高1だった(現在は中2)。
- I氏「ゼクさんが、主人公を「事件を呼びやすい性質」に変えちゃったって事だよね。これいっそ、ゼクさんがイベントを発生させてる事にしたらどうなるだろう?」
- I氏「ゼクさんが、凡人のカン太君に『主人公補正イベント』を与える。これってつまり、『無茶ぶり』の面白さに通じてる」
- I氏「『冒頭にお色気シーンがあるとマンガ的にオイシイぞ』とかぶっちゃけ始めたり。つまり、我々マンガ制作サイドと同じ視点を、このゼクさんは持っている。我々が望む展開は、ゼクさんも望んでいる。これは非常にやりやすい」
<ネーム公開>
※本当にテンポが早いので注意!
「あ、これ無理だ」と思ったら、読み飛ばしてください。
実際に無理だったやつなので。
ここまで
【作者の感想】
なんだこのクソ漫画は!! 作者を呼べ!!!!!
ver2:メタコミックス
※見どころは、
あの超絶カオス漫画が、
編集者のアドバイス1つで劇的に読めるレベルになった点。
ここまで
【作者の感想】
ちんちん丸見え。
ver3.1:ゼクレアトル
こちらの記事にて公開(会員限定)
※これとほぼ同一の現行バージョン(ver3.4)は、裏サンデーで読めます(無料)
<総括>
以上のような試行錯誤を経て、現在のゼクレアトルが出来上がった。振り返って思うのは、当時の僕の驚くべき荒削りさである。(今もまだ荒いが……笑)
そこら中に穴があり、
マンガの体を成しておらず、悪い意味でWEB漫画的な偏りがあった。
低い所は-100、高いところは100、みたいな。
それを、編集のI氏が、それぞれの局面で的確に助言することで、一定水準まで引き上げてくれた。
結果、低い所でも0くらいにはなった気がする。
そして偏りは尖りという特長に変わり、僕の武器となっていった。
特に、Ver1からVer2の進化(初めてのアドバイス)が驚異的だった。
4日であそこまでネームのレベルが変わったのは、的確なアドバイスの成せる技である。
僕は電話片手に、目を輝かせながらメモを取っていた。
1つのアドバイスで1レベル上がる、というのがその場で実感できたのである。
だからこそ、今こうしてver1を読み返すと、心が痛む。
<カリスマ編集I氏の心境変化>
石橋「何だこのWEB漫画! オーシャンまなぶ!? 超面白い! スカウトだ!」
石橋「俺の見込んだこの戸塚たくすという男、
果たしてどんなネームを持ってくるか(ワクワク)」
たくす「できました!(得意げ)」
石橋「どれどれ・・・」
石橋「これが絶望か!」
そしてしばらく後、作画の阿久井さんが加わった。
マギのエースアシスタントだった阿久井さんのお陰で、画面に華ができた。
現在の可愛いゼクさんは、阿久井さんがいなければ存在しなかった。
仙界の様子など全く違ったものになっていただろう。
完成した絵をみて、新たな気づきやインスピレーションを得ることもよくある。
心より感謝である。
まだまだ若い阿久井さん(20代前半)。
現在も、驚くべきスピードでレベルアップしている!
参考画像:可愛いゼクさん
さて。
改めて、過去バージョンのネームはどうだったでしょうか?
「最初こんなヤバかったのか」
「あ、ここが違う」
「ここは最初からこうだったんだ」
とか、それなりに楽しめたでしょうか?
その上で最後に
「あー、確かに現行バージョンが一番だな。よくここまで持ってきたな!」
と思っていただければ幸いです。
「前のほうがよかった」
と言われた場合には、悔しさで袖を噛みちぎります。
引き続き、最新話を最高に面白くできるように頑張ります。わっしょい。
<宣伝>
ちなみに、3月中旬に2巻が発売です!また告知しますが、どうかお楽しみに!
1巻は発売中です!
ーーーーーーーーーー★特典1★ーーーーーーーーーー
『コミックス限定漫画』のゼクさんが可愛いと評判なので、ぜひ買ってください!
ーーーーーーーーーー★特典2★ーーーーーーーーーー
セリフを100以上、改良してあります。
編集I氏に「こんなに直す人みたことない・・・」とドン引きされました。(心より感謝である)
※最近、ドン引きされてナンボみたいなキャラになりつつあるのは、やや気になってます。
ーーーーーーーーーー★特典3★ーーーーーーーーーー
僕の生い立ちを綴った痛いコラムが載ってます(胎児編から小学校編まで)。
たくすアンチの方は絶対に買った方がいいと思いますよ!(心より感謝である)
<最後に、全体を通した所感>
ちんちん。
コメント
ver1の方がいいというコメントが多いのは、ゼクレアトルを知った上でこれを読んでいるからだと思う。
予備知識なしで読み始めると、主人公の感覚に頼った考察についていけずに脱落しそう。
たしかに、ついていければ密度が濃い分、1話読み切りとして比較するならこちらの方が面白いかもしれないが、
連載でver1のように全てを出し尽くしてしまうと、かけ●いのように出落ち作品になりかねない。
段階的に事実を明らかにしていく現行のゼクレアトルの方が分かりやすく、かつ連載に適した良作のように思う。
ver1はやばすぎるやろ!(笑)。確かにしょっぱなから飛ばしすぎで、お話作りとしては砂上の楼閣の空中戦なんだけど・・・それでも、この加速感があれば物語は一定の期間内にどこかにたどり着いていたかもしれないとか思ったり。現行のゼクさんは生真面目なまでに丁寧に展開してたけど、あのペースであの物語を全部語るとするならば、結局どんだけの巻数を重ねなければならなかったか。それはそれで、ある種の傲慢ではあるまいかー。
Vet.1 すごい面白かった! 漫画として普通に読めるし理解できるしテンポもちょうどいい。
(ID:31332410)
ちんちん丸見えwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いいなぁ・・こういう漫画好きだから読みたいな