しゅんまおのそれほど優雅でもないブロマガ

VS#01台本

2013/07/18 21:39 投稿

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次回の動画うpまで少しかかりそうなので、お茶濁しに晒してみます。
本編と見比べてみたりするとなんか発見とかあるかも?(ないかも)



◇  ◇  ◇

ヴェローナ・ストライプスのちょっとした大冒険 #01
『Greetings To You』

 サンセットバレーの風景。
 ゼメキス家にフォーカスしていく。見覚えのある部屋やテラスが映る。
 遊具のある庭で一人、チェスを打っているタリア。
 そこに訪ねてきた男の姿。

タリア:久しぶりだわ…この感覚。
  勝とうとする意志。挑もうとする意志…懐かしいとすら思えるくらい。
シーガル:アンタのことをずっと探してた。
  20年前に忽然と姿を消した天才チェスプレイヤー、タリア・ピロウズ。
タリア:今は、タリアゼメキスよ。
シーガル:どちらでもいいさ。腕さえ衰えていなければ。
タリア:衰え…ね。
シーガル:俺と勝負してくれ。生涯無敗と言われたその実力、味わってみたい。
タリア:…あなたの名は?
シーガル:シーガル。シーガル・レッドウッド。
タリア:シーガル、残念だけど私は、あなたの期待には応えられない。
シーガル:何故だ?
タリア:もう「仕合」はしないと決めたの。
シーガル:何故。
タリア:チェスが私の全てではなくなったから。
  今は、もっと大切なもので満たされているから。
シーガル:…確かに。残念な返事だ。
タリア:あなたが相当の実力を持っているのは分かる。
  そこに立っている、その姿だけでも。
シーガル:実は俺も、生まれてこのかた負けたことが無くてね。
  生涯無敗同士、無敵と最強が戦ったらどうなるのか、ずっと興味があった。
タリア:不思議な事に興味を持つのね。
シーガル:不思議なことか?
タリア:実際はとてもシンプルだと思うわ。
  どちらかが勝って、どちらかが負けるだけ。
  それだけが事実で、あとは全部、想像よ。
  …それに、どちらにしてもあなたの望みは成立しない。
  私はもう「生涯無敗」の存在ではないのだから。
シーガル:どういう意味だ?
タリア:負けたのよ、少し前に…もちろん真剣勝負でね。
  あなたが言うように、衰えてしまったのか。
  それとも、次の世代に託す時が来たのか。
シーガル:いったい、誰に負けたんだ?
タリア:未来ある若者。とても面白い感性の持ち主よ。
シーガル:そいつは今、どこにいる?
タリア:ウエスターバーグという街。

 暗転。チャイムの音。
 ウエスターバーグのテリーとミカの家。玄関にヴェローナがいる。

ヴェローナ:出るわけない、かぁ。
  もしかしたら兄貴がチームをクビにでもなって、
  早く帰って来てるかなって思ったんだけど(笑)
  えーと、鉢植え鉢植え。

 鉢植えを探すヴェローナ。
 ミカとの電話のやりとり回想。

ミカ:ごめんねヴェローナちゃん。
  明日、急な仕事が入っちゃって、空港まで迎えに行けなくなったの。
  テリーも試合だっていうし、タクシーでも捕まえて、
  先にウチに上がっててもらう形になるわ。
  鍵は玄関近くの鉢植えの下に隠しておくから、それを使ってちょうだい。
  できるだけ早く帰るようにするから。ゆっくりくつろいでてね!

 玄関を開け、部屋に入るヴェローナ。

ヴェローナ:おじゃましまーす。っていうか、ただいまになるのかな?
  (少し眺めて)ほうほう、なるほど、ここが兄貴とミカさんの愛の巣ですかい。
  やっぱり「おじゃまします」なのかもしんないね。フヒヒ。
  でもってアタシの部屋は、と…
ミカ:ヴェローナちゃんの部屋はとりあえず一番奥。
  ワンちゃんの絵が飾ってある隣のドアよ。
  あくまでとりあえずだから、気にいらなかったらまた改めて相談しましょ。
ヴェローナ:とんでもない。充分すぎるくらいだよ、ミカさん。
  そしてそして…よし。ちゃーんと先に着いてたね。

 部屋の片隅にウッドベースが置いてある。

ヴェローナ:こいつの名前はブルーベリー。
  ハイスクールの進学祝いで買ってもらった。
  ウッドベースはママの影響で始めたんだ。
  心地よい重低音が、頭ん中を整理するのにちょうどいい。

 演奏を始めるヴェローナ。
 語りに合わせて過去の映像が流れる。

ヴェローナ:さて、そんなわけで、これまでの経緯をまとめていこう。
  コトの起こりは3年前、クリス姉ちゃんとカールさんの結婚だ。
  お姉ちゃんたちの家を子育て向きに改築している最中、
  ふとしたキッカケで地下に秘密の部屋がある事が分かった。
  そこには冒険家、フィリップ・メインの研究資料が保管されていた。
  その内容は、失われた古代文明「シムリア」の謎について記されたものが殆どだった。
  話だけはヘンリー叔父さんからちょくちょく聞いてたんだけど、
  具体的な資料が出てくるとは驚きだった。
  アタシはそれに強い興味を持った。
  特に重要そうな文献をいくつか拝借して、
  ハイスクールの勉強そっちのけで読み解いていった。
  フィリップ氏の研究はどうやら、ほぼシムリア文明の真実に辿り着いていたようだ。
  アタシはそれを1年かけて論文にまとめ、
  ウエスターバーグ大学の研究機関に送りつけた。
  なんでウエスターバーグなのかって?
  それは、この街自体が、シムリア文明のあった大陸、
  シムリア大陸の真上に築かれていたからだ。

 ウエスターバーグの全景とともにタイトルバック。
 暗転し、演奏を終えて部屋で一息ついているヴェローナ。

ヴェローナ:アタシの論文を最初に読んでくれたのが、ポール・ジゴワット教授だった。
  当時も何度か、電話やメールでやり取りをした。
  そしてこの度、アタシのハイスクール卒業と同時に、
  この街へと招いてくれたってワケ。

 時計が映る。昼前を指している。

ヴェローナ:講義は午前中だけらしい。もう少ししたら大学のほうへ挨拶に行こう。
  それまでもうちょこっとだけ状況整理。

 また語りに合わせた映像。

ヴェローナ:論文が発表されるや否や、
  世界中の研究家、専門家、冒険家たちがウエスターバーグに集結した。
  街のあらゆる場所で次々に遺跡が発見され、どんどん調査は進められていった。
  そのへんの時期に来て、アタシはとんでもない過ちを犯した事に気付く。
  シャーロットさんの事だ。
  シャーロットさんはフィリップ・メイン氏の実の娘で、
  今はいろいろあってヘンリーおじさんの養女。
  つまり、アタシから見れば義従姉妹(イトコ)にあたる。
  彼女も冒険家をやっていて、いつかどこかで、実の父親に会えると信じて活動している。
  そうなんだ、それなのに、アタシは彼女に無断で、フィリップ氏の研究を。
  案の定、シャーロットさんはそれを許してくれなかった。
  アタシの事はもちろん、研究資料を隠していたヘンリーさんの事も。
  本当なら自分の力でたどり着きたかったはずなのに…
  それ以来、彼女はサンセットバレーの実家に帰って来なくなった。
  ていうか、かなりの確率で今はこっちに…
  ウエスターバーグにいるはずだ。たぶん絶対。

 玄関が開く音、とテリーの声。

テリー:あれ?開いてる…あ、そっか。今日はあいつが来る日だったっけ…
ヴェローナ:兄貴?
テリー:あ、ヴェ、ヴェローナ。もう着いてたんだな?
ヴェローナ:うんっ。兄貴こそずいぶん早かったね。今日は試合じゃなかったの?
テリー:今日は、その、あれだ…中止になったんだよ。相手チームの到着が遅れちゃって。
  現地で台風が発生してるとかで、飛行機が飛ばなくてさ。
ヴェローナ:へぇー、そりゃ大変だ。
  てことは兄貴、このあと時間、空いてるってコトだよね?
テリー:あ、うん、まあ…
ヴェローナ:ちょうど良かった。今から行きたいトコあるんだけど。車持ってたよね?
テリー:それはつまり…送れ、ってコト?
ヴェローナ:そゆこと。

 街を走っていくテリーの車。
 車内での会話。

ヴェローナ:それにしても広い街だね。サンセットバレーの4倍くらいの面積だっけ?
テリー:確かそんくらいだな。
ヴェローナ:道を憶えるの大変そう。
テリー:案外そうでもないよ。島全体がちょうど4つに分かれていて、
  工業エリア、商業エリア、居住エリア、大学エリア、って感じで機能してる。
  道はどこもだいたい碁盤目に敷かれてるから、変に迷い込んだりすることもない。
  思ったよりも住みやすい街さ。
ヴェローナ:兄貴、すっかりここの住人だね。
テリー:まぁ、3年もいれば、な…
  さぁ、もうすぐ着くぞ。ウエスターバーグ大学だ。

 ウエスターバーグ大学に到着した2人、駐車場に車を停める。

テリー:それじゃ俺はここで待ってるから。
ヴェローナ:えっ、一緒に来てくんないの?
テリー:ほら、俺、一応地元のスポーツ選手だからさ。
ヴェローナ:あーそっか。ファンとか集まってきたら困るもんね。
  ほいじゃササーっと行ってくるよ。
テリー:ああ。気をつけてな。

 ヴェローナを見送るテリー。

テリー:(得点能力ゼロのダメダメプレイヤーとか、悪い意味で注目されちまうしな…)

 大学構内、学生会館まで来たヴェローナ。

ヴェローナ:さて、ここまで来たのはいいんだけど、
  教授がどこにいるのか分かんないぞ。参ったな。

 ローラとキキがヴェローナを発見する。

ローラ:あそこにいる彼女、初めて見る顔ねぇ。
キキ:きっと新入生なのだわ。
ローラ:説明会には来てなかったみたいだけどぉ?
キキ:そういう子もいるのだわ。あたしもそうだったのだわ。

 ヴェローナに近付く2人。

ローラ:ねぇ、そこのあなた、ひょっとして新入生?
ヴェローナ:え?
キキ:サークルはもうお決まり?
ヴェローナ:あー、えっと。
ローラ:もしまだだったら、私たちの主催する「デルタ&ラムダ」をオススメするわぁ。
ヴェローナ:デルタ?
キキ:「デルタ&ラムダ」は女子限定サークルなのだわ。
  素敵なキャンパスライフをみんなで応援しあうのだわ。
ローラ:ウエスターバーグ大学は街の外からやってくる学生も多くて、
  友達づくりにうまく踏み切れない子も多いのよねぇ。
  我々の仲間になればリア充間違いなしよぉ。
キキ:絶対に損はさせないのだわ。
ヴェローナ:いや、あの、アタシ…

 そこにロイが現れる。

ロイ:シュガー君、サーシャ君。
  そのぐらいにしておきたまえ。相手は困っているだろう。
ヴェローナ:(ええー!?子供?)
ロイ:彼女はここの生徒ではない。ジゴワット教授の客人だ。
ローラ:そうだったんですか。申し訳ありません、ロレンス教授。
ロイ:謝るならまず彼女にだろう?
ローラ:お詫び申し上げるわぁ。
キキ:申し訳なかったのだわ。
ヴェローナ:あ、いえいえ。
ロイ:分かったなら行きたまえ。
ローラ&キキ:はい。

 キキはすんなりと去るが、ローラは一瞬残り。

ローラ:あなたとは、またどこかでお会いできる気がするわぁ。
ロイ:シュガー君。
ローラ:はい。

 ローラも去る。

ヴェローナ:えっと、なんか、ありがとうございます。教授…なんですか?
ロイ:ロイ・ロレンスだ。考古学を教えている。キミはヴェローナ・ストライプスだね。
ヴェローナ:えっ、アタシの事をご存知で?
ロイ:ジゴワット教授から話は聞いている。
  彼は高齢のため、時おり体調を崩される事があってね。
  私はそのサポート役も兼ねて2年前からここにいる。
ヴェローナ:(てことは何歳から教授やってんだろ…)そうなんですか…
ロイ:彼の研究室まで案内しよう。ついて来たまえ。
ヴェローナ:あっ、はい。

 場面はいったん駐車場のテリーへ。
 監督の言葉が頭をよぎる。

監督:テリー。お前は悪いヤツじゃない。
  ただ単にこの世界が向いてなかっただけだ。
テリー:じゃあどの世界なら向いてるっていうんだ?
  今年こそはあの人と…セシルさんと同じフィールドで戦えると思ってたのに…
  それがずっと夢だったのに…こんな結果になるなんて…

 研究室にやってきたヴェローナとロイ。
 ドアの前にごちゃごちゃと何か書き込まれたホワイトボード。

ロイ:ここがジゴワット教授の研究室だ。
ヴェローナ:なるほど。これは案内してもらわないと分かんなかったです。
ロイ:(ノックして)教授。ヴェローナさんがご到着されました。
ジゴワットの声:おお、それはそれは。どうぞ入りたまえ。

 研究室内。
 オーディオから「I'm A Fool To Want You」が流れている。
 ジゴワット教授が机に座っている。

ヴェローナ:失礼しまーす。あ、えっと、直接お会いするのははじめましてですね。
ジゴワット:ははは、そんなにかしこまる必要はないさ。
  ようこそウエスターバーグへ。ポール・ジゴワットだ。
ヴェローナ:ヴェローナ・ストライプスです。
ロイ:では私はこれで。
ジゴワット:うむ。ありがとう。

 ロイ、出て行く。

ヴェローナ:この曲、「I'm A Fool To Want You」でしたっけ。
ジゴワット:ご存知かね。
ヴェローナ:母の影響で、こういう音楽好きなんです。
ジゴワット:それは素晴らしい。
ヴェローナ:本棚すごいですね。読んだことない本がいっぱい。
ジゴワット:興味があれば持って行っても構わんよ。
ヴェローナ:ホントですか?
ジゴワット:ちゃんと返却してくれるならね。
ヴェローナ:ぜひぜひ!あ、そうだ教授、いっこ質問いいですか?
ジゴワット:おや、何かね。
ヴェローナ:ドアの向こうにあったホワイトボード。
  ひょっとしてあれ、表札代わりですか?
ジゴワット:なぜそう思ったのかね?
ヴェローナ:最初はここの学生さんの落書きかなって思ったんですけど、
  近くで見てみたら、ちょっと違うなって。
  暗号が隠れてるんじゃないかって思って。
ジゴワット:…それがなぜ「表札代わり」だと?
ヴェローナ:その暗号が解けちゃったからです。
 「Paul Jigowatt」そう書かれてました。たぶん。
ジゴワット:使われていた暗号は?
ヴェローナ:ヴィジュネル暗号とエニグマ暗号の応用です、たぶん。
ジゴワット:たぶんであれが読めたのか。驚いたな、全て正解だ。
  あのホワイトボードが表札だと気付くのは年に1人いるかいないかだよ。
  使われていた暗号まで答えられた者には、卒業までの単位を無条件で進呈している。
  ただし定期的に、もしくは正解が出る度に違う方式で書き換えているから、
  不正は不可能だ。
ヴェローナ:面白い「隠しボーナス」ですね。
ジゴワット:きみがここの生徒なら良かったのにな。
ヴェローナ:おっと残念。
ジゴワット:それにしても大したものだ。
  とりあえずコーヒーでも入れようか。そちらのソファーへどうぞ。
ヴェローナ:ありがとうございます。

 一服。

ジゴワット:どうかね。ウエスターバーグは。
ヴェローナ:いい街ですね。暮らしやすそうだし。
ジゴワット:そうだな。暮らしやすさで言えば、確かにそうだ。
ヴェローナ:ここに来るまでにも、いくつか遺跡らしいものが見えました。
  もう調査は終わってるみたいでしたけど。
ジゴワット:ああ。発見されたもののうち、9割ほどはすでに発掘作業が終了している。
  最初の1年は特にすさまじい勢いだったよ。
  まるでテーマパークのアトラクションのようだった。
ヴェローナ:それで、今はどんな感じなんですか?
ジゴワット:残りの1割に皆、手を焼いている状態だ。
  1割というよりも「5つ」と言えばピンと来るかな。
ヴェローナ:もしかしてもう「ニュンペーの恩寵」に繋がるアレを?
ジゴワット:さすが、察しがいい。
  シムリア文明の数ある遺跡の中に、特に重要なものが5つ存在する。
  ナパイアの洞窟、ネレイドの岬、ドリュアスの祠、アルセイドの森。
ヴェローナ:そしてオレアード山脈にあると言われる祭壇。
  それらに隠された謎を全て解いた者には、
  精霊ニュンペーの恩寵が与えられるという言い伝え。
ジゴワット:恩寵とは何か?
  一説には、世界を征服できる偉大な力であるとか、
  決して尽きることのない巨万の富であるとか、
  永遠の命であるとか、様々に言われているが、どれも定かではない。
ヴェローナ:でもそれが分かるまで、あと少しなんですよね。
ジゴワット:そのあと少しがまた非常に困難でね。
  5つの遺跡には、呪いのようなものがかけられていたのだ。
ヴェローナ:呪い?
ジゴワット:シムリア文明に於いては「5」という数字が鍵になっているようだ。
  5つの重要遺跡が存在し、それぞれ一度に進入できるのは5人までらしい。
ヴェローナ:5人まで?それ以上はどうなるんですか?バリヤー貼られちゃうとか?
ジゴワット:6人目以降も進入する事は可能だ。
  だが足を踏み入れた瞬間から、その者を激しい頭痛と吐き気が襲う。
  それでもなお先へ進もうとすると、苦痛はさらに増し、
  最後には気を失ってしまうそうだ。
ヴェローナ:うわぁ…それって、先行してる5人には影響は無いんですか?
ジゴワット:全く無い。つまり早いもの勝ちという事だな。
  しかし、如何せんたったの5人だからね。一度の進入でできる調査には限界がある。
  そこで現在は、ウエスターバーグ発掘調査特別委員会が設けられ、
  重要遺跡への進入に制限をかけている。
ヴェローナ:ふむふむ。
ジゴワット:調査に入るためには、少々複雑な手続きと、
  幾つかのテストを受ける必要があるが、
  来たばかりで一度にあれこれというのも難だから、
  そのあたりはまた後日、改めてきちんと説明しよう。
  まずはこの街の空気に慣れる事から始めるといい。
ヴェローナ:ですね。そのほうがいいかも。
ジゴワット:確かお兄さんがこっちにいるという話だったね。
ヴェローナ:はい。部屋を借りる事になってます。
ジゴワット:宿の心配は無いようだな。
  生活費のほうはどうかね?当面は援助してやれる準備があるのだが。
ヴェローナ:ありがたいお話ですけど、そこは自分で何とかしようと思います。
  ハイスクールも卒業したし、ちゃんと自活しなきゃなんで。
  自活って、自分を活かす事であって、何かに活かしてもらうって事じゃないんで。
ジゴワット:ほう。立派な考え方だ。
ヴェローナ:ちょっぴり受け売りも入ってますけど(笑)
ジゴワット:ここにはいつでも遊びに来ていいからね。午後はたいてい空いている。
ヴェローナ:ぜひともです。また色々聞かせて下さい。
  (モノローグ)初日挨拶はそのくらいで終了。
  さっそく何冊か本を借りて、ウチに戻って、ミカさんの帰りを待った。

 街は夜になっている。
 クロサワファミリー拠点。ウルフとジョンソンが現地調査から戻る。

ジョンソン:現地調査隊、ただいま戻りましたぜ…って。
  こりゃすげえ、早くも準備万端だな。

 各種機材がすでに設置観了している。

ディアマンテ:拠点の設置は迅速にやらないとね。

 別室でショコラがモモタスと遊んでいる。

ショコラ:モモタスモモタス~!いやぁモモタスはギザ賢すなぁ!
ジョンソン:あいつメチャメチャ遊んでるぞ。あれでいいのか?
ディアマンテ:あの子はアレだからいいのよ。ボスも才能を買ってる。
ジョンソン:俺にはピンと来ないがねぇ。
ディアマンテ:そのうち分かるわ。
ジョンソン:で、肝心のボスは、いったいどこに行っちまったんだい?
ディアマンテ:家族会議中よ。

 屋上に上がっているロバートとコハルの姿。空には星空。

ロバート:星が出てきたな…俺は星のある夜空が好きだ。
  こんなふうに屋上に上がって、じっと眺めてるとさ、
  重力が逆さまになるみてーな、吸い込まれそうな感覚になるんだ。
コハル:怖くならない?
ロバート:全然…むしろ、色んなものから解放されるような心地良さがある。
  この肉体からも、世界からもな。
コハル:ロバートさん…
ロバート:その感覚に身を委ねてるとさ、あるとき突然、引き戻されるんだ。
  この肉体に、世界に、ズシンと俺が降りてくる。
  そのたびに生まれ変わったような気分になる。
  まるで、宇宙に飛んで、エネルギーを貰ってきたみてーにな。
ヤヨイ:あなたってそんなに芸術家肌だったっけ?

 別の建物の屋上で監視を続けているヤヨイ。

ロバート:うるせーぞヤヨイ。ちったぁ気ィ使え。
ヤヨイ:こりゃ失敬。だけど、あまりのんびりもしてられないからね。
ロバート:分かってるさ。それじゃそろそろ降りるか、コハル。
コハル:待って。
ロバート:…どうした?
コハル:いまロバートさんが言ったの、やってみたい。宇宙に飛ぶやつ。
ロバート:すぐにできるもんじゃねーぞ。
コハル:たぶんこの先、そんな余裕なくなると思うから…今、やってみたいの。
ロバート:…ああ、分かった。
  ヤヨイ。下の連中には少し遅れるって伝えといてくれ。
ヤヨイ:オーケー、ボス。

 場面はヴェローナたちの家へ。夕食後。

ヴェローナ:ごちそうさまでしたー!!いやー満足満足。
ミカ:デリバリーものでごめんね。2人して料理が苦手で…
ヴェローナ:お互い忙しいから仕方ないですよ。ねぇ兄貴?
テリー:え?ああ、まぁな…
ミカ:さ、ぼーっとしてないで、今日の洗い物当番、がんばって。
テリー:はいはい。
ミカ:ヴェローナちゃんは、料理は?
ヴェローナ:アタシも苦手です。実家は作れる人がいっぱいいたから。
ミカ:そうよね、クリスさんとかすごい上手だもんね。
  初めてご馳走になった時も、美味しかったの憶えてる。
  まさかそれから、そのご家族とお付き合いするようになるなんてね…
ヴェローナ:兄貴、大金星だね。
テリー:反応に困る表現やめろよな。
ミカ:ヴェローナちゃんのほうはどう?
ヴェローナ:はい?
ミカ:好きな人とかできたりした?
ヴェローナ:うーん…実はですね。
ミカ:なになに?
ヴェローナ:ワタクシまだ、恋というものをしたことが無くて。

 間。

ヴェローナ:あれ…何この間。
ミカ:えっ、それはつまり付き合った事がないとかじゃなくて、
  恋そのものをした事がないってこと?
ヴェローナ:はい。
テリー:それは衝撃の事実だ。
  サンセットバレーを離れて3年、我が妹もハイスクールに通うんだし、
  恋愛のひとつぐらい経験するだろうと思っていたのに、一切ナシなのか!
ヴェローナ:残念ながら。
ミカ&テリー:なんてことー!!
ミカ:テリー君、あなたの妹さん、貴重な存在ですよ。
テリー:貴重すぎてどう扱ったらいいのか分からない…
ヴェローナ:まぁ、興味ゼロってわけじゃないけど、絶対に必要ってワケでもないし、
  巡り合わせがあるまではいいかなって。
ミカ:まあ…うん、まあ、そのうちきっと、あるわよね。

 一服。テリーが洗い物をしている。

ヴェローナ:…それじゃあ「急なお仕事」って、映画関係だったんですか?
ミカ:そうなの。あの『フェイクギャラリー』の最新作。
  1作目にルーニーさんが関わってたこともあって、ずっと憧れてたの。
  当時は画家を目指すか、画商を目指すか、選びかねていて。
  あの映画のおかげで、やっと決められたって感じ。
ヴェローナ:それは気合いが入りますね!
ミカ:ヴェローナちゃんは、お仕事どうするの?やっぱり例の教授のお手伝いとか?
ヴェローナ:それなんですけど、全く違うことやろうかなって思ってて。
ミカ:全く違うこと?
ヴェローナ:発掘調査とかと全然関係ないこと。そのほうが刺激的かもなって。
  さっき軽く調べてみたら、よさそうなトコ見つけたんで。
  さっそく明日、面接に行ってきます。
ミカ:受かるといいわね。

 洗い物を淡々と続けるテリーの表情。そして夜は過ぎていく。
 翌朝、ベッドから起き上がるヴェローナ。

ヴェローナ:おはよう、ブルー・ベリー。

 玄関。ヴェローナを送り出すテリーとミカ。

テリー:ホントに送っていかなくていいのか?
ヴェローナ:だいじょぶ。地下鉄使えばすぐのとこみたいだし、
  街の構造もだいたい把握したから。
ミカ:気をつけていってらっしゃいね。
ヴェローナ:はいっ。それじゃ、行ってきまーす。

 地下鉄の方へ向かうヴェローナ。

ミカ:さてと、私も支度しなくちゃね。テリーもでしょ。
テリー:ああ…うん。
ミカ:どうしたの?具合でも悪い?
テリー:いや、そんなこと無いよ。大丈夫。
ミカ:そう…それならいいんだけど。

 ヴェローナ、面接先の喫茶店に到着。

ヴェローナ:迷うことなく到着ー。
  “「リッジウェイズカフェ ウエスターバーグ1号店」
  急募につき当日開店前に面接、採用しだい勤務開始”。
  この条件だと即戦力じゃなきゃ厳しそうだけど、
  うまくいけばすぐにでも働けるって事だ。挑まない手はなかった。

 店の外にチェルシィの姿がある。

ヴェローナ:うん?あそこにいるの、店員さんかな?
  あの、すみません、お店のかたですか?
チェルシィ:いんや、違うだぁ。
  ワダす今日はアルバイトの面接に来たんども、
  ちょーっと早く着きすぎたもんでぇーいかんともしがてえなぁーつって。
ヴェローナ:(すっげぇ訛り!)あ、あの、実はアタシも面接なんです。
チェルシィ:そかぁ、1人じゃねんだー。良かったずー。
  ワダすチェルシィ・キャンベルいう者だすー。よろしぐお願いすんますー。
ヴェローナ:ヴェローナ・ストライプスです。よろしくです。
  (これ無事に受かるのかなこの人…)

 店の中から店長のリュウが出て来る。

リュウ:やあやあ。もしかして面接に来てくれたお2人かな?
ヴェローナ:あっ、はい、そうです!
チェルシィ:そうだすー!
リュウ:どうもどうも。店長のシロカネです。
  いやぁ、よく来てくださいました。といったわけで、2人とも採用!
ヴェローナ&チェルシィ:うそぉーーーーー!!!

 おわり。


<各回リンク>
#01『Greetings To You』(この記事)
#02『Encounter And Encounter』

#03『To Be Or Not To Be』
#04『Flux Of Time』
#05『Calm Before The Storm』
#06『Run Verona Run』

コメント

はるぼく
No.1 (2013/07/19 05:22)
頭の中で場面を想像して、台本かいて、その場面にあったシムズを録画していくって流れですか?
しゅんまお (著者)
No.2 (2013/07/19 20:10)
マジレスさせていただきますと、台本に取り掛かる時は、(物語全体の流れの中で)この回ではこれだけ話が進んで、これだけ情報を提示するようにして、そのためにはこういうシーンがあって、こういうやりとりが必要で…って感じなので、想像というよりは「割り出して」構成してる感じですね。
そうやって書いた台本を基に撮影を進めていく流れですが、撮影中にこうしたほうが自然だなと思ったらさらに台本を修正していきます。
製作工程の記事もぜひご参照ください^v^
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