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 “α-Synodos” 
vol.266(2019/08/15)
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〇はじめに

毎日、うだるような暑さですがいかがお過ごしでしょうか。「αシノドス」vol.266をお届けします。

最初の記事は、山本昭宏さんの「平和意識の現在地――〈静けさ〉と〈無地〉の囲い込み」。今年の5月、広島の平和記念公園近くにある平和大橋の欄干に落書きしたとして、器物損壊容疑でアルバイト店員の少年が逮捕されました。このニュースに接したとき、みなさんはどのような感想をもったでしょうか? 不謹慎? ところで、1952年の映画『原爆の子』に映し出された原爆ドームの壁には、多くの落書きがひしめき合っています。われわれはこの落差をどう考えればよいのでしょうか? 現在のわれわれが「平和」をどのような境遇に押し込めているのか、この落差はそれを指し示しているのではないでしょうか。

ついで「知の