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“α-Synodos”
vol.256(2018/11/15)
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○はじめに
1.熊坂元大「「道徳教育」はこうすれば良くなる」
2.穂鷹知美「終の住処としての外国――スイスの老人ホームにおける 「地中海クラブ」の試み」
3.徳山豪「アルゴリズムが社会を動かす」
4.鈴木崇弘「自民党シンクタンク史(1)――シンクタンク創設への思いとその戦い」
○はじめに
みなさま、こんにちは。いつもαシノドスをお読みいただきリありがとうございます。αシノドス最新号をお届けします。
最初の記事は「今月のポジだし」。今回は環境倫理学者の熊坂元大さんにご提案いただきました。今年の4月から小学校で、「特別の教科」としての道徳が教えられるようになりました。来年度からは中学校でも同様の道徳教育がはじまります。保守的な安倍政権に批判的な勢力から、多くの批判や糾弾がなされているのはみなさんもご存知のことだと思います。もちろんこれによって偏狭な愛国心が植え付けられるならば問題ですが、しかしすでにスタートしてしまっているというのも事実です。そうした現実を前にして、現状を少しでもベターにもにする、というスタンスがあってもよいと思います。こうしたスタンスから熊坂さんが提示する「ポジだし」です。
ついで、スイス在住のライター、穂鷹知美さんによる、スイスの老人ホームのレポートです。日本は現在、「事実上」の移民政策にかじを切ろうとしています。移民労働者の受け入れに当たっては、考えておくべきことは山ほどあるでしょう。今回お考えいただきたいのは、移民が老いたときにどのような問題が生ずるのかということです。穂鷹さんの記事は、イタリア移民が老いて老人ホームに入ったとき、言葉や文化慣習が異なる環境がもたらす軋轢がどのようなものかをきわめてリアルに伝えてくれます。ぜひ移民論議のひとつの材料としてお読みいただければ幸いです。
ついで、システム情報科学をご専門とする徳山豪さんに、「アルゴリズム」をご解説いただきました。この言葉、日常的にさまざまな場面で耳にします。しかし、ではアルゴリズムとは何か?と聞かれて、正確に答えることのできる人は少ないのではないでしょうか?現代社会に不可欠なアルゴリズムについて、自動車の運転から学習する人工知能まで平易にご解説いただきました。ぜひ正確な知識を身に着けていただければと思います。
政治に知識やデータ、あるいは政策を供給する組織として官僚しかないことが、日本の政治、ひいては民主主義のダイナミズムを奪っているというのはよく言われることです。そうしたなか、官僚に対抗できるシンクタンクの必要性も、同様にしばしば主張されます。しかし、データにもとづいた政策を提供できるシンクタンクが日本ではなかなか育ちませんし、育つ気配も見当たらないというのが現実だと思います。なぜこのような状況なのか?かつて自民党のシンクタンクを立ち上げるのに尽力した鈴木崇弘さんが、「自民党シンクタンク史」の連載を開始します。当事者が語る具体的な歴史をぜひお楽しみください。
次号は合併号となり12月20日配信です。どうぞお楽しみに!
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