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水銀くんの隠れ家

【映画/カイジ/ファイナルゲーム】26個のツッコミどころを詳しく解説

2020/01/22 22:06 投稿

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  • カイジ
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  • ギャンブル
  • 福士蒼汰
  • 藤原竜也
  • 吉田鋼太郎
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先日、友人とカイジファイナルゲームを観てきた。結論から言うと、友人とも同じ意見だったが、1,2よりも完成度は劣っており、良かった部分も多々あったが、それよりもツッコミどころが目立った。そこで、両者を箇条書きでまとめることにする(ネタバレ含む)

1.良かった点
・伏線回収が見事だった
今作の映画には、伏線が張り巡らされていたように感じた。おばちゃんの時計屋、投げ入れたコイン、ドローン、キューという決め台詞、などなど。分かりやすいものもあったが、映画をあまり見ない自分にとっては「その設定も活きてくるのか!」と観ながら興奮した場面が多くあった。
・現代の日本の風刺
ラストシーンでのカイジと高倉との掛け合い。高倉が「弱者が日本を食いつぶしているんだ!多少の犠牲が仕方ない!」と叫び、それに対しカイジが「普通の泥水すすって生きている人間の身にもなってみろ!」「誰が何にベットするかは自分で決める!」というセリフを吐く。これは、人口急減・超高齢化へ向かい社会保障制度などによる再分配をきちんと行っておらず人口問題や若者層の貧困問題に悩む現代の日本の状況に照らされており、グッとくるものがあった。
・役者の演技力
藤原竜也はもちろんのこと、吉田鋼太郎が演じる黒崎の演技にも感服した。迫力ある顔芸の圧がスクリーン一杯にかかり、藤原竜也との掛け合いは見ていて飽きがこなかった。しかし、黒崎の演技に圧巻された後に観る福士蒼汰はどこか物足りなかったので、黒崎戦は最後に持ってきた方が見ている側もスッキリしたかもしれない。

2. ツッコミどころ

冒頭
・カイジがクズじゃない

前作はギャンブルや酒におぼれる描写があり、クズ感が溢れ出ていたのに対し、今作は冒頭から派遣でしっかり働いており、演じているのは底辺ではなく一般市民である。
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バベルの塔編
・情報の漏洩

勝てば10億が貰えるという非常に大きな大会であるのに、一番重要である塔の情報はいったいどこから漏れるのか。
・移動手段が鉄骨
班長に塔の場所を知らされてから、開催まで充分に時間はあったはずだ。それなのに用意したものが、なぜあんなに細い鉄骨たった1本なのか。予告でカイジ1のパロディをしたかっただけのように思える。
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人間秤編
・秤に人が乗る理由
なぜ体重チェックまでして人を乗らせるのか。
坂崎のおっちゃんの再登場
ゲームの途中に再登場。先にカイジの後ろから聞き覚えのある声がかかり、振り返ると同時にカメラがおっちゃんに寄っていく、といった登場の仕方に最初は興奮した。しかし、よく考えると、なぜこの場に彼がいるのかは謎である。そこは1歩譲り、何をしてくれるか期待したが、ただカイジ側にコインを少量投げ入れるだけで特に活躍もしない。結局映ったのは30秒ほどであり、「とりあえず最後だし出しとけ」感が満載である。
・コインの異常な重さ
これはカイジを初見で見た人もツッコんでしまうだろう。「1枚のコイン重すぎやろ」と。最後の逆転を見たとき、自分が間違っているのかと思った。「あ、これって重さじゃなくて合計の額での勝負だっけ?最後の欠けたコインを、実はものすごく金銭価値のある金貨にすり替えていたのか!?」とも0.5秒くらい思ったが、もちろん違う。重さの勝負だ。金塊の重さは一つあたり1㎏である。このコインを効果の中で最も重い500円玉だと仮定する。それでも、重さは7gである。金塊一つ分の差をひっくり返すためには100枚以上必要である。それをたった欠けた金貨1枚で逆転してしまうのである。1万歩譲って、同点が有り得たとしても、理論上逆転することは不可能なのである。
・コインが欠けた理由
なぜ欠けていたのか?最後のシーンからも分かるように、コイン1枚が分子レベルで物言う勝負というイカれたこのゲームならば、わずかだとしてもコインの欠けは不平等であると言えるだろう。
・天秤の精度
そもそも、コイン1枚が物言う勝負なら、精度が低いアナログではなく、デジタルにしておくべきである。
・時計の優先度
審判の最後に「実際の時計と10分遅れている。」とカイジが言う。腕時計の時刻を見ると、確かに遅れている。しかし、ゲームが始まってしまった以上、優先されるのはゲーム内の時計ではないのか?こう反論すれば通せたはずだが、黒崎も悔しがったように認めてしまっている。
・時計工作の意味
最初は「なるほど!そのための時計職人設定!」と感動したが、よく考えると、これは土壇場で金を増やすことを想定していて初めて利く仕掛けである。なんと危ない。
・感動ストーリーにカイジが無関与
本作で一番時間を割いたこの「人間秤」であるが、二人のおっさんたちのストーリーになっている。「カイジ感」が薄れた原因である。
・今までのカイジなら言わないようなセリフを吐く
ファンが自分の所に絶対入れると確信できる状況なのにも関わらず「もっと投げろ」と叫ぶ。まるで普段のカイジの敵側が言いそうなセリフである。
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ドリームジャンプ編
・ギャンブルではない
これは自殺志願者がダメもとで行うゲームであり、ギャンブルとは程遠い。
・当たり番号

そもそも、操作しなければ前回と同じ当たり番号という情報はどこから漏れたのだろうか。
・がばがばシステム
最も警戒しなければいけないボタンシステム装置の場所に、なぜ警備員がいないのか。いとも簡単に電源を落とされ、それに慌てている主催者側が間抜けでならない。
・緊張感のなさ
実はこの勝負、なんとあのカイジが、本作で唯一命を懸けて挑戦したギャンブルなのである。しかし、失敗すれば即死であるにもかかわらず、謎の安心感があった。展開の速さと、構成がそうさせたのだろう。
・予想できた「9」サイン
ほとんどの人に当てはまるであろうが、カイジが飛ぶ前に「9か10か?」と言った時点で展開が予想できてしまった。
・「キュー」サインの伏線解説
キューサインの伏線回収は、「そういえば彼女の口癖は…」といったようなカイジの回想でも良かったのではないか。作中では、飛び終わった後のカイジが、ジャンプに全く無関係の黒崎に、「う〜(9)」という口が〜」などと熱く説明する。言われた黒崎は「なんのこっちゃ」と思っているに違いない。
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黄金ジャンケン編
・今までの高倉の敵が無能過ぎる
ゲームに連戦連勝している高倉が、これまで黄金の玉を握らずに「グー」を出す人に遭遇しなかったのはなぜなのか。勝負回数が少ないなら有り得るが、作中でも言っているように、彼は腕や肩の動きだけで握っているかどうがを判断できるというチート能力を持っている。つまり回数をこなしまくっているのにも関わらず、これまでカイジが使った作戦を使う者に当たらなかったのは敵が無能というほかない。話の中に出てきた、3回とも黄金玉を握って勝負した大臣は、自分の進退がかかっているというのに何をしているのか。
・ゲーム性の欠如
このゲームは、金銭価値のある金の玉を持って帰れたら嬉しいな、という精神状態であることが大前提がある。しかし今回は、何十兆単位の勝負であり、カイジは小銭稼ぎに来たわけじゃないので心理戦として成立していない。
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ラストシーン
・「印刷屋が全てやってくれました」
デスノートの「ジェバンニが一晩で」を思い出す。結局、一番得したのは1000億貰った印刷屋というオチ。
・サッカー場
上記に述べたカイジと高倉が絡むラストシーン。カイジを探し駆け回る高倉が最後に行きついた場所は鹿島のサッカースタジアム。そこに一人立っているカイジを見つけ、高倉が駆け寄る、というものだ。宣伝目的であるのは分かるが、状況に全く合っていない。
・ヒロインの裏切り
カイジを裏切るメリットが全くない。デメリットが無く面白そうだからとはいえ、最後まで一緒に戦った絆はどこへ行ってしまったのだろうか。
・ギャンブルが無かった
今作は「ギャンブル」と言えるギャンブルが無かった。バベルの塔は早い者勝ち、ドリームジャンプは運否天賦、最後の審判は政治工作、金玉ジャンケンは勝っても負けても損得無し。ゆえに、前作までのような心理戦の中でのハラハラ感が無かった。
・現状維持のまま
この作品で勝ったものは印刷会社以外いない。そもそも始めから、この作品は「状況を悪化させる事を止める」のが目的であり、どれだけギャンブルで大勝ちしたとしても結局は現状維持で終わる。
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その他
・ラッキーガールの設定
これこそ伏線だと思ったラッキーガールのヒロインだが、運が絡む場面は一切なし。私的には、最後のドリームジャンプを彼女に飛ばせ、10分の1の確率を引き当て助かる、といった展開でも悪くなかったように感じる。

3.まとめ
本来のこの作品は、カイジという一人の自堕落な男が、自分の人生や金銭をかけてギャンブルに挑む、その哀愁と必死さが大きな見どころであった。そして、当たり前のようにイカサマを使ってくる相手に立ち向かうという展開が面白みであるが、今回はそれもなかった。今までのカイジとは真逆で「この勝負…圧倒的有利だ…」という状況になっていた。また、緊張感が無かった理由は、「カイジが人の金でギャンブルをしている」という点にある。また、「ファイナルゲーム」ということで、相手は、船井、一条、利根川あたりが敵として復活、という展開なら熱かっただろう。味方も前作に出てきた登場人物であれば見応えがあったに違いない。また、今作は前作に比べてラストシーンで相手を打ちのめすときの心地よさや爽快感が無かった。どうせなら最後の審判の決着の時、カイジ2の沼の時のように、コイン1枚単位でなく、溜まってた大量のコインが流れ出て圧倒的勝利、というようにコテンパンにしてほしかった。しかし自分は、今作が駄作とは思えない。このように少し物足りなさが感じられたのは、前作の二つが面白過ぎたからであろう。ぜひ次作を作って欲しいものである。不可能ではあるだろうが、「17歩」を2時間映画でやって欲しい。

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