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The End of Pax Americana
BY LEE SMITH「15-10/12 The Weekly Standard」
http://www.weeklystandard.com/articles/end-pax-americana_1039617.html

おくやま です。

昨日に引き続き、ロシアのシリア領内空爆について取り上げます。

今回のシリア空爆について、相変わらずアメリカ国内では
オバマ政権のやる気のなさを批判して意見が多いわけですが、
その筆頭に上がるのが、私のTwitterでも紹介した
タカ派のウィークリー・スタンダード誌によるもの。

「なんだよ、ネオコン派の意見を代表した雜誌かよ」

と不満を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
彼らも単なるイデオローグではなく、
けっこう鋭い論評を載せることも多いわけです。

そういう意味で今回紹介した記事のポイントは2つ。

まず1つは、アメリカのタカ派が、
今回のロシア主導のシリア介入を
「アメリカがつくった戦後体制の崩壊だ」と嘆いていること。

たとえばこの記事の中で著者のリー・スミスは

「われわれは新しい秩序がつくられつつあるのを目の当たりにしている。
この秩序はアメリカの国益が全く考慮されない状態で、
他者によってデザインされたものだ」

と書いておりますが、
これはまさにアメリカ自身による
国際政治の「コントロール」の喪失感を
素直に書いている点で興味深いものです。

そしてもう1つは、この記事の中で諜報関係に詳しい
ボストン大学のアンジェロ・コデヴィラ名誉教授のコメントとして、

「これはスンニ派とシーア派の戦争だ。
そして世界中のイスラム教徒に関わってくるため、
これは世界大戦なのだ」

という言葉を引用していることです。

もちろん何度も言うように、現実は複雑ですし、
ここまでクリアに物事は割り切れない部分はあるでしょう。

それでも1つの見方として、
シリア情勢はアメリカ対ロシアという対立構造ではなく、
「スンニ派とシーア派の抗争に他国が巻き込まれている」
という宗教戦争的な捉え方も重要なのかもしれません。

戦略の階層の最上位に位置する「宗教」というのは、
人々の「世界観」に直結しているため、
今回の紛争でも実は大きな役割を果たしているのかもしれません。

( おくやま )

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