おくやまです。

ISISの日本人人質問題について言及したいところでしたが、
先々週の生放送で触れたトピックが興味深かったので、
こちらを先に紹介させてください。

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▼オープンオフィスにしたら、仕事が<<非>>効率化・・・
/メール・チェックはほどほどに…|
http://www.nicovideo.jp/watch/1421673908

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著者は私の母校の心理学の先生と学生です。
テクノロジーがわれわれの生産性や効率というものに
どれほど影響を与えているのかを教えてくれる好実験です。

この実験結果で最も重要なのは、
人間はひとつのタスクから別のタスクへ切り替えるときに
大きなエネルギーを必要とする、ということです。

現代では特にスマホなどの普及のおかげで
人々はますます集中して考える時間を持てなくなっている
ということなのですが、これは知的生産をする人間にとっては、
特に致命的な重要性を持っているかと。

日本でも、これからますます独創性や創造性
というものが求められる時代に入っているにもかかわらず、
LINEなどに代表されるツールによって、
メッセージを処理する頻度がますます上がっておりますね。

私も、テキストの執筆などに集中したいときは、
あえて携帯を家に置いて外に出るなどしておりますが、
意識的に「ネット断ち」をする覚悟が必要なのかと考えております。

( おくやま )

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Eメールをチェックするのはやめておけ
byコスタディン・クシュレイ&エリザベス・ダン

▼nytimes.com
Stop Checking Email So Often
http://goo.gl/VsKjUm

●Eメールがたまってしまうのは本当に悪いことなのだろうか?

●これは実は複雑な問題だ。たしかに研究者たちは、
Eメールの対処が有害であること
(精神的な疲れやストレスにつながることを)を発見しているのだが、
Eメールこそがすべての問題の元凶というわけではないからだ。

●この原因として考えられるのは、
おそらくスケジュールが厳しくなっていることにありそうだ。
そしてメール処理に使う時間が増えたのは、
人々が忙しくなったことによるものであろう。

●さらに研究からいえるのは、Eメールに真の原因があるにせよ、
その問題はそのやりとりする量が増えたことにあるわけではない、
ということだ。

●そしてこれはもうひとつの可能性を示している。それは、
「Eメールをチェックする頻度がストレスの原因となっているのでは?」
というものだ。

●たとえば、アメリカのある職場の503人のワーカーに調査した結果、
そのうちの75%がメールを受け取ってから
一時間以内に返信すると答えているのだ。

●この結果に触発され、私達は2週間にわたって実地調査を行った。
この結果については2月に発売される専門誌に発表される。

●その実験法はこういうものだ。われわれはまず学生から教授、
医者やIT関係の会社員たち124名の大人を集め、
実験の最初の週に彼らを2つの集団に無作為に分け、
最初のグループに一日できるかぎり何度もメールをチェックするように指示し、
メールが届いたらアラートが鳴るようにしてもらっている。

●もうひとつの集団にはメールのチェックを1日たった3回だけに限定してもらい、
メールボックスも開けずにアラートもオフにしてもらっている。

●翌週には両グループにやってもらうことを交換してもらい、
毎回チェックしていた方を3度に限定し、
3度に限定していた方を毎回チェックするようにしてもらった。
これによって個人ごとにメールチェックの頻度の変化だけで
どれほどストレスの受け方に違いを受けたのかを比較できるからだ。

●われわれは1日の終わりごとにその日の感想を広範囲にわたって聞いている。
たとえばストレスを調べるために、われわれは被験者たちに
彼らの生活の中で重要なことや、やらなければいけないすべてのことの中で
困難に陥ったことが何度あったのかを聞いている。

●被験者の中で変化させたのは彼らのメールチェックの頻度だけであったが、
結果として出てきたのは、その頻度を減らすとストレスが大きく減ったということであった。

●では頻度を下げた週では上げた週とどれだけの差があったのかというと、
何かリラックスするためのテクニック(深呼吸や心地良い状態をイメージすることなど)
を学んだ時のことと同じくらいの効果があったのだ。

●いいかえれば、メールチェックの頻度を減らすことは、
南の島の温かい海で一日に数回泳ぐのをイメージするのと同じくらいの
ストレス軽減効果があったのだ。

●その原因は、おそらくメールチェックの頻度を下げることによって
タスクの切り替えをする頻度を下げることができるからであろう。

●これは人間の頭脳の機能の限界なのだろうが、
人間は2つのことを同時進行でできないために、
その2つの異なるタスクに必要となる注意を何度も切り替えながら行うことになり、
これによって頭脳のエネルギーを酷使してしまうことになるのだ。

●その結果として、人間は達成すべき各タスクに
必要な仕事の効率も落としてしまうのだ。

●つまり、Eメールというのは新しいタスクの到来をわれわれに知らせるだけでなく、
これらのタスク自体の達成のための効率も下げてしまうのだ。

●その証拠に、われわれの行った調査の被験者たちは
この実験の2週間の間に普段の日と変わらない数のメールを
受け取りしているのだが、頻度を下げた週にはいつもよりも
およそ20%短い時間で処理できたと答えている。

●ようするに、メールを頻繁にチェックしてしまうと、
ストレスは上がるし、効率も下がるのだ。

●メールチェックに関していえば、チェックする回数は少なければ少ないほど良い、
ということになる。

●ところが人間の習慣というのはなかなか改善できないものだ。
たとえば頻度を下げて1日3回のチェックに制限をかけても、
被験者たちは1日5回ほどチェックしてしまったと認めている。

●そしてこの記事を書いているわれわれでさえ、
書いている時になんどもメールのインボックスに目が行ってしまったのだ。

●ところがメールチェックの頻度を落とせないという人はいる。
たとえば証券マンなどはメールチェックの頻度を下げることによって
数百万ドルの取引を失うことにもなるため、むしろストレスがたまることになる。

●それでもわれわれのほとんどはおそらく
必要以上にメールをチェックしすぎだと言えよう。

●最近の調査によれば、55%のワーカーたちが
夜11時以降にメールをチェックしていると答えており、
なんと奥さんが分娩中にメールをチェックしたことがあると答えた人も6%いるという
(この記事の著者の一人はその6%に入っている)。

●われわれの研究結果から言えるのは、
メールチェックの最適な回数は何回かというよりも、
むしろ本当に必要な回数と気まぐれにチェックする回数を
なるべく縮めるということだ。

●よって、まだ新年の誓いを決めていないひとは、
「メールのチェックを本当に必要だと感じる時以外はなるべく控えてみる」
とするのはいかがであろうか?

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