中国の南シナ海侵出を予告していたスパイクマン




おくやまです。


驚きました。


今週の最大の地政学関連のニュースは、なんといっても、

中国が南シナ海の南沙諸島に滑走路をつくっていたというものでしょう。


このニュースについては、数日前のヤフーのトップでも

取り上げられていたので、ご存知の方も多いかもしれません。


ちなみにその時の報道は、以下のように時事通信から配信されたものでした。


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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140514-00000038-jij-asia

中国、南沙諸島に滑走路建設か=土砂や資材搬入と比

時事通信 5月14日(水)10時47分配信

 【マニラ時事】フィリピン外務省報道官は14日、中国やフィリピンなどが領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島にある岩礁で、中国が滑走路を建設中とみられることを明らかにした。アキノ大統領も同日、この動きを先の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で取り上げたと述べた。

 中国が滑走路を建設しているとみられるのはジョンソン南礁(フィリピン名マビニ礁、中国名赤瓜礁)。フィリピン国防省によると、中国は今年2月、ジョンソン南礁に大量の土砂を運び込んだことが空や海からの監視活動で確認されたという。フィリピン政府は既に中国に抗議した。

 ジョンソン南礁は以前、ベトナムが実効支配していたが、1988年に「南沙海戦」と呼ばれる中国との武力衝突が発生。中国はジョンソン南礁を含む近隣の岩礁を奪い、その後支配を続けている。 

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これはもちろんフィリピンの外務省が発表したものでありまして、

後に滑走路の建設をしている証拠写真も発表されております。


ごく一般的な反応としては、


「うわー、中国もあからさまなことやるなぁ」


ということになるのかもしれませんが、私は個人的に

この件についてはけっこう感慨深いものがありました。


なぜなら、これは地政学の理論家として有名なあの

ニコラス・スパイクマンが1942年(昭和17年)に

発表したある「危険な予言」の実現に、一歩近づいたように思えたからです。


これってどういうことなんでしょうか?


ということで、みなさんにはさっそく以下の

引用部分を読んでいただきたいと思います。


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●「アジアの地中海」(台湾、シンガポール、オーストラリア北辺の三角型の海域)は、戦後のアメリカにとっても最も重要な戦略物資が確保できる場所になるだろう。そしてここが単一の国家によって支配されることは、アメリカにとって非常に都合の悪いことになる


●極東地域は、アメリカやヨーロッパのように、独立したパワーの拠点となるには時間がかかるだろうが、それでもテクノロジーの発展によって経済力が軍事力に転換されることになる。


●そしてそれが実現すると、その相対的な重要性は、他の二つの地域に比べても高まることになる。


●よってこの地域のバランスを安定させることは、われわれの戦略物資だけでなく、世界政治に与える影響からも望ましいことになるのだ。



●第二次大戦が終わったときにこの地域では独立した国々が乱立することになるが、これらを同じような強さの国でバランスをとることはヨーロッパの場合よりも難しくなる。


●そして戦後の一番の難問は、日本ではなくて、むしろ中国になるはずだ。