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【ストーリー解析】アイドルマスターシンデレラガールズ 第20話「Which way should I go to get to the castle?」

2015/09/02 19:18 投稿

コメント:2

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アイドルマスターシンデレラガールズ第20話「Which way should I go to get to the castle?」のストーリー解析を行う。原作、未プレイ。→前回 →次回
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■評価
★★★ スタンダード


[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1440732563

■総評
第20話は、プロジェクトクローネの始動とアーニャと凜の抜擢。第2期の折り返し地点であり、ストーリーを支える構図が変化し始めている。メインストーリー自体は分かりやすいので、ちょっと休憩という感じ。これからどのようにストーリーが展開していくかに注目だ。

■基本情報
監督 - 高雄統子
シリーズ構成 - 高雄統子、髙橋龍也
脚本 - 雑破業(合宿回(第12話)、莉嘉美嘉みりあ回(第17話)担当)
アニメーション制作 - A-1 Pictures
→Wikipedia

■登場人物
[シンデレラプロジェクト所属アイドル]
  島村 卯月(しまむら うづき) - 大橋彩香
  渋谷 凛(しぶや りん) - 福原綾香
  本田 未央(ほんだ みお) - 原紗友里
  前川 みく(まえかわ みく) - 高森奈津美
  多田 李衣菜(ただ りいな) - 青木瑠璃子
  城ヶ崎 莉嘉(じょうがさき りか) - 山本希望
  赤城 みりあ(あかぎ みりあ) - 黒沢ともよ
  諸星 きらり(もろぼし きらり) - 松嵜麗
  双葉 杏(ふたば あんず) - 五十嵐裕美
  三村 かな子(みむら かなこ) - 大坪由佳
  緒方 智絵里(おがた ちえり) - 大空直美
  神崎 蘭子(かんざき らんこ) - 内田真礼
  新田 美波(にった みなみ) - 洲崎綾
  アナスタシア - 上坂すみれ

[その他のアイドル]
  神谷 奈緒(かみや なお) - 松井恵理子
  北条 加蓮(ほうじょう かれん) - 渕上舞
  鷺沢 文香(さぎさわ ふみか) - M・A・O
  大槻 唯(おおつき ゆい) - 山下七海

[美城プロダクション・スタッフ]
  美城常務 - 田中敦子
  今西部長 - 小松史法
  千川ちひろ(せんかわ ちひろ) - 佐藤利奈
  プロデューサー - 武内駿輔

■ドライバー分析
第20話のメインドライバーは、

1.アーニャがプロジェクトクローネでのソロデビューを引き受ける(L)
2.凜がトライアドプリムスに誘われて悩む(L、E)
3.未央がソロデビューを決める(L、G)

また、サブドライバーとして

4.卯月が方向性に悩む(E)
5.プロデューサーがアーニャと凜の抜擢に悩む(P=E-G)

などがある。
第20話はアーニャと凜が主人公。美城常務の進める企画「プロジェクトクローネ」にアーニャと凜が選ばれ、進むべき道に悩むという話。

・アーニャの自立を促すソロデビュー案
・予てから注目されていた凜、奈緒、加蓮のユニット「トライアドプリムス」
・「ミツボシ☆☆★」への展開を感じさせる未央のソロデビュー発言

など、全体的には予定調和的な進行といえる。

これらの出来事は、プロジェクトクローネのメンバーである鷺沢文香(さぎさわ ふみか)や、大槻唯(おおつき ゆい)との出会いや、加蓮と奈緒の説得などによって支えられている。一方向に進むので、ストーリーは分かりやすい。

[アーニャと話す唯と文香/凜と話す奈緒と加蓮]

これらのメインストーリーについての説明はあまり必要ないだろう。プロジェクトクローネのメンバーも気になるところだが、今回はシリーズ全体を俯瞰しながら、第20話の根底にある大きな流れについて考えてみよう。

□翼と王冠

まず、第20話で注目すべきところは、美城常務の企画「プロジェクトクローネ」が受け入れられつつあるということだ。最初は混乱しているアーニャと凜だが、流れは確実に美城常務の提案に乗る方向で進んでいる。

[プロジェクトクローネに選出したことを伝える美城常務]

このことは大きな流れの中で言えば、美城常務とシンデレラプロジェクトの「協調路線」につながる揺り戻しだと言えるだろう。

今まで美城常務は、楓、菜々、美嘉、夏樹に関するストーリーの中で敵役として描かれてきた。しかし、今まで美城常務が「倒されるべき相手(E)」として描かれたことは一度もない。

(このことはNOMAKE#20の中で、プロデューサーが今西部長の「常務を憎んでいるか?」という質問に「憎いとは思わない」と答えていることからも裏付けられる。)

美城常務はプロジェクトクローネの中で、新しく「王冠」というモチーフを用いている。プロジェクト名になっている「クローネ」はドイツ語で「王冠」を意味し、秋の定例ライブにも「Die Krönung(=戴冠式)」の文字がある。また、美城常務のネックレスも王冠をモチーフにしているように見える。

[秋ライブのポスターと、美城常務のネックレス]

これは「城にふさわしい姫を選出する」という美城常務の方針を的確に示していると言えるだろう。

それに対し、シンデレラプロジェクトが目指してきたのは、アイドルの個性を伸ばす輝きの路線だ。第2期のストーリーの多くは、シンデレラプロジェクトのメンバーたちの「成長」と「自立」に費やされてきた。(今回のアーニャのソロデビューも、他のメンバーの成長を感じた部分が大きい。)

[強調されるメンバーたちの成長]

1人1人が笑顔になれる方法、笑顔を引き出す方法を身につける。それがシンデレラプロジェクトの目標と言えるだろう。

このことを象徴的に表すモチーフは「翼」だ。改めてシンデレラプロジェクトのロゴマークを見てみると、そこには翼の生えたペガサスがいる。ペガサスの翼はアイドルたちの成長を、光のマークはその輝きを示していると言えるだろう。

[シンデレラプロジェクトの紋章]

だが、このロゴには美城常務が用いるモチーフである「王冠」も見て取れる。王冠が与えられるものなのか、自分たちで見つけ出すものなのかという点で、美城常務とシンデレラプロジェクトの方向性にはまだ違いがあるかもしれない。しかし、最終的に、ペガサスは王冠を授かり、「王冠と翼」が一体となる協調路線へとストーリーは進んでいくだろう。

つまり、第20話はその2つが交わり始めた点ということになる。(解決すべき問題があるとすれば、それは美城常務の内面的問題かもしれない。美城常務は『笑顔』を知らない。秋の定例ライブはひとつの山場にはなりそうだ。)

□お手本としてのラブライカ

こういった全体の流れの中で、今回の美波の反応はお手本だったと言える。

本編の回想でも触れられたとおり、ラブライカは、第6話や第12話、第13話のように、お互いに手を握ることで助け合い進んできた。それはお互いの弱さを克服する1つの手段であったと思う。

[アイドルになることは冒険だったと語る美波(第12話回想)]

しかし、そこにはお互いがお互いを支える(=一人では立てない)という根本的な弱さが残されている。アーニャの冒険は、それを止めて一人で歩き始めることだ。

[プロジェクトクローネという舞台に惹かれるアーニャ]

重要なのは、それは美波にとっても必要な変化であるということだ。アーニャが今まで「自分で決めたことが無かった」ように、美波もみんなの支えなしに決められたことはほとんど無かったように思える。

だから、美波はアーニャの提案を「手を離して一緒に歩いてみよう」と受け取っているのかもしれない。そこには「自立(L)」という新しい共通の目標が存在する。(このことは美波の「大賛成」という言葉にも感じられる。)

[アーニャの決心に自分を省みる美波]

だからアーニャのソロデビューは、ラブライカにとって、「今までと変わらない」冒険であるように見える。ソロデビューという形で手は離れても、見ている方角は同じだからだ。このような目標を共有する関係はユニットにとって理想的な関係といえるだろう。

[この道の先に笑顔があると信じて]

□凜の手を離す未央

それに比べると、ニュージェネレーションズは大分遅れている。ただ、これはストーリー展開上必要なことでもある。先に凜と未央の関係から見てみよう。

第20話の中で、未央が凜の提案に動揺したり、ソロデビューを決意する背景には第7話がある。第7話で、未央は凜に「これからも一緒にアイドルを続けさせて欲しい」とお願いに行った。このことは未央が、人一倍先に進もうとしている原動力になっている。

[凜と話す未央(第7話)]

一度、ニュージェネレーションズを失いかけた未央だから、ニュージェネレーションズでやって行きたいという想いは誰よりも強かったと思う。だから、凜の提案に戸惑いもするだろう。

[凜の提案にショックを受ける未央]

だが、第7話のラストシーンで、迷える凜を立ち上がらせたのも未央だったことを覚えているだろうか。そこにあったテーマは、凜が本来持っている「心動かされる何かを見つけにいこう」というテーマだ。

[凜の手をプロデューサーと結ばせる未央(第7話)]

だから、未央のソロデビューの決心は、あの時と同じように凜を導くためだろう。凜が道の先にある「心動かされる何か」を信じられるように、今度は手を「離す」。NOMAKE#20の中で、プロデューサーの言っていた未央の「まっすぐな思い」というのは、みんなを引っ張って行きたいというリーダー気質であると思う。

[ソロデビューを発表する未央。そして支えるプロデューサー]

そういう意味では、未央がやっていることも第7話からずっと変わらない。だから、未央ー凜ラインは、アーニャー美波ラインと同じように安心できる。

□欠けたトライアングル

とういうことで、ニュージェネレーションズの問題の中心はやはり卯月だ。凜、卯月、未央の関係を振り返ってみると、卯月には根本的に欠けているものがある。それは個性(=輝き)の「自覚」だ。

第1話で、凜は卯月の笑顔を見てアイドルの世界に飛び込むことを決意した。そこには凜の感じる「心動かされる何か」があったからだ。だから、凜にとって卯月はアイドル人生の原点となる存在で、凜はその輝きを知っている。

[卯月の笑顔に引き込まれる凜(第1話)]

また、未央にとっても、第7話でプロデューサーの窮地を救った卯月の「笑顔で出来なかった発言」は、未央が復帰する大きな手助けとなった。だから、間接的ではあるが未央にとっても、卯月の笑顔はアイドル人生の原点になっている。

[卯月の笑顔はプロデューサーを未央の下へ(第7話)]

しかし、卯月にはその自覚が全くない。第1話で卯月は「笑顔には自信があります」と言っていた。それは今、完全に影を潜めている。

おそらく卯月は、「自分には(みんなのように)目指すものも、才能も無い」と思い込んでいるだろう。なぜなら、卯月の「笑顔」が今までどれだけの人を動かしてきたかを、卯月自身は知らないからだ。

[ニュージェネレーションズの方向性について、言葉に詰まってしまう卯月]

だから、最後に残された卯月の成長の鍵は、「Power of Smile(笑顔の力)」を信じられるようになることだ。このことは、終盤に向けたシリーズの中で最も重要なテーマになるだろう。

それは能力評価主義の美城常務から最も遠い位置にあり、シンデレラプロジェクトの成長路線から見ても最後尾に位置している。OPを深読みするなら、王冠を授けられたペガサスが、花(=笑顔)に変わるということかもしれない。卯月の道のりは長いだろう。

[OPのラストカット。王冠のペガサスは花へ]

■ストーリー詳細

(撮影現場/ロビー)

P 秋の定例ライブに向け、美城常務主導のプロジェクト・クローネの準備が進む。
E 定例ライブでは、各部署からアイドルたちが選出され、その評価によって各部署の存続、廃止が決定されるという。

(美城常務の部屋)

E その中に凜とアナスタシアが選ばれる。
P 常務の案では、凜は奈緒と加蓮とトライアドプリムスとして、アーニャはソロデビューすることになるという。

(ロビー)

P プロデューサーと今西部長がプロジェクト・クローネについて話す。
E プロデューサーは、方針について悩んでいる。

(シンデレラプロジェクトルーム)

P 混乱を避けるため、メンバーたちには秋の評価の件についてだけ話される。
E 凜やアーニャは悩む。

(街角)

P アーニャは美波に電話しようかと思うが思いとどまる。
L アーニャが街中のプロジェクトクローネのポスターに、ドキドキを感じる。

(美城プロダクション、エントランス)

L アーニャが鷺沢文香とぶつかる。
L そこに大槻唯もやってくる。唯はアーニャのことを知っているようだ。

L アーニャは文香の話に、ドキドキを感じる。

(神社前/ハンバーガーショップ)

P 凜はニュージェネレーションズやシンデレラプジェクトのことを考えてトライアドプリムスの件を辞退しようと考えている。
L 加蓮が凜をトライアドプリムスに誘う。
L 加蓮は翌日もう一度3人で歌おうと誘う。
L それに凜も心動かされる。

(346寮)

P みく、小梅、紗枝、蘭子が美穂のDVDを見ている。キャンディアイランドが活躍している。
G アーニャはみんなや蘭子の話にメンバーたちの成長を感じる。

(アーニャの部屋)

P アーニャは美波に電話しようかと思うが、思いとどまる。

(ボイスレッスンスタジオ)

L 奈緒、加蓮の元に凜がやってくる。
L 奈緒と加蓮の歌に凜も、ドキドキを感じる。

G たまたま通りかかったプロデューサーも可能性を感じる。

(シンデレラプロジェクトルーム)

L アーニャはプロデューサーにやってみたいことを伝える。
G プロデューサーもそれを了承する。

(噴水)

P アーニャは美波にプロジェクトクローネの話をする。
P 美波をそれを応援する。

(シンデレラプロジェクト)

E 未央がニュージェネレーションズのために、色々パワーアップの参考資料を集めてくる。
E 卯月はそういう案が中々思い浮かばないようだ。

EL そこに凜がやってきて、プロジェクトクローネとトライアドプリムスの話をする。

E 凜の変化に未央はショックを受ける。凜もすごく悩んでいるようだ。
E 未央は卯月に意見を求めるが、卯月は何も答えられない。

E 未央が部屋を飛び出す。

G 部屋の外にいたプロデューサーが未央を追いかける。

(凜/未央/卯月の家)

E 凜も卯月も悩んでいる。
G 未央は決心をした表情をする。

(シンデレラプロジェクトルーム)

LG プロデューサーがアーニャがプロジェクトクローネに参加することを発表する。
G メンバーたちは不安がるが美波がそれを応援することで、みんなは落ち着く。

G そしてもうひとつ、未央がソロ活動を始めることが発表される。

(つづく)

■おまけ、今週の蘭子ちゃん
もしかして、蘭子ちゃんの成長って「ホラーを克服する」だけだったんにゃ~!?

[ぴっ!そ、それはグリモワールに記されし、禁忌の理(ことわり)……]

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コメント

temotemo
No.1 (2015/09/03 08:38)
おはようございます。
美波は自分を省みたということですか。個人的には手を離すことが決断だったというのは寂しいので、未央ソロみたいに美波も何か21話でやってくれるような気がします。
蘭子は…考えてみれば自らホラー要素に突っ込んでいくのって面白いですネ。ホラー苦手なのもカッコ悪いと思って、隠したがってたので
ginji (著者)
No.2 (2015/09/03 11:08)
>>1
美波はアーニャが変わろうとしていることに、成長を感じたんだと思います。それはアーニャが他のメンバーを見て、成長を感じたことと同じ関係です。アーニャは他のメンバーに、美波はアーニャに導かれているとも言えます。手を離すというのはネガティブな出来事にとらえられがちですが、美波とアーニャの手は精神的には結ばれていると思います。(凜、未央も同じ。)
蘭子は…、NOMAKE的な形で補完があると嬉しいですね。担当回は無いのかな?
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