アイドルマスターシンデレラガールズ第17話「Where does this road lead to?」のストーリー解析を行う。原作、未プレイ。→前回 →次回
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■評価
★★★ テクニカル、ストロング

[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1438916672
■総評
第17話は凸&美嘉回。美しいエモーショナルラインを持ち、その流れは分かりやすい。ただし、第17話の持つテーマは、今までのテーマを踏襲しつつ、より複雑なものになっている。そういう意味では、解釈が難しい一話とも言える。成長過程の彼女たちに注目して見て欲しい。
■基本情報
監督 - 高雄統子
シリーズ構成 - 高雄統子、髙橋龍也
脚本 - 雑破業(夏合宿回(第12話)担当)
アニメーション制作 - A-1 Pictures
→Wikipedia
■登場人物
[シンデレラプロジェクト所属アイドル]
島村 卯月(しまむら うづき) - 大橋彩香
渋谷 凛(しぶや りん) - 福原綾香
本田 未央(ほんだ みお) - 原紗友里
前川 みく(まえかわ みく) - 高森奈津美
多田 李衣菜(ただ りいな) - 青木瑠璃子
城ヶ崎 莉嘉(じょうがさき りか) - 山本希望
赤城 みりあ(あかぎ みりあ) - 黒沢ともよ
諸星 きらり(もろぼし きらり) - 松嵜麗
双葉 杏(ふたば あんず) - 五十嵐裕美
三村 かな子(みむら かなこ) - 大坪由佳
緒方 智絵里(おがた ちえり) - 大空直美
神崎 蘭子(かんざき らんこ) - 内田真礼
新田 美波(にった みなみ) - 洲崎綾
アナスタシア - 上坂すみれ
[その他のアイドル]
城ヶ崎 美嘉(じょうがさき みか) - 佳村はるか
神谷 奈緒(かみや なお) - 松井恵理子
北条 加蓮(ほうじょう かれん) - 渕上舞
十時 愛梨(ととき あいり) - 原田ひとみ
市原 仁奈(いちはら にな) - 久野美咲
龍崎 薫(りゅうざき かおる) - 春瀬なつみ
佐々木 千枝(ささき ちえ) - 今井麻夏
櫻井 桃華(さくらい ももか) - 照井春佳
[美城プロダクション・スタッフ]
美城常務 - 田中敦子
今西部長 - 小松史法
千川ちひろ(せんかわ ちひろ) - 佐藤利奈
プロデューサー - 武内駿輔
■ドライバー分析
第17話のメインドライバーは次の3つ。
1.莉嘉が自分らしさを見つける(E-G)
2.美嘉が自分らしさを見つける(E-G)
3.みりあがお姉ちゃんになる(L-F-L、E-G)
また、サブドライバーとして
4.きらりや杏が莉嘉にきっかけを与える(G)
5.美嘉とみりあがお互いに慰めあう(E-G)
などがある。
第17話は、凸レーション&美嘉回。エモーショナルラインを中心とした構成で、特に美嘉、莉嘉、みりあの成長を描く。
全体のイメージとしては、美嘉、莉嘉、みりあのストーリーが共通のエモーショナルラインでまとめられているという感じ。(大雑把には、悲/喜→悲→悲→喜→喜の流れ。)この点は、非常に分かりやすい。
ただ、それを支えるストーリーには難しい点もある。出来るだけ深堀りしながらストーリーを眺めてみよう。
まず、第17話のスタートは、今までと同じく美城常務の「改革路線」とシンデレラプロジェクトを中心とする「笑顔路線」の対立から。
改革路線の影響で、美嘉は今までのギャル系ファッションから、大人路線への変更を求められる。これが美嘉の悲しみの始まりになっている。同部署の奈緒や加蓮のこともあり、美嘉はそれを受け入れる。
[大人向け化粧品とのタイアップに起用される美嘉]
一方で、シンデレラプロジェクトの側は「シンデレラの舞踏会」の成功を目指し、新しいバラエティ番組「とときら学園」の企画を進めている。こちらは情動としてはポジティブで、特にTV出演が決まった、莉嘉とみりあが喜んでいる。
[TV出演を喜ぶ莉嘉とみりあ]
冒頭の各路線の動きは「アイドルの個性」をめぐる分かりやすい対立であり、この点は、第15話(楓回)、第16話(うさみん回)と同じだ。
しかし、ここから先の悲しみの流れは、必ずしも美城常務の「改革路線」が直接引き起こすものではない。
まず、莉嘉の悲しみの原因は、TV番組の衣装が「幼稚園児」のものになってしまったこと。これは美城常務のせいではなく、プロデューサーのせいでもない。あえて言うなら、悪いのは勝手に衣装を決めたTV局側ということになる。
[幼稚園児の気持ちになるですよ!(久野ちゃんボイス)のロリっぷりにドン引きの莉嘉]
また、みりあについても、悲しみの原因は、母親が妹にかかりっきりで話を聞いてもらえなかったという個人的な体験にある。特にみりあに関しては、仕事とは全くの無関係で、今までの傾向とは違う。
[母親に話を聞いてもらえないみりあ]
これらの悲しみは、シンデレラプロジェクトの内部企画の話だったり、みりあの家庭の話に起因する。だから、第17話を「美城常務の改革路線に対抗していく話」と早々にまとめることは出来ない。
これらのストーリーを解釈するために、もう少し作品テーマについて考えてみよう。
□“自分らしく”という危うさ
美嘉、莉嘉、みりあたちが置かれた状況は、一言で言えば彼女たちが「望まない」状況だといえる。
美嘉にとって、大人向け化粧品とのタイアップは、目指してきたギャル系ファッションの方向性とは違う。莉嘉にとっても、幼稚園児の衣装は、セクシーギャルを目指している方向性とは違う。また、みりあにとっても、母親に話を聞いてもらえない状況は、母親に甘えたいという望みからは離れている。
[街を賑わす美嘉のポスター]
こういった「望まない」状況において、どう振る舞うか。「自分らしさ」の危うさは、それを「私の望むものではない」と突っぱねてしまえることだ。第15話で楓がやったように、そういう状況で仕事を断ることはできる。
例えば、みりあが母親に、「こっちの話も聞いて欲しい」と駄々をこねたらどうだろう。莉嘉が、プロデューサーに「こんな服着たくない」と言ったらどうだろう。美嘉が、「これは私の方向性じゃない」と仕事を断ったらどうだろう。しかし、3人はそうしなかった。
なんでもない状況であれば、みりあは母親に、莉嘉は美嘉に、美嘉は担当プロデューサー(あるいは両親)に甘えていいと思う。しかし、第17話では、そういった甘えはことごとく打ち払われている。
特に印象的なのは、美嘉が莉嘉を叱ったシーン。「あんな服着たら笑われる」という莉嘉に対し、美嘉は
「だったら辞めちゃいな。アイドルなんて。好きな服着たいだけだったらアイドルでなくてもいいでしょ。遊び半分じゃ、真面目にやってる他の子の迷惑になるから」
と言った。ここで言う「真面目にやってる他の子」というのは、美嘉にとっては奈緒や加蓮、莉嘉にとっては「とときら学園」に出ている他の出演者を指すだろう。
[莉嘉を突き放す美嘉]
もし、「自分らしさ」が、「自分の望むことだけをやること」ならば、それは「アイドル」でなくてもいい。これは美嘉自身の「甘え」も許さない、厳しい言葉といえるだろう。
しかし、だったらどうすればよいのか?それが莉嘉や美嘉の悩みの核心だ。
□共有される“悩み”
2度に渡るマイナス側のシーンを抜け、ストーリーはプラス側にシフトする。最終的に、莉嘉、美嘉、みりあは悩みの答えを見つけていくのだが、その前に描かれたのは、その悩みの共有だった。
まず、莉嘉を支えたのは、かな子、智絵里、きらり、杏たち。このシーンで、智絵里が「プロデューサーに相談してみたら」と言っているが、莉嘉は首を横に振っている。それはプロデューサーに相談することが、自分の甘えにつながる(根本的な解決にならない)からだろう。
[きらりたちに悩みを打ち明ける莉嘉]
だが、それをかな子たちに話すことによって、そして杏やきらりの言葉を聞くことによって、莉嘉は自分なりの答えを見つけている。
このことは、美嘉とみりあも同じだ。美嘉とみりあは、カラオケに行ったり、ショッピングをしたりして気晴らしをしている。しかし、それは表面的な出来事で、シーンはより核心的な、「甘えられないのは辛い」ということの共有へつながっていく。
みりあは美嘉からお姉ちゃん話を聞いて、「そう、そうなの」と瞳を輝かせ、美嘉もみりあに、置かれている状況の辛さを慰められている。みりあちゃん誘拐事案、お姉ちゃんは辛い同盟の結成である。
[お互いの悩みを打ち明けあう美嘉とみりあ]
この登場人物たちの「弱さ」が第17話の最も特徴的な部分だ。
□“自分らしさ”という武器
最終的に、莉嘉の悩みを解決するきっかけとなったのは、杏やきらりの言葉だった。莉嘉は杏やきらりの、
「何を着ても自分は自分」
「自分らしく工夫するとはぴはぴになる」
という言葉をヒントに、嫌がっていた園児服を受け入れて、「自分らしく」着こなすことを思い立つ。
[笑顔で収録を迎える莉嘉と、その自分らしさに感化される美嘉]
その姿は収録を見に来た美嘉に影響を与え、美嘉の「自分らしさ」にもつながっていく。
この「自分らしさ」には、第15話の楓の言葉を重ねてみると面白い。第15話の中で、楓は
「ここは暗いから、私が輝かなきゃね」
と言っていた。第15話や第17話の中で描かれた「自分らしさ」は、この楓のセリフに象徴されている。
[思い出のステージに向かう笑顔の楓]
与えられた環境に不満を言う、突っぱねることは、「ここは暗いから歌えない」と言うようなものだ。もし、それを誰かが改善してくれたとしても、それは「アイドル自身の輝き」にはならないだろう。
アイドルにとっての「自分らしさ」とは、「アイドル自身が輝く」こと。その唯一無二の輝きこそが、アイドルの個性だ。「自分の望むことだけをやること」と「アイドル自身が輝く」ことは似ているようで少し違う。
(比較するなら、画一的な光を当てて「輝かせる」ことが、美城常務の改革路線と言える。)
NOMAKE #17によれば、美嘉は現場で躍動感のあるポーズ(ギャルピース)の写真を使うと言い切ったという。カメラマンを納得させた「芯のあるイメージ」は、照明の光ではない美嘉自身の輝きと言えるだろう。
[美嘉の輝きを捉えた新しいポスター]
第15話と比較すると、第17話には自分らしくあろうとするアイドルの強さだけでなく、そこに至る前の迷いや「弱さ」が多く描かれている。
つまり、これは楓のような完成されたアイドルではなく、そこに至る成長過程のアイドルに焦点を当てたストーリーと言えるだろう。美嘉、莉嘉、みりあが持つ弱さと、彼女たちを支える仲間、そして発揮される強さ。これは笑顔路線のテーマにしっかりと沿ったストーリーと言える。
[お姉ちゃんが、みりあちゃんに慰めてもらったのは内緒です]
■補足:プロデューサー不在の意味
プロデューサーの立ち位置が少し気になったので補足。
第17話のように、プロデューサーのいないところでストーリーが展開したのは、第10話(凸回)、第11話(*回)、第12話(夏合宿回)の3回。その際、凸レーションは持ち前のパッションで、アスタリスクは相互理解で、夏合宿は美波の頑張りで切り抜けた。
このようなストレス状況は、本来の役割から言えば避けるべきものだ。今回で言えば、美嘉のプロデュース方法や、莉嘉の衣装の問題は、担当プロデューサーが責任を持つべき問題と言えるだろう。
だから、アイドルに負担をかけるプロデューサーはけしからんというのは1つの見方だ。ただし、その関係性には注意を払う必要があるだろう。
もし、プロデューサーとアイドルたちの相互関係を「親子」と見立てるなら、プロデューサーはアイドルたちを保護し、育てる必要がある。(そして、いずれアイドルたちは巣立つ。)
特に、みりあや莉嘉といった幼いアイドルには、このモデルがよく当てはまる。だから、プロデューサー不在の中で物語が進むのはやや危険な感じがする。(たとえ、それが結果的にうまくいっているとしても。)
[親の知らない間に子は育つ?]
このモデルを元に語るなら、みりあや莉嘉はまだまだ甘えていいし、プロデューサーは彼女たちにあまり負担をかけず、悩みにもっと敏感であるべきだろう。
しかし、例えば、凜、卯月、未央とプロデューサーの関係を「親子」とは言いがたい。その関係は、協力関係を表す「パートナーシップ」と呼ぶようなものだろう。
特に、楓や美嘉のようなトップアイドルは、アイドルとして「プロフェッショナル」な仕事が求められる。それはプロデューサーがプロフェッショナルであることと同じ、対等な関係だ。
この協力関係は、各人がプロフェッショナルであることによって成り立つ。(例えば、カメラマンがプロであるように、美嘉もまた被写体としてプロでなければならない。)
「アイドルを育てる」ことの中には、必然的に、これら2つの関係性が含まれる。
アイドルの成長に伴う、親子関係からパートナシップへの移行は、早すぎてもいけないし、遅すぎてもいけない。そのスピードはアイドルによってまちまちだし、時間も手間もかかる。その点は、アイドルを育てる方式の弱みと言えるかもしれない。
(それに比べると、美城常務の改革路線は、個性を伸ばさない代わりに、アイドルに何不自由ない、完璧な環境を与える方法論と言えるかもしれない。)
[おそらく化粧品タイアップの仕掛け人、美城常務]
シンデレラプロジェクトのメンバーたちは、まだ「プロデューサーを手伝いたい」と言い、自分たちのやり方で輝く方法も完全ではない。その点で、アイドルたちはまだプロデューサーに守られている状態だ。
プロデューサーの不在は、ある意味、アイドル自身がプロフェッショナルとして振舞えるかどうかの試金石になっている。自分らしさの先には、プロ意識というものがあるのかもしれない。
■おまけ、今回の事案
突然、凶器を身につけるみりあちゃんの図。
[これが、しっぽもふもふ……]
<もふもふ!もふもふ!ふぉぉぉぉぉおおおおおお!///
<美嘉ちゃん、落ち着いて!(汗)
■ストーリー詳細
(街中)
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P 街中に美嘉のポスターが掲示されている。
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(会議室)
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E 美嘉は方針転換の影響で大人路線への変更を促される。
E 同じ部署の奈緒や加蓮のためにも成果が求められる。
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(街中)
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E 美嘉の大人っぽい化粧品ポスターが掲示されている。
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(美城常務の部屋)
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G 今西部長が美城常務に改革が急すぎるのではないかと言う。
E しかし、美城常務はブランドイメージが大事だと方針を変えない。
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(シンデレラプロジェクトルーム)
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P プロデューサーがレギュラー番組「とときら学園」の企画を進めている。
P 「学校の教室」という設定で、MCは愛梨ときらり。莉嘉とみりあも出演する。
P 他にも何人かのキッズアイドルが出るようだ。
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G シンデレラの舞踏会に向けて盛り上がる。
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(帰り道)
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L 莉嘉が大喜びで美嘉に電話する。
L みりあも嬉しそう。
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(みりあの家)
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F みりあがTV出演について母親に報告しようとするが、赤ちゃんが泣き出してしまい話を聞いてもらえない。
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(莉嘉の学校)
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P 莉嘉が学校でTV出演の話をする。
E クラスの男子に、どうせ子供っぽい番組だろうと馬鹿にされる。
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(TV局)
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E とときら学園の衣装が幼稚園児のものに変更されている。
E 莉嘉はそれが嫌らしい。
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E リハーサルで莉嘉の元気がない。
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(電話、きらりたち/プロデューサー)
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P プロデューサーときらりたちが電話する。
P 莉嘉は衣装の件についてプロデューサーに言えないでいる。
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(みりあの家)
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E みりあが母親に収録のことを話そうとするが、またも赤ん坊が泣き出してしまい、聞いてもらえない。
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(街中)
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E 美嘉は、女子高生が「美嘉がかっこいいけど遠いところの人になった感じ」と話しているのを耳にする。
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(城ヶ崎家)
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E 莉嘉が番組の衣装について悩んでいる。
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E 美嘉が帰宅し、莉嘉が美嘉に衣装についての不満を漏らす。
E しかし、莉嘉が「お姉ちゃんが今やっているような大人っぽいのがいい」と言うので、美嘉は怒る。
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(翌日)
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E 莉嘉、みりあ、美嘉がそれぞれ悩みを抱えている。
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(美城プロダクション)
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G 美嘉がみりあを見つけ話しかける。
G 美嘉がみりあを誘う。
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(シンデレラプロジェクト)
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G 莉嘉がシンデレラプロジェクトルームに行くと、きらり、かな子、智絵里がケーキを用意して待っている。
G 莉嘉はとときら学園のことについて話す。
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G 杏が「何を着たって自分は自分でしょ」と言う。
G きらりは「好きな服を工夫して着ると、はぴはぴになる」と言う。
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G それを聞いて、莉嘉は自分らしく工夫しようと思い立つ。
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(渋谷)
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G みりあと莉嘉がカラオケなどでストレスを発散する。
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(公園)
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G みりあが「お姉ちゃんになったの」と家でのことを話す。
G 美嘉がそれに共感し、みりあは気が晴れる。
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G 美嘉もみりあに慰めてもらう。
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(みりあの家)
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G みりあが家事を手伝って、母親に誉められる。
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(城ヶ崎家)
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G 莉嘉が美嘉に本番を見に来てと置手紙を残す。それを美嘉が見る。
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(TV局/スタジオ)
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G プロデューサーや美嘉が見守る中、みりあや莉嘉が自分らしく、元気に収録に臨む。
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G それを見て美嘉も奮起する。
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(広告写真撮影)
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GL 美嘉が与えられた大人な衣装をまといながらも、美嘉らしいポーズを決める。
L 写真家もそれに魅せられ、撮影がすすむ。
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(広場)
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L 莉嘉と美嘉がギャルピースで写る美嘉の新しいポスターを見て微笑む。
|
(つづく)
[来週も見るぴにゃ~!]
→次回
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【ストーリー解析】アイドルマスターシンデレラガールズ第16話「The light shines in my heart.」
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【ストーリー解析】アイドルマスターシンデレラガールズ 第18話「A little bit of courage shows your way.」
コメント

CPのメンバーに比べると、楓は目標になるようなプロなんですよね。美嘉はその中間という感じで。CPのメンバーたちがアイドルとしてやっていくには、楓たちのように自分を輝かせる方法を獲得していかなければならないでしょう。すごくいいテーマだと思います。

記事の中で『画一的な光を当てて「輝かせる」ことが、美城常務の改革路線』を読んで感じたのですが、これは要するに今までの「アイドルの個性を出す」とやり方ではプロデューサー個人の負担や責任が大きすぎるからそれらを軽くしようという意味合いもあるのではないのでしょうか?(個性を出すにはアイドル自身の努力が必要不可欠ですが)
実際Pを見る限り、アイドルのスカウトから彼女ら全員の企画と実際の運用、アイドルのスケジュール調整などかなりの仕事量に感じます。Pは仕事ができるので今の所何事もないのですが、いつか何かP自身に何か起きそうな気がします。
この17話と先程放送された18話ではPが『ほかの仕事で』悩みを持つアイドルの傍にいられないシーンが立て続いていますしどうなるのかやら・・・

美城常務が目指すのはお姫様なので、作法を学ばせ、相応しい格好をさせ、舞台を整えて送り出すということだと思います。お姫様にも修練(習い事)は必要なので、負担がないわけではありませんが、一緒に考えたり方向性を模索するという苦労はないでしょうね。
プロデューサーが過労で倒れるというシチュエーションは可能だと思います。そこでアイドルが自立して振舞いそうですし。
個人的には、各担当回が終わった後、卯月が軸になりそうな気になります。
自分は楓さんが突っぱねたことに、「やりたいことを貫いた」/逆に常務が「やりたくないことをお仕着せようとした」という意見を見て違和感があったのですが、その答えがまた一つ出ました。(だってやりたくない仕事はPだって持ってくるし)
そういう意味ではこれまでの先輩アイドル達は、決してやりたいことを貫いたのではなく、それを求めてくれるファンのために自分を輝かせようとしているんですね。