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【ストーリー解析】シドニアの騎士 第九惑星戦役 第8話「再会」

2015/06/04 02:29 投稿

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シドニアの騎士 第九惑星戦役第8話「再会」のストーリー解析を行う。原作未読。→前回
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■評価
★★ スタンダード


[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1433133209

■総評
第8話は完全ラブコメ回。はっきりとしたストーリー構造は少なく、ストーリーの強度は今ひとつ。もう少し構造をはっきりさせて、イザナを中心に終盤の千秋郷のシーンへつなげるべきだろう。見所は、イザナがどこまでメインヒロインとして上り詰められるか。また、長道の側にも立ってストーリーを見て欲しい。

■基本情報
原作 - 弐瓶勉(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
監督 - 瀬下寛之
シリーズ構成 - 村井さだゆき
脚本 - 村越繁
アニメーション制作 - ポリゴン・ピクチュアズ
→Wikipedia

■登場人物
[主人公たち]
  谷風 長道(たにかぜ ながて) - 逢坂良太
  科戸瀬 イザナ(しなとせ イザナ) - 豊崎愛生
  緑川 纈(みどりかわ ゆはた) - 金元寿子
  仄 焔/煉(ほのか えん/れん) - 喜多村英梨
  白羽衣 つむぎ(しらうい つむぎ) - 洲崎綾
[シドニア幹部]
  科戸瀬 ユレ(しなとせ ユレ) - 能登麻美子
[東亜重工]
  丹波 新輔(たんば しんすけ) - 阪脩
  佐々木(ささき) - 本田貴子
[衛人操縦士]
  サマリ・イッタン - 田中敦子
  弦打 攻市(つるうち こういち) - 鳥海浩輔

■ドライバー分析
第8話のメインドライバーは、

1.ユレに命令されて、長道がイザナを一泊旅行に誘う(P=E、L-F-L)

また、サブドライバーとして

2.長道が落ち込んだつむぎを励ます(E-G、L)
3.纈が谷風邸に引っ越してくる(P)
4.ユレがイザナをお出かけに誘う(L-L)
5.ユレが佐々木に重力子放射線射出装置の開発協力を求める(G)

などがある。
第8話は、シリアスパートが排除され、ほぼ完全にラブコメ回である。画的には楽しげなカットが多く、それが魅力的だ。ただ、ストーリー展開という点では隙も多い。

ストーリー展開上、前回の回想(アバン)、ドラマを見るシーン、鍋のシーン、ユレとイザナが出かけるシーン、纈のプラモ屋のシーンなどのシーンは、必ずしも必要ない。また、第8話のメインストーリーは完結もしていない。そのため、第8話のストーリー強度はやや低い。

その中で、第8話のストーリー強度を支えているのは、ほぼイザナとつむぎに関するストーリーと言えるだろう。

イザナは、第2期に入ってから(正確には第1期最終話頃から)メインヒロインとしての頭角を現し始めた。一方で、第2期から登場したつむぎも、星白を継ぐ異色のヒロインとして、シドニアガールズの一角を占めている。

[第2期のヒロイン、イザナとつむぎ]

ストーリーを、正妻戦争ラブストーリーとして見たとき、メインヒロインの軍配は、今のところイザナに上がる。その流れは、第6話から第8話を見ても顕著だ。

つむぎは長道に優しくされはするが、その実態はつむぎの片思いに過ぎず、恋愛対象としては扱われていない。本人が幼いとは言え、気づいてみればヒロインとしてのポジションは、今や纈と同列に近い窓際族(笑)。

[すっかり仲良しの纈とつむぎ]

それに対し、イザナは女性として急成長し、長道がイザナの女性を感じて、顔を赤らめたりすることもしばしばある。この変化は、長道にとってイザナが恋愛対象になり始めていることを示している。

ここ数話のイザナの成長は目覚しい。イザナはストーリーの大きな後押しを受けており、メインヒロインの座へと近づいている。今回、長道がユレから与えられた千秋郷の一泊任務は、2人が恋人として発展するきっかけになる可能性すらあるだろう。

[ユレに極秘任務(一泊旅行)を命じられ、千秋郷を訪れる長道とイザナ]

イザナの成長は、「女性化」と「ツンデレ化」と言える。女性化はその名の通りだが、単純回路の長道にとっては意外に効果は大きかったかもしれない。女性らしい体型は、長道にイザナをはっきりと異性と認識させている。

その一方で、イザナは自分の気持ちが体型変化によってばればれであることを恥ずかしく思っている。イザナやつむぎが説明したように、中性はパートナーによって性が変化する。そのため、イザナの気持ち(あるいは体の応答)は明らかだ。

[性の変化は自分の意思ではないと言ったイザナ]

だから、逆にイザナはこれまでのような友人ポジションでは居辛い。第7話の、急によそよそしくなった二人や、「長道とはトランプしないから!」といった件は、急に恋愛対象としての距離が近くなってしまったために起こっている。

今までも、イザナが「気持ちに気づいてよ!」とアピールする展開は何度かあったが、女性化して、その傾向はより強くなっている。纈やつむぎとの生活は、嫌ってわけじゃないけど、長道との同棲生活に期待があったのは事実。スルーされたらされたで怒りたくなる。

[長道は絶賛爆睡中。]

イザナの怒りは、刺激的に言えば、「僕の体の変化を見て何にも思わないの!?」ということ。自分からは言いたくないけど、気がついてほしい。それが「ツンデレ化」の中身だ。

[長道を見るイザナの表情]

だから、長道がその気になれば、2人がうまくいく可能性は高い。

ただし、ストーリーがどこまでそれを許すかは、現時点では何とも言えない。なぜなら、長道の心の中には、まだ星白という恋人がいるからだ。

[連結型ガウナ討伐戦に向かう星白と長道(第1期第6話)]

ポスト星白という立場を考えたとき、そこには2つのストーリー上の役割がある。1つは、恋人としての役割、もうひとつは「ガウナとの対話」というテーマを支える役割だ。

現時点で、前者はイザナに、後者はつむぎに継承されようとしている。(単に恋人役として見たとき、つむぎの扱いは低い。しかし、つむぎには星白の別のテーマが継承されようとしている。)

[長道とつむぎの関係は、星白の信じた世界観に近い]

恋人の死というストーリーは、王道的には、それを主人公が受け入れることで完結する。(星白が復活する可能性は0ではないが、死者が蘇ることは、ある一線を越えてしまう。また、イザナが台頭してきたことは、どちらかというと星白の復活に否定的だ。)悲しみはあるが、星白が過去のものになることでストーリーは終わる。

長道が、自分の中で星白の問題を解決するには、星白の考えを理解し、そこに答えを見つけるしかないだろう。それは星白が復活するという直接の形ではなく、その愛に報いる行動として現れる。それは、つまりガウナのような対話不能にみえるものとの意思疎通だ。

[長道の主人公らしさの1つは、星白の残した願いを抱えていることにある]

その点で、イザナとつむぎは、ダブルヒロインと言える。つむぎは、星白の残した問題を解決するために、今後も長道の力になるだろう。そして、イザナは今後、恋人役として長道を支えるのかもしれない。

もし、星白の問題がクリアーされれば、(それはほぼシドニアの騎士の物語の終わりを意味するのだが、)長道とイザナは結ばれる可能性がある。もっとも、必ずそうなるという保証はどこにもないのだが。

仮に問題をクリアーせずに、長道とイザナが満たされてしまった場合、それは第2の星白という運命を辿る危険性もある(満足すると死ぬ法則)。イザナとつむぎには、ほどほどに、着実に、ポスト星白を継承し、ストーリーの推進力となって欲しい。

■残された謎

①落合とつむぎはどうやって通信しているのか?
②落合の研究室にいた小さな騎士は何か?
③落合はなぜ100年前、極端な行動に出たのか?
④ガウナとはどういう生物なのか?
⑤カビとは何か?
⑥市ヶ谷総一郎とは誰か?
⑦星白の体には秘密が?
⑧星白が衛人操縦士を目指した理由とは?
⑨有機転換炉には秘密が?

■おまけ、今週のユレさん
ユレさん、そっち系の趣味でしたか……。眼帯ってまさか、そういうこと!?

[闇に飲まれよ……(ボソッ)]

■ストーリー詳細

(第7話回想)

P イザナの胸が大きくなった。
E 惑星セブンがガウナに襲われた。

(回想終わり)

P つむぎたちが映画を見ている。つむぎは内容に興味津々。

(復旧作業)

P つむぎやイザナたちが事故の復旧作業を行っている。

E つむぎが資材を持って軽快に飛び回るが、イザナが危ないと注意する。
E しかし、つむぎは聞かず、結局つむぎに驚いた煉が資材を崩してしまう。

EG 落ち込んだつむぎを長道が励まそうとする。
L 長道が「つむぎの表情は分かりやすい」と言って、つむぎが恥ずかしがる。

(谷風邸)

L 長道とイザナが鍋の材料を買って帰る。

P すると家に帰ると纈が来ている。

LF 纈はイザナの部屋の荷物を片付けて、コタツを設置している。
P しかも、纈は谷風低にこれから住むという。

(夕食後)

F 鍋の後、団欒するが、イザナは長道との生活が崩れて少々気落ち気味。

(東亜重工)

P イザナが10本指用の操縦桿を試してみる。

(イザナの実家)

P イザナが家に帰ると、ユレがいる。
P イザナはユレが怪我をしているのを気にかける。

L ユレはイザナが女性化したことを喜ぶ。

L ユレがイザナにユレの若い頃の服を着て出かけようと言い始める。
F しかし、服があまりに過激でイザナは困る。
L ただ、ユレが残念そうにするので、イザナは一緒に出かけることにする。

(喫茶店)

P ユレが佐々木との待ち合わせのために帰る。
P そのためイザナは、過激な格好のまま一人で帰ることに。

(路地)

P イザナは知り合いに見つかりたくなかったが、運悪く長道に見つかってしまう。

(模型屋)

E 模型屋に来ていた纈は、長道とイザナを目撃し、長道が見知らぬ女を連れていると誤解する。

(研究所)

G ユレは佐々木に重力子放射線射出装置の開発協力を依頼する。

(裏道)

L 長道はイザナの格好にドキドキする。

(谷風邸、纈の部屋)

P 一七式継衛のプラモを作っている纈のところに、つむぎがやってくる。
P 纈がびっくりして、プラモが壊れてしまう。纈が怒る。

G 長道とイザナが帰ってきて、纈は目撃した女性がイザナだと分かる。

(後日、復旧作業)

L 作業が終わりつむぎと長道が掌位をして帰る。
E そのやりとりにイザナが焼きもちを焼く。

(格納庫)

E 格納庫で長道がイザナに声をかける。イザナは、長道が自分のことを全然気にかけてないので怒る。

G その様子を佐々木とユレが見ている。

(西3番操縦士待機室)

G ユレは長道を呼びつけ、任務と称して重要文化財(千秋郷)の調査を命じる。
G そして、協力者としてイザナを連れて行くよう指示する。

P(E)長道は急な話に戸惑うが、ユレは「頚椎に爆薬を仕込んでおいたから、失敗したら爆破する」と脅す。
P 長道が任務を引き受ける。

(谷風邸)

P 家に帰った長道はイザナを任務に誘う。
E イザナはまだ機嫌が悪い。

G 長道は真剣な様子で千秋郷の任務をイザナに話す。
GL イザナは長道が遊びに誘っているのだと思い機嫌を直す。

L 長道があまりに真剣なので、イザナは少し戸惑う。しかし、良い話なので引き受ける。

P こっそり見ていた纈とつむぎはショックを受ける。

(翌朝)

L 翌朝、長道とイザナがよそよそしく出かけていく。
P 2人が一泊旅行のことを黙っていることに、纈とつむぎはショックを受ける。

(千秋郷入り口)

P 長道とイザナが千秋郷に向かう。
L イザナはとても嬉しそうだ。

(千秋郷)

L 千秋郷には花が咲き乱れており、イザナが感激する。

P イザナが長道の手を引き中に入る。
L 長道もちょっと特別な気分になる。

(つづく)

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