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【ストーリー解析】アイドルマスターシンデレラガールズ 第11話「Can you hear my voice from the heart?」

2015/04/01 23:29 投稿

コメント:4

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アイドルマスターシンデレラガールズ第11話「Can you hear my voice from the heart?」のストーリー解析を行う。原作、未プレイ。→前回 →次回
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■評価
★★★ ストロング


[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1427424802

■総評
第11話は、みく&李衣菜回。最初は方向性が合わないみくと李衣菜が、だんだん1つのユニットになっていくというお話。ドライバー、抑揚、エモーショナルライン、演出、作画、テーマ性、どれも素晴らしく、コミカルかつハートフルなストーリー。セリフや画作りの1つ1つに魂がこもっており、みくと李衣菜の似ていたり、似ていなかったりする部分が存分に楽しめる。

■基本情報
監督 - 高雄統子
シリーズ構成 - 高雄統子、髙橋龍也
脚本 - 土屋理敬
アニメーション制作 - A-1 Pictures
→Wikipedia

■登場人物
[シンデレラプロジェクト所属アイドル]
  島村 卯月(しまむら うづき) - 大橋彩香
  渋谷 凛(しぶや りん) - 福原綾香
  本田 未央(ほんだ みお) - 原紗友里
  前川 みく(まえかわ みく) - 高森奈津美
  多田 李衣菜(ただ りいな) - 青木瑠璃子
  城ヶ崎 莉嘉(じょうがさき りか) - 山本希望
  赤城 みりあ(あかぎ みりあ) - 黒沢ともよ
  諸星 きらり(もろぼし きらり) - 松嵜麗
  双葉 杏(ふたば あんず) - 五十嵐裕美
  三村 かな子(みむら かなこ) - 大坪由佳
  緒方 智絵里(おがた ちえり) - 大空直美
  神崎 蘭子(かんざき らんこ) - 内田真礼
  新田 美波(にった みなみ) - 洲崎綾
  アナスタシア - 上坂すみれ

[その他のアイドル]
  小日向 美穂(こひなた みほ) - 津田美波
  小早川 紗枝(こばやかわ さえ) - 立花理香

[美城プロダクション・スタッフ]
  千川ちひろ(せんかわ ちひろ) - 佐藤利奈
  プロデューサー - 武内駿輔

■ドライバー分析
第11話のドライバーは1つ。

①みくと李衣菜が仲良くなってユニットデビューする(E-G、L-L、P-L)

また、細かなドライバーとして、

②みくと李衣菜が共同生活でお互いのことを知る(E-G)
③2人で歌詞を考える(E-G)
④サマーイベントを通じてユニットとしての確信を得る(L-L、E-G)
⑤アイドルフェスの企画が明かされる(P)

などがある。
第11話は、みくと李衣菜のユニットデビュー回。明確なドライバーと、詳細な心理描写を持ち、ストーリーとしての強度は高い。また、シリーズ全体に対する整合性もあり、懐の深い一話と言えるだろう。

多くの似たような形式と違うのはその立体感だ。第11話は、言ってみれば1つのユニットがデビューする話であり、ストーリーの顛末は決まっている。しかし、そこには異なる視点や、多くの心理的ストーリー、数々の伏線が重ねられており、それらが立体感を作っている。

第11話のテーマの1つは「仲良し」だろう。しかし、第11話を隈なく見ても、「2人がいつ仲良くなったのか?」に答える事は難しい。なぜなら、2人はお互いが知らない間に、あるいは“色々な事があって”変わっていくからだ。ここからより詳しく分析していこう。

[言ってる事は正反対なのに、リアクションはそっくりな2人]

まず、ストーリーには3つの視点がある。プロデューサーの視点、主人公であるみくと李衣菜の視点、他のメンバー達の視点だ。シリーズ全体からみると、今回の話はプロデューサーがより敏腕なプロデューサーとして描かれている。

第7話でアイドル達と向き合う事を意識し始めたプロデューサーは、第8話~第10話の間で徐々にアイドル達を信頼し仕事を任せられるようになってきた。今回も、プロデューサーは三者の中で最も「ユニットとしての相性」を見抜いた人物となっており、その流れは続いている。

[2人を相性の良いユニットだと思うと話すプロデューサー]

逆にシンデレラプロジェクトのメンバー達は、その対比として、中盤でもみくたちがケンカばかりしていると思っている。(ただし、きらりはプロデューサーの視点に近かったようだ。)また、みくや李衣菜もそのプロデューサーの見立てが分からない。

[みくと李衣菜の組み合わせに疑問を持つプロジェクトメンバー達]

ストーリーの後半、みくは「(ユニットを)プロデューサーが組ませてくれた意味、今納得しておきたい」と言っていた。それは「ユニットとしての相性」に迫る言葉だ。序盤でプロデューサーが言った「相性が良い」という理由は言語化が難しい。しかし、みくたちはプロデューサーを信頼し、それを全否定しようとはしない。また、プロデューサーも、どうしても無理ならソロデビューという可能性を残している。

[プロデューサーとみくたちの間には一定の信頼関係がある]

このみくと李衣菜の相性について、文章で説明する事は必ずしも適切ではないかもしれない。だが、あえて言語化するなら、それは「優しさ」「プロ意識」だろう。

ストーリーの中盤から、みくと李衣菜は莉嘉の提案で共同生活に入る。これは2人が仲良くなるためのプロセスだ。ここから2人はお互いのことを色々な形で知ることになる。その多くは、日常的な事柄、目玉焼きに何をかけるかだったり、食べ物の好みだったり、ポスターの貼り方だったり、どんな風に生活しているのかだったりする。

しかし、その中で一番大きかったのは、きっとお互いの「優しさ」だろう。特に、それが現れるのは、オーディションでみくが李衣菜を元気付けたシーンからの流れだ。オーディションで励まされた李衣菜は、みくがいつもお惣菜ばかりなのを気にしてカレイの煮つけを作り、魚が嫌いだったみくは、そんな李衣菜に大粒ミントを差し入れる。

[カレイの煮つけを作った李衣菜と、匂いに目を輝かせるみく]

この2人の「優しさ」が現れる背景には、2人の育った環境(=親の存在)があるだろう。李衣菜は、みくの1人部屋を訪れた時、「へぇ~意外とロックかも」と言っていた。しかし、みくの部屋は猫グッズだらけなので、このセリフは内装や小物のことではなさそうだ。

[みくの部屋に初めて入った時の李衣菜]

よくよく考えてみると、李衣菜の荷物を運んできたのは、おそらく両親に違いない。李衣菜の「意外とロックかも」には、「親元を離れての暮らし」というニュアンスがあったのだと思う。李衣菜の「スーパーのお惣菜ばかりじゃな~と思って」という発想もどことなく、家庭の温かさを感じさせるエピソードだ。

[みくのためにカレイの煮つけを作ったという李衣菜と、大粒ミントを差し出すみく]

その後の、夜中に李衣菜がみくを起こさないようにバスルームで母親の電話に応じるシーンも良いシーンだ。ここでみくは、その様子を察して、自分も家族のことを思い出している。考えてみると、みくもまた、莉嘉やみりあ、李衣菜に対する接し方が、家庭的で優しいところがある。それはきっと、みくがそういう家庭で育てられたからだろう。


[電話の相手が母親だと知るみくと、家族の写真]

だから、みくと李衣菜の共通点は「優しさ」だ。終盤でみくが「もし、ユニットが駄目なら、李衣菜ちゃんに先にデビューして欲しい」と言ったのも、李衣菜のそういう部分に自分の境遇を重ねていたからかもしれない。

だが、その「優しさ」だけで納得できないのが、前川みくというアイドルでもある。それがもうひとつの重要なポイント「プロ意識」につながる。(おそらくみくの両親は、みくのことを応援して寮住まいを許してくれているのだろう。だから、みくの優しさと絶対にアイドルになるという「プロ意識」は繋がる部分がある。)

「プロデューサーが組ませてくれた意味、今納得しておきたい」

それは、お互いが感じ取った「優しさ」ではなく、「このユニットがプロ意識に適うものかどうかを確かめたい」という気持ちから発せられた言葉だろう。それは裏を返せば、優しさだけでは、関係を続けられないという意味でもある。突然のイベント参加を提案するみくに対し、李衣菜もこの「ロックな」提案を受け入れる。

[2日後のイベントに急遽参加することを決めるみくと李衣菜]

だから第11話は、中盤の共同生活によって「優しさ」と目標の共有を、サマーフェスへの準備と本番で「プロとしての納得」を手にしていく流れだと言える。サマーフェスに向けて歌詞を考え始めてからのみくと李衣菜は、お互いの根幹にある「優しさ」とは別の「プロ意識」の部分で、お互いに歩み寄ろうとしている。

[頭を突き合わせて歌詞を考えるみくと李衣菜]

サマーフェスを終えた後、李衣菜が「お互いのこだわりを尊重しながらやっていけると思ったので」と言っている点は印象的だ。みくもまた、「ねこみみもロックもどっちも大事にしていくにゃ」とサマーフェスの手ごたえを感じており、2人はようやくユニットとしてデビューする事、「ユニットとしての相性」を実感できるようになる。

[2人が目指すのは、仲良しでは終わらない、プロとしてのアイドル]

ちひろの勘違いから決まったユニット名「*(Asterisk)」(=小さな星)も、ロックとかわいさをうまく融合したいいユニット名だ。これにて李衣菜とみくは無事デビューとなる。結果的には、冒頭の「ねこみみ!」「ロック!」が実現されたわけだが、2人のユニットを「猫耳ロック」と呼ぶのはちょっとかわいそうだ。第11話は、「猫耳ロック」という仮のユニットから、「*(Asterisk)」という本当のユニットに変わるストーリーと言えるだろう。

[メンバー達も最後に案外いいコンビだと感じ始める]

■補足

①プロデューサーの役割
サマーフェスにおいて、みくと李衣菜がお客さんに猫の掛け声をかけるが、あまり乗ってもらえずプロデューサーの方を見るシーンがあった。そこでプロデューサーは、視線でGOサインを送り、みくたちに自信をつけさせている。第11話には、みくの提案を受け入れ調整を行うなど、各所でこういう敏腕プロデューサー像が描かれる。シンデレラプロジェクトが軌道に乗ってきた証拠だ。

[うろたえず、GOサインを送るプロデューサー]

②シンデレラプロジェクトのユニット名について
噂によると、シンデレラプロジェクトのユニット名は、頭文字を合わせると「Cinderella」になるという。

Ci = CANDY ISLAND
n = new generations
de = 凸レーション
re = ROSENBURG ENGEL
ll = LOVE LAIKA
a = *(Asterisk)

驚きの秘密である。シンデレラプロジェクトの愛され方は尋常ではないようだ。遊戯の奴、そこまで考えて・・・。あと、作画班には確実にミクスキー(みく好き)がいるなという印象。

[そんにゃ秘密があったにゃんて!]

③第11話ラストシーンの背景セリフ
第11話のラストシーンでみくたちが背景でしゃべっているのをよーく聞いてみると、

みく「にゃー!かいさーん!かいさーん!ユニット解散にゃー!」
李衣菜「えー何それー!」
P「解散されますと、CDデビュー・・・」←ここは聞き取りにくい
みく「にゃー!アスタリスク再結成にゃー!」
みく&李衣菜「イェーイ☆」
みく「ロック大好きにゃー!」
李衣菜「ねこみみサイコー!」

と言っているらしい。背景でもしっかり息ぴったりで面白い。

■おまけ、今週の前川さん
前川さんを載せるところがなかったので、ここに置いておきますね!

[そう言えば春香も眼鏡かけてたことあったなあ。かわいいです]

■ストーリー詳細

(撮影スタジオ)

P ニュージェネレーションズが衣装で撮影をしている。
E そこにみくと李衣菜もいるが、「ねこみみ」か「ロック」かで揉めている。

(回想、プロデューサーの部屋)

P みくと李衣菜はプロデューサーから2人でユニットデビューしてもらうと言われる。
E しかし、みくと李衣菜は方向性が違うとお互いを認めようとしない。
L 曲はすでに出来ているようで、それには2人もご満悦。
E ただ、イメージが固まっていないため、歌詞はまだ出来ていない。

(回想終わり)

(飴の宣伝のお仕事)

P みくと李衣菜がミントキャンディの宣伝のお仕事をしている。
E しかし、宣伝の仕方はバラバラ。

(帰りの電車)

E 帰りの電車の中でも意見が合わない。

(会議室と撮影現場)

P みくと李衣菜はユニットでの撮影のため、「仲良し2人組」という感じで衣装を選んでと言われる。
E 衣装は全然合わない。

(シンデレラプロジェクトルーム)

P みんながみくと李衣菜のことを話している。
P 莉嘉がユニットを組ませた理由をプロデューサーに聞いてくると言う。

(プロデューサーの部屋)

L 莉嘉とみりあはプロデューサーがそれぞれのユニットが出演するアイドルフェスの企画を進めていることを知る。

(シンデレラプロジェクトルーム)

L みんなアイドルフェスの話で盛り上がる。
P そこにみくと李衣菜が帰ってくる。

L みくと李衣菜もアイドルフェスに興味津々。
E しかし、やっぱり方向性は合わない。

G ただ、アイドルフェスはユニット単位での参加らしいと聞き、みくと李衣菜はちょっとそれを意識し始める。

(お仕事、レッスン、オーディション)

E しかし、やっぱりあんまり方向性は合わない。

(プロデューサーの部屋)

E みくと李衣菜は、ソロでデビューさせて欲しいとプロデューサーに頼む。
G しかし、プロデューサーは「相性の良いユニットだと思います」と真剣な様子。

E 仕方なくプロデューサーは、「ソロデビューについても健闘するが、その場合はどちらかのデビューが後回しになる」と説明する。

G みくと李衣菜は「フェスに出られないかもしれない」と焦って、ユニットも悪くない、コミュニケーション不足などと心にも無い事を言う。
G そうすると、莉嘉たちがやってきて「一緒に住んでみる」という話になってしまう。

(女子寮)

P 李衣菜が荷物を持って寮にやってくる。
P みくは荷物の多さにびっくりする。

(みくの部屋)

G 李衣菜は親元を離れた一人部屋にちょっとロックを感じる。
G みくと李衣菜は何やかんや言いながら1週間の共同生活を始める。

(翌朝)

P 翌朝、みくが李衣菜を起こして食堂で朝食を食べる。
G みくが目玉焼きにソースをかけて、李衣菜が「醤油でしょ!」と言う。

(レッスンの帰り道)

P(E)みくと李衣菜の寮への帰り道、みくがスーパーでお惣菜を買い込む。
G 30品目を心がけているというみくに李衣菜は感心する。

(寮のお風呂)

P 2人はお風呂に入る。

(廊下)

P 廊下で紗枝と美穂に出会う。
G 驚く李衣菜に、みくは「ミーハーにゃ」と言って余裕をかます。

(オーディション)

E 李衣菜は結構緊張している。
G みくは李衣菜を励ます。

(寮)

GL 先に帰った李衣菜はみくのためにカレイの煮つけを作っている。

EF みくは魚が苦手で、どうせならお肉が良かったとワーワー言う。

GL みくが「さっきはごめん」とミントの飴を差し出す。
GL ところが李衣菜はミントが苦手らしくまたワーワー騒ぐ。

(レッスンルーム前)

P またみくと李衣菜が揉めている。
P 周囲はあまり変わっていないのではないかと心配する。

(寮、夜)

P 夜、みくは小さな声に目を覚ます。
LG 李衣菜がバスルームで母親からの電話に応えている。
L みくも家族のことを思い出す。

(シンデレラプロジェクトルーム)

P プロデューサーの部屋から、2日後のイベントのために歌えるアイドルがいないかというプロモーターの話が聞こえてくる。
GL みくはプロデューサーにそのイベントをやらせて欲しいと頼む。

GL みくはここでユニットとしてまとまりたい。それが出来なかったなら、デビューを李衣菜に譲ると言う。

EG まだみくたちの曲には歌詞が無かったが、李衣菜は私も気持ちは一緒だから、2日後までに考えようという。

L プロデューサーは2人が本気であることを受け止め、イベント企画を進める。

(寮、みくの部屋)

G みくと李衣菜は2人で歌詞を考える。

(回想)

G 2人で歌詞を考える。
P 同じ寮の蘭子とアーニャがタイヤキを差し入れる。

(回想終わり)

(サマーステージ)

G みくと李衣菜は緊張しながらも、気合が入っている。

L みくと李衣菜が「にゃー」とお客さんに掛け声をかける。 

FE しかし、掛け声の返りはいまいち。
G うろたえるみくと李衣菜にプロデューサーは目線でエールを送る。

GL みくと李衣菜はさらに気合を入れて、お客さんも次第に乗り始める。

(挿入歌:『ØωØver!!』)

(プロデューサーの部屋)

G みくと李衣菜はすっかり馴染んだようだ。
P ユニット名がまだ決まっていなかったが、ちひろの指摘から仮の印だった「*(Asterisk)」に決定する。

P 衣装イメージも上がってくる。
L ねこみみが入った衣装に、李衣菜が予想外にもロックと言いはじめて、またワーワーなる。

P きらりが「仲良しだにぃ☆」と言って〆る。

(つづく)

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コメント

ginji (著者)
No.2 (2015/04/02 15:38)
>>1
コメントありがとうございm@す。
Pとしては「ちゃんとアイドルの話を聞く」というのを意識している気がします。結果的に、Pの言う「相性が良い」は正しかったわけですが、それを押し付けてはいけないと思ったのかもしません。「相性が良い」理由は、反応がそっくりな点や、どちらも引けをとらない点などでしょうか。
takuji
No.3 (2015/04/09 03:24)
お疲れ様です。いつも楽しませて頂いております。
Pがふたりの相性の良さを見いだすシーンはありませんが、内容から類推するに、みくの主張(ネコミミアイドル)にりーなは呑み込まれない、ところにありそうですね。
ginji (著者)
No.4 (2015/04/10 11:18)
>>3
コメントありがとうございます!
2人とも折れない所がよいですよね。でも根っこの部分は近くて、だから歩み寄れる。深読みするなら、Pはそれぞれのご両親に会われているのかもしれません。
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