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【ストーリー解析】ALDNOAH.ZERO 第23話「祈りの空-The Unvanquished-」

2015/03/27 07:24 投稿

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  • アニメ
  • 2015年冬アニメ

ALDNOAH.ZERO第23話「祈りの空-The Unvanquished-」のストーリー解析を行う。→前回 →次回
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■評価
★★★ スタンダード


[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1426839503

■総評
第23話は、アセイラムの決意と和平への願い。地球連合軍と火星の軌道騎士たちの戦いは最終決戦へと向かい、それを止めるべくアセイラムが動く。人間関係を総ざらいするような内容で、各話との整合性も高い。嵐の前の静けさのようでもあり、最終決戦に向けたプロローグといった印象。

■基本情報
原作 - Olympus Knights(アニメオリジナル)
監督 - あおきえい
ストーリー原案 - 虚淵玄(ニトロプラス)
シリーズ構成 - 高山カツヒコ
脚本 - 高山カツヒコ
アニメーション制作 - A-1 Pictures、TROYCA
→Wikipedia

■登場人物
[地球側陣営]
  界塚 伊奈帆(かいづか いなほ) - 花江夏樹
  網文 韻子(あみふみ いんこ) - 小松未可子
  カーム・クラフトマン - 村田太志
  ニーナ・クライン - 加隈亜衣
  ライエ・アリアーシュ - 三澤紗千香
  ダルザナ・マグバレッジ - 茅野愛衣
  不見咲 カオル(みずさき かおる) - 嶋村侑
  界塚 ユキ(かいづか ゆき) - 大原さやか
  鞠戸 孝一郎(まりと こういちろう) - 中井和哉
  耶賀頼 蒼真(やがらい そうま) - 鳥海浩輔

[火星側陣営]
  アセイラム・ヴァース・アリューシア - 雨宮天
  レムリナ・ヴァース・エンヴァース - 夏川椎菜
  エデルリッゾ - 水瀬いのり
  スレイン・ザーツバルム・トロイヤード - 小野賢章
  ハークライト - 平川大輔
  バルークルス - 竹内良太
  マズゥールカ - 豊永利行
  クランカイン - 逢坂良太
  レイレガリア・ヴァース・レイヴァース - 菅生隆之

■ドライバー分析
第23話のメインドライバーは、

①アセイラムが月面基地を脱出し、レイレガリアの位を継ぎ和平を呼びかける(G)
②スレインが地球全土への総攻撃を画策する(E)

また、サブドライバーとして

③伊奈帆が救助される(G)
④最終決戦であることの説明(P)
⑤エデルリッゾがスレインは何も変わっていないと訴える(P)
⑥孤立したアセイラムをマズゥールカが援助する(E-G)

などがある。
第23話は、最終決戦へ向けてのプロローグ。ストーリーは、アセイラムの襲位を軸に構成され、最終決戦に向かう地球側、火星側(月面側)、そして皇室としてのアセイラムという三極に別れていく。また、多くの人間関係が描写され、これまでの総括のようなストーリーだ。

メインストーリーとなるアセイラムに関するストーリー追ってみよう。アセイラムに関するストーリーは、

(1)クランカインの手引きによる月面基地からの脱出(P)

(2)スレインからの帰還提案を断る(E-G、F)

(3)マズゥールカの協力を得る(G)

(4)エデルリッゾの話を聞く(G、L)

(5)レイレガリアと会う(G)

(6)襲位と和平の宣言(G)

という流れで進む。最終的にアセイラムは皇女として和平を宣言しており、このことが第23話の最大のドライバーと言える。ただ、そこに至るまでのステップがいくつかあるので見てみよう。

まず、クランカインに助けられ月面基地を脱出した後の通信のシーン。月面基地に戻るようにと促すスレインに対して、アセイラムは戻らないという意志を伝える。ここでアセイラムは、アセイラムの「和平の願い」の原点とも言うべき、人と自然に関する話を持ち出している。

[スレインの元には戻らないというアセイラム]

この記事でも何度か紹介したが、その回想シーンがあるのは第8話「鳥を見た日-Then and Now-」だ(→第8話記事)。元々、火星で育ったアセイラムは鳥を見たことが無く、その日初めて、デューカリオンの甲板から鳥を見た。それは、地球に憧れたアセイラムが、スレインの「努力すれば共存できる」という言葉を信じた結果でもある。

[アセイラムに鳥の話をするスレイン(第8話)]

しかし、アセイラムは第21話でスレインから「一方を侵略するか、滅ぼすしかない」と言われ、スレインが“変わってしまった”事を知る。アセイラムが帰還を断ったのはそのためだ。

実際、今回のシーンでもスレインは、顔を覆いながら部下に「追いついたら拿捕せよ」と命じており、アセイラムの話を真摯に受け止めているとは思えない。そしてクランカインの判断もあり、航宙船はステルス機能によって追跡をまく事になる。

[拿捕を命じるスレインと、それを回避するクランカイン]

ただ、ここで必ずしもアセイラムがスレインを見限ったとは思えない。元々、「人間と自然」という比喩は、「火星と地球」だけでなく、「アセイラムとスレイン」という関係でもあるからだ。そこにアセイラムの悲しみがある。それを諦める事は、和平を諦める事と本質的に変わらない。

一連の流れの中で見ると、エデルリッゾが「スレインは何も変わっていない」と訴えるシーンは、アセイラムにスレインとも「努力すれば共存できる」という可能性を示しているようにみえる。甘いかもしれないが、そう信じることがアセイラムの中で和平の願いと一致する。

[スレインはずっとアセイラムの目覚めを望んでいたと泣くエデルリッゾ]

元々、和平のために地球を訪れたアセイラムを待ち受けていたのは暗殺と戦乱だった。しかし、アセイラムはそこで伊奈帆たちに出会い守られてきた。今あるマズゥールカの援助も、暗殺から救ってくれたデューカリオン部隊の働きも、クランカインの助力も、アセイラムにとっては「共存の象徴」と言えるだろう。(クルーテオの忠義が、ようやくアセイラムにたどり着いた点も面白い。)

[決意を固めるアセイラムと、協力するクランカイン]

決意を固めたアセイラムはレイレガリアに会い、その容態の悪さを知ると共に、アルドノアの力を導く使命を得ることになる。レイレガリアは、アセイラムに「アルドノアは人を幸せにする夢の技術」、「道を誤ることなく、大切に育てよ」、「人々を幸福に導く良い姫になれ」と語り、目を閉じる。

[アルドノアの導く未来を疑わないレイレガリア]

そして、最終的にアセイラムは、全宙域に向けて皇室の代表として和平を宣言する。(レイレガリアからの襲位は必ずしも様式に則ったものではないが、レイレガリアの容態や、血筋の正当性から言えば反対する者はいないだろう。)

[放送に驚く地球の軌道騎士たち]

これがアセイラムに関する一連の流れだ。ただし、アセイラムの和平の宣言は即戦争を中断させるほどのインパクトはないだろう。アセイラムの宣言は、皇帝派とその予備軍には効果的だが、スレイン率いる新帝国派がこの宣言を受け入れない限り、戦争は終わらない。

レイレガリアはアセイラムに「アルドノアの力を大切に育てよ」と言う。もし、地球と火星の和平が達成され、アセイラムがアルドノアの平和利用を進めるなら、それは「アルドノアによる幸福な世界の幕開け(=アルドノア・ゼロ)」と言えるだろう。

[ヴァースとアルドノアの未来を担うアセイラム]

しかし、アルドノアという超科学のせいで、火星は帝国を築き、資源を憂いて地球に攻め込んだとも言える。もし、戦乱の原因がアルドノアという力にあるのなら、アルドノアを消し去る事が真の平和への道筋だ。その場合は、逆にアルドノア・ゼロは「アルドノアの消滅(=アルドノア・ゼロ)」を意味することになる。

前者のアルドノアの力による繁栄は、スレインの新帝国論とも重なる部分があり、必ずしもアセイラムにとっての目標ではないかもしれない。この「アルドノア・ゼロ」の解釈は、最終話の見どころの1つと言える。

[スレインとアルドノアを巡る結末やいかに]

スレインの1人負けで終わるのか、はたまた特殊な終わり方をするのか、“最終決戦”の決着は見ものである。分割前期のラストを考えると、何が起こっても不思議ではないが……?

■残された伏線

①アセイラムが伊奈帆に頼んだこととは?

②起動因子の細かい発動条件とは?
③トロイヤード博士がザーツバルムを助けた経緯とは?
④戦艦デューカリオンを作ったのは誰?
⑤トロイヤード博士の研究内容とは?
⑥スレインが火星側に助けられた際の事故とは?
⑦ハイパーゲートの暴走はなぜ起こった?

■ストーリー詳細

(月面周辺)

P 戦闘が続いている。

(月面基地、通路)

P 伊奈帆が目を覚ます。

(格納庫)

P クランカインがアセイラムを連れて、輸送船で脱出する。

P スレインが駆けつけるが間に合わない。

(月面基地、端)

P 伊奈帆が、輸送船を確認し韻子に救助を頼む。

(輸送船)

P クランカインはアセイラムにレイレガリアから調査と姫の安否の確認を任されていたと告げる。

P そこにスレインから通信が入る。

P 戻って欲しいというスレインにアセイラムは戻らないという。
E スレインはステイギス隊を差し向けている。
G クランカインは通信を中断する。

P エデルリッゾはアセイラムにマズゥールカに助けを求めてはと提案する。

(宇宙空間)

P 地球連合軍、デューカリオン部隊は撤退する。

(生命維持装置のあった部屋)

P スレインがペンダントを見ている。
P そこにレムリナがやってきて、アセイラムもスレインも可哀相な人だと言う。

(デューカリオン)

P 伊奈帆が寝ている。耶賀頼は、伊奈帆がの脳の一部をアナティカルエンジンに明け渡していると説明する。

(マズゥールカ揚陸城)

P アセイラムは停戦を訴えるべきだという。
P クランカインはただ停戦を訴えるだけでは返って信用を失うと助言する。

P マズゥールカはアセイラムに、姫を助けられて伊奈帆に恩を返せると説明する。|
(デューカリオン)

P マグバレッジがハッキンネンと通信する。

(マズゥールカ揚陸城、ある部屋)

P アセイラムとエデルリッゾはスレインの話をする。
P エデルリッゾはスレインは変わっていないと言う。

G アセイラムは謁見の間を使うといい、クランカインに協力を求める。

(デューカリオン)

P ライエが父の写真を見ている。

P 鞠戸と耶賀頼が次の作戦が終わったら一杯やろうと約束する。

P ブリッジで最終決戦という話題になる。

(月面基地)

E スレインが地球に総攻撃をかけると言う。

(デューカリオン)

L 伊奈帆が目を覚ます。ユキと話す。
L 伊奈帆がユキを説得し、作戦に向かう。

(デューカリオン、格納庫)

P 伊奈帆はカームから換装されたスレイプニールの説明を受ける。
P そこに韻子がやってくる。
L 韻子は伊奈帆を心配して泣く。
L 伊奈帆は韻子とカームにお礼を言う。

G 伊奈帆が出撃に入る。

(謁見の間、レイレガリアの寝室)

G アセイラムはレイレガリアに停戦を訴えて欲しいと頼む。
E しかし、レイレガリアは記憶がやや混濁しており、息子のギルゼリアの仇である地球を憎んでいるようだ。
E レイレガリアはアルドノアは素晴らしいという。
G レイレガリアはアセイラムに良い姫になれと言う。

G アセイラムは決意を固め、クランカインに全ての地位と人脈をゆだねて欲しいという。

(宇宙空間)

E バルークルスやハークライトが地球連合軍を圧倒する。

(月面基地)

E スレインが軌道騎士たちに総攻撃をかけるよう通達する。

G そこにアセイラムが通信をジャックし割り込む。
G アセイラムは全兵士に対し、レイレガリアの跡を継ぎ女王になること、クランカインを夫に迎える事、ヴァース帝国の王室として和平を求めることを宣言する。
| 
(つづく)

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