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【ストーリー解析】ALDNOAH.ZERO 第22話「邂逅と訣別-Out of the Past-」

2015/03/20 05:01 投稿

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ALDNOAH.ZERO第22話「邂逅と訣別-Out of the Past-」のストーリー解析を行う。→前回 →次回
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■評価
★★★ スタンダード


[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1426238750

■総評
第22話は、大規模な接続回。地球連合軍の二正面作戦と、アセイラム暗殺作戦が展開され、戦火が一気に拡大する。姫たちやアサルト部隊の動きなど、若干ツッコミどころもあるが、伊奈帆、アセイラム、スレインといった主人公たちが中心のスタンダードな内容。終盤戦に向け、大きな弾みをつけた。

■基本情報
原作 - Olympus Knights(アニメオリジナル)
監督 - あおきえい
ストーリー原案 - 虚淵玄(ニトロプラス)
シリーズ構成 - 高山カツヒコ
脚本 - 大西信介
アニメーション制作 - A-1 Pictures、TROYCA
→Wikipedia

■登場人物
[地球側陣営]
  界塚 伊奈帆(かいづか いなほ) - 花江夏樹
  網文 韻子(あみふみ いんこ) - 小松未可子
  ライエ・アリアーシュ - 三澤紗千香
  ダルザナ・マグバレッジ - 茅野愛衣
  不見咲 カオル(みずさき かおる) - 嶋村侑
  界塚 ユキ(かいづか ゆき) - 大原さやか
  鞠戸 孝一郎(まりと こういちろう) - 中井和哉

[火星側陣営]
  アセイラム・ヴァース・アリューシア - 雨宮天
  レムリナ・ヴァース・エンヴァース - 夏川椎菜
  エデルリッゾ - 水瀬いのり
  スレイン・ザーツバルム・トロイヤード - 小野賢章
  ハークライト - 平川大輔
  バルークルス - 竹内良太
  クランカイン - 逢坂良太

■ドライバー分析
第22話のメインドライバーは次の通り。

①地球連合軍が月面基地および揚陸城を攻撃し、さらにアセイラム暗殺部隊を送る(E)
②アセイラムを助けに向かった伊奈帆とスレインが出会う(E-G)
③伊奈帆がアセイラムを助ける(G)
④アセイラムが伊奈帆の気持ちを知り、それに応える(L-L)

また、サブドライバーとして、

⑤クランカインがアセイラムを助ける(E-G)
⑥バルークルスやハークライトが地球連合軍と戦う(E)
⑦ユキや韻子が伊奈帆を月面に送る(E-G、L)
⑧レムリナがアセイラムと別離する(P、G、L)

などがある。
第22話は、大規模な接続回。登場人物の入れ替わりが激しく場面転換が多い。ストーリー上決着している点は少なく、終盤戦の前半という感じ。アセイラムに危機が迫るというのが、一応ストーリーの中心だが、この先の展開は読みにくい。

今回は、ストーリーの各要素ごとに、ストーリーを振り返ってみよう。

1.アセイラム暗殺という計画

第22話のストーリーの大枠を作っているのは、地球連合軍による月面基地及び揚陸城への同時攻撃、アセイラム暗殺部隊の投入だ。今までにも地球連合軍側から攻撃を仕掛けた例はあったが、今回の作戦はアセイラムの暗殺が絡んでいるという点が異なる。

[地球連合軍、マリネロス基地]

今まで伊奈帆たちは地球連合軍と行動を共にしてきた。しかし、伊奈帆たちはアセイラムの暗殺を受け入れることはできない。そのため、地球連合軍(の暗殺部隊)は、ストーリー上は伊奈帆たちにとって敵ということになる。(作戦の指揮をとるのが、嫌われそうなハッキネン中将というのがいかにもという感じだ。)

[秘密裏にアセイラム暗殺へ向かうアサルト部隊]

ただ、一方でカタフラクト部隊については通常通り作戦に参加しており、表舞台ではまだ乖離はみられない。表舞台では、バルークルスやハークライトなどの明確な敵がおり、デューカリオン部隊も地球連合軍の一部として戦闘に参加している。

[火星側の応援に駆けつけたバルークルスと専用カタフラクト]

2.アセイラムの処遇とクランカインの役割

ストーリーのポイントになるのは、今後のアセイラムの処遇だ。クランカインのような「皇帝派」、「親アセイラム派」であるデューカリオン部隊、暗殺を狙う地球連合本部、スレイン率いる「新帝国派」など、アセイラムを巡る対立は深い。

[ザーツバルムの弔問のために訪れたというクランカイン]

第22話のラストシーンでは、クランカインがアセイラムを助け、アセイラムは「皇帝派」に身柄を託されそうな雰囲気だ。だが、皇帝派はレイレガリアの病の問題を抱えており、中長期的には体制が安定しているとはいい難い。

[アセイラムを助けたクランカイン。結果的に韻子との接触を阻止した]

戦争を止めるタイミングとしては、月面基地が地球連合に制圧され、スレインが戦死、アセイラムは本星に戻り、降伏または停戦を訴えるという筋書きは考えられる。ただ、クランカインがこのまま連れ帰るには、タイムラグがあるため、すぐにというわけにはいかないだろう。

アセイラムは戦争を止めることのできる数少ない人物であり、もしアセイラムが失われるような事があれば、地球の火星侵攻によって戦争は終わりを迎えるかもしれない。

3.残されたスレインとレムリナ

さて、もう少し目を中心人物に向けていこう。ストーリーの中盤、アサルト兵に襲われたアセイラムは、例のペンダントを落とし、それが終盤でスレインの手に戻る。このペンダントの返還は、スレインの片思いの終わりを告げているようにみえる。(逆に、アセイラムは伊奈帆にネックレスを渡しており、ペンダントを落としたのは意図的ではないしろ、象徴的だ。)

[スレインの元に戻るペンダント]

また、スレインは伊奈帆に対し「敵でしかなければ憎む必要は無かった」と半ば敗北宣言をしており、アセイラムの心が伊奈帆に傾いていることを認めている。(ここでの会話は、伊奈帆とスレインが共闘した第7話と似ている。)結果的にスレインに残されるのは、月面基地と配下たちという武力だけだ。

[格納庫で邂逅する伊奈帆とスレイン]

だが、そんなスレインにも救いはある。それがレムリナの存在だ。アサルト兵に追われた際、レムリナはアセイラムに「私にとってはここが唯一の逃げ場なの」と言いアセイラムと別れる。もしかすると、足手まといになるという考えもあったかもしれないが、大きいのはやはりスレインの存在だろう。第19話でも、レムリナはスレインといる場所が安住の地だと言っていた。

[アセイラムと別れ、月面基地に残るレムリナ]

レムリナにとって、月面基地はスレインと「新帝国」という夢を見た場所。レムリナにとって重要なのは、生き延びることよりも純愛を貫く事だ。たとえ夢が叶わなくても、愛する人と共にありたい。それがスレインの胸に届くかは分からないが、レムリナの意志はスレインへの救いなりうるものだ。スレインは「目的の傍らにアセイラムがいるだけ」と言っていたが、傍らにいたのは常にレムリナだった。スレインの行動次第では、まだ救われる結末もありえるかもしれない。
[自身をスレインのものだと言うレムリナ(第19話)]

4.伊奈帆とアセイラム

では、最後に最も重要な2人について。ストーリーの終盤、アセイラムを救出すべく月面基地に潜入した伊奈帆は、なんとかアセイラムと出会う事に成功する。ところが、予てから負荷がかかってきた左目のために、その場で意識を失ってしまう。

[アセイラムに出会った後、気を失った伊奈帆]

しかし、すぐに左目の機能が意識を代替し、それにより一風変わった告白劇が展開されることとなる。この展開は、ストーリー中盤でのアセイラムとレムリナの会話と繋がっている。レムリナはアセイラムに「あなたは誰を想っているの」と問いかけられ、答える事が出来なかった。その続きだ。

左目は、伊奈帆が「アセイラムを自己の一部と誤認している」と主張する。それは素直に取れば、まさしく伊奈帆の愛情を示すものだろう。もし、仮に左目のAIが恋をしないなら、非常に的確な分析と表現だ。(伊奈帆も相当な朴念仁なので、これは実に伊奈帆らしい。)

[伊奈帆の行動原理を説明する左目]

それに対し、アセイラムも「私もあなたを自分の一部のように想っています」と答え、お互いに告白を交わす。伊奈帆がアセイラムを助けるのは、何回目か分からないほど多い。その献身的な行動が、アセイラムの心にも届いたのだろう。また、頼れるもののない、このような場面ということもある。この時点で、スレインとの決着は完全についた。

[伊奈帆の手を取り、“右目”に話しかけるアセイラム]

その後、アセイラムは伊奈帆に「もう1つお願いがある」と言い場面はスレインへと切り替わる。シーンの切り替えから考えると、これは「スレインを止めて欲しい」というようなことだろう。

アセイラムはレムリナのように、誰か一人を愛するというよりは、みんなの幸せを願うタイプだ。アセイラムの願いは地球と火星の和平であり、それは今も変わらない。スレインも昔はその一人だったが、今は違う。それをアセイラムは、自身の力が及ばなかったせいだと考えているのかもしれない。

レムリナはそれを「傲慢」と言うだろう。しかし、それはアセイラムの少ない「強さ」でもある。力で突き進むスレインを止めるのは、伊奈帆のような力が必要だ。ここに三者の関係は収まりそうだ。

[スレインもまた、アセイラムのために尽力した男だった]

このように見てくると、大きく広げられた各ストーリーは、落ち着くところへ向かいつつあるようにも見える。これからのストーリーの焦点は、スレインの最期と、戦争の終わり方といった所だろうか。是非とも、うまく終わらせて頂きたい。

■残された伏線

①起動因子の細かい発動条件とは?
②トロイヤード博士がザーツバルムを助けた経緯とは?
③戦艦デューカリオンを作ったのは誰?
④トロイヤード博士の研究内容とは?
⑤スレインが火星側に助けられた際の事故とは?
⑥ハイパーゲートの暴走はなぜ起こった?

■おまけ、今週のバルークルスちゃん
超電磁ボビンにチョー巻かれた分子サイズの超超超超超超高張力ワイヤー!バァーン!

[え、それ何てコンバトラーV?]

■ストーリー詳細

(月面基地)

P クランカインが月面基地に到着する。
P スレインはクランカインを陣営に引き入れたいと考えているようだ。

(地球)

P デューカリオンが宇宙、パルナソス基地に向かう。

(パルナソス基地)

P パルナソス基地で月面基地および揚陸城への同時攻撃作戦が伝えられる。

(レムリナの部屋)

P アセイラムとレムリナが想い人の話をする。
P 帝国と臣民が大事だと教えられたというアセイラムに、レムリナは「かわいそうな人」と言う。

(デューカリオン)

P デューカリオンの船員に作戦が伝えられる。
G 伊奈帆がマグバレッジに話を持ちかける。

(月面基地)

P クランカインとスレインが話をする。
E 皇帝派と新帝国派として、お互い探りを入れる。

E 地球連合軍の動きが察知される。

(デューカリオン)

G カタパルトモジュールを使い、カタフラクトが出撃する。

(月面基地)

E 月面基地からの迎撃が開始される。

(月面付近)

E 地球連合軍部隊がアセイラムの暗殺部隊を秘密裏に送る。
G 伊奈帆と韻子がその動きをマークする。

E 伊奈帆と韻子が敵機に襲われる。
G ユキの援護があり、伊奈帆を月面基地に送り込む。

(月面基地)

E 暗殺部隊が月面基地に潜入する。
G 衛兵がそれを排除し始める。

E バルークルスが応援として駆けつける。

PE 伊奈帆も潜入しているが、目が限界に近づいている。

(宇宙空間)

E バルークルスとハークライトが連携して地球連合軍を攻撃する。

(月面基地)

E 移動中のアセイラムとレムリナが暗殺部隊に遭遇する。
P ペンダントが落ちる。

E スレインが現場に向かう。

P レムリナはアセイラムと行動を別にする。

(月面基地、格納庫)

E スレインと伊奈帆が遭遇する。

G 伊奈帆が脱出する。

E スレインがタルシスに乗り込む。

G 通路で、伊奈帆とアセイラムが出会う。
P 気を失った伊奈帆の代わりに、左目が思考を代替し、行動し始める。
L 左目は伊奈帆がアセイラムを自身の一部と誤認していると伝える。

G 伊奈帆の左目は、脱出経路を指示する。

L アセイラムは左目に、自分も伊奈帆を自分の一部だと思っていると伝えてほしいと頼み、ネックレスを渡す。
P そして、もう1つ頼みごとをする。

(脱出経路)

E アセイラムとエデルリッゾのところに暗殺部隊の一人がやってくる。
G それをクランカインが助ける。

(つづく)

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