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【ストーリー解析】境界の彼方 最終話「灰色の世界」

2013/12/24 05:32 投稿

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境界の彼方最終話「灰色の世界」のストーリー解析を行う。原作未読。境界の彼方これにて完結。
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■評価
★★★ コンプレックス、ストロング


■総評
第12話(最終話)は、“境界の彼方”を巡る問題の解決と、秋人と未来の信頼関係を描く。全体的に説明不足で強引な展開が多いものの、各シーンの強度が高く、エモーショナルラインもはっきりしているためストーリーとしての強度は高い。いくつかの整合性がきちんと取れていれば、もっと完成度は高くなっただろう。何らかの続編を期待させる要素も多く、閉じすぎないように完結したという印象。
最後の終わり方は多少の賛否両論があると思うが、個人的にはハッピーエンドという選択を評価したい。

■基本情報
原作 鳥居なごむ
監督 石立太一
シリーズ構成 花田十輝
脚本 花田十輝
製作 京都アニメーション
->Wikipedia

■登場人物
[主人公たち]
  神原 秋人(かんばら あきひと) - KENN
  栗山 未来(くりやま みらい) - 種田梨沙
  名瀬 美月(なせ みつき) - 茅原実里
  名瀬 博臣(なせ ひろおみ) - 鈴木達央
[伊波家]
  伊波 桜(いなみ さくら)- 豊田萌絵
[名瀬家]
  名瀬 泉(なせ いずみ)- 川澄綾子
[秋人の母]
  神原 弥生(かんばら やよい) - 今野宏美
[鑑定士]
  新堂 彩華(しんどう あやか) - 進藤尚美
  新堂 愛(しんどう あい) - 山岡ゆり
[異界士協会]
  藤真弥勒(ふじま みろく)- 松風雅也

■ドライバー分析
第12話(最終話)のメインドライバーは2つ。

①秋人と未来が協力し、境界の彼方を再び秋人の中に戻す((E-G)×3)
②境界の彼方の空間の消滅と共に未来が消滅するが、その後未来と秋人が再会する(L-F-L-L)

また、サブドライバーとして、

③泉や博臣達が弥勒の行動を阻止する(E-G)
④博臣が泉に代わり名瀬家の統括となる(E-P)

などがある。
メインストーリーは境界の彼方の解決(①)と秋人と未来の恋物語(②)。問題の解決→未来の消失で2つのストーリーは結合している(G-F)。また、共闘自体が2人の信頼関係を促すものでもあり、2つのストーリーは密接に関係しいてうる(G=L)。
若干、ストーリーの展開が優先されすぎて、説明が追いついていない部分があるが、全体としてストーリーの狙いは次のようにまとめられる。

①境界の彼方の問題は、秋人と未来の信頼関係によって解決される(G=L)
②問題の解決は未来との別れを意味する(G-F)
③ストーリーはハッピーエンドで終わる(L)

まず、境界の彼方は何らかの方法で解決されなければならない。そして、そのロジックが秋人と未来の信頼関係である。これは、狙いとして面白いし、問題の解決と恋物語をリンクさせている点もストーリー的にはプラスである。
ただ、その中で、何となく境界の彼方の中心部へ到達してしまったり、全ての妖夢をほぼ2人で倒すといったご都合主義的な展開になってしまったのはまずい。もう少し解決できる必然性があれば尚良かった。

次に、秋人と未来の別れのシーン。これは、作中で最も感動的なクライマックスシーンであり、この展開は外せない。気持ちの通じ合った未来に手が届かないという純粋な悲劇であり、当初からストーリーの狙いにあったと思われる。

最後に、秋人と未来の再会。これは、出来事としては全く要領を得ない。しかし、だからこそ、そこには最後はハッピーエンドでという強い意図が感じられる。ストーリーとしては、モノローグで終わりというバッドエンドも十分に可能だが、どうしてもハッピーエンドで終わらせたかったのだろう。
視聴者的にも、最後に2人に幸せになってほしいという単純な欲求があり、それを満たした点は良かった。
未来と再会できた理由はご自由に想像くださいというのは、若干投げやりな気もするが、ハッピーエンドで終わるという結末が先にあるなら、ありえないやり方とも言えない。

全体としては、若干構成上の問題があるものの、最終話としての強度は十分満たしたのではないかと思う。

[境界の彼方の空間と共に消滅する未来]

■いくつかの疑問点

①未来はなぜ復帰できた?
未来は肉体を失っており、境界の彼方の空間からも消失した。なぜ、未来は肉体を取り戻し、秋人と再会することが出来たのだろうか。ストーリー上の要請と言えばそれまでだが、考えられる理由としては、

1.実は愛や彩華のような人型の妖夢になった。
2.血の一族は、血がバラバラになっても再結集できる。
3.やっちゃんに決まってるでしょ!

などが挙げられる。1は比較的受け入れやすいもので、妖夢が人の想いによって作り出されるものなら、秋人の願いによって未来が復活するのもありかもしれない。秋人は元々半妖だし、結婚したら子供はクォーターになるのか(笑)。

2は、ちょっと変だが時間をかけて再結集した説。秋から冬になっているので、再結集に2ヶ月ぐらいか。科学的である。

3は、何でも知ってるやっちゃんが何とかしてくれた説。弥生は、秋人と未来はただの半妖と異界士ではないと言っており、何か裏があるのかもしれない。弥生は、最終話で逃亡して何もしていないため、裏で何かしたのかもしれない。

[まだまだ“つづく”ぴょん!(真顔)]

②弥勒の狙いは何だった?
弥勒は結局何がしたかったのだろうか。妙に泉に肩入れしているところを見ると、泉に構ってほしかっただけなんてこともありえるのだろうか。平気で世界を崩壊させようとするあたり、頭がおかしいのかもしれない。
最終的に、生死も不明であり、続編があるなら出る気満々といった感じだ。

■残された伏線と補足

いくつかの伏線は回収され、いくつかの伏線は謎のままとなった。それらをまとめてみる。

①なぜ秋人の内部に“境界の彼方”があるのか?
弥生が何かを知っているようだが、詳細は不明である。

②泉が体内に妖夢を宿している件は何?
最終話の構成上、泉が体内に妖夢を宿していて云々のエピソードは全く完結していない。また、泉が名瀬家を去った(?)理由も良く分からない。なぜ、このエピソードが入っているのか良く分からないが、もし続編があるとすれば、そこにつながるのだろう。

[泉が初めて見せた弱みと焦り]

③“境界の彼方”を手にいれるとどうなるのか?
“境界の彼方”は別に、手にいれたらどうにかなるというものでは無かったらしい。今のところ、名瀬家は世界の崩壊を止めるため、弥勒は世界を崩壊させるためそれを狙っていたと解釈される。

④弥勒が回収した“虚ろな影”の使い道とは?
単に武器を強化するのが目的だったようだ。だったら、“虚ろな影”でなくとも良かった気もする。

⑤弥勒の背後には誰がいる?
体内に宿している妖夢と会話していたのだろうか。ぼっち……。

[体内に妖夢を宿した弥勒]

⑥弥勒や異界士協会の狙いは?
異界士協会が黒幕なのかは分からない。今のところ、弥勒の行動は単なる愉快犯か、泉に対する歪んだ愛情表現でしか説明できない。実は何か壮大な計画があるのだろうか。

⑦桜の鈴はただの形見?
ただの形見らしい。ただ、唯が死んだあたりの描写はまだはっきりとされていない。

⑧文芸部にはあと2人幽霊部員がいる?
今のところ特に意味は無い。

⑨文芸部の機関紙“SHIBAHIME”はどう絡んでくる?
絡んでこなかった。続編があるなら描かれるかもしれない。

⑩秋人の抱える過去とは何か?
秋人が博臣を傷つけてしまったということは間接的に説明された。第2話冒頭のフラッシュバックなどは、その件だと思われる。

全体的に、続編を意識させるものが多いようにみえる。映画という手もあるし、何らかの形で補完があると嬉しい。ちなみに原作は、まだ続いているらしい。

■おまけ

今週のベストショットは満面の笑みを浮かべる栗山未来さんです。

[今まで泣き顔が多かったので、最後の笑顔には癒された]

[ふひひ……?]

[そして全裸の愛ちゃん。眉間のしわがたまらない]

■ストーリー詳細

F 未来は秋人が境界の彼方へ来たことに怒る。
L しかし、秋人は未来のいない世界には何の意味もないと未来に語る。

E そこに境界の彼方のうめき声が聞こえてくる。

(部室)

P 泉は弥生に秋人は何なのか問う。
P しかし、弥生はつまらない事を聞くようになったと、それに答えない。

P 弥生は、博臣たちに秋人と未来は特別な存在なので後を頼むと言い残し、部室を去る。
G それを追おうとする泉だったが、博臣は泉に謎のビーム(弥勒)の問題の方が先なのではないかと促す。

(境界の彼方)

P 境界の彼方の中で、大きさに驚く秋人。
P 未来は秋人に何か弱点はないのかと尋ねるが、有効な手は思いつかない。

E 境界の彼方の攻撃で、未来が被弾しそうになる。
G それを秋人が、妖夢化した右手で守る。

G 2人は妖夢化した秋人の能力に掛け、境界の彼方の中心部を目指す。

(丘)

G 弥勒の元に二ノ宮、泉、博臣、美月、桜たちが次々駆けつけ取り囲む。

E しかし、弥勒は結界を作り出し、泉との一騎打ちになる。

(境界の彼方)

G オートバイを見つけた秋人は、未来を乗せて突っ走る。

EG 巨大なクレバスなどを飛び越えながら、2人は境界の彼方の中心部に到着する。

EG 攻撃を受ける2人。しかし、未来はやる気満々のようだ。

G 襲い来る妖夢を蹴散らしながら、未来は境界の彼方に攻撃する。
P 境界の彼方は半崩壊状態になる。

(弥勒の結界の中)

P 弥勒によれば、境界の彼方は未来から開放され妖夢を取り込んで世界を崩壊させるという。

(境界の彼方:深部)

E 秋人と未来は、秋人の記憶の住人たちに取り囲まれる。

(丘)

G 博臣と美月は、弥勒の結界を破壊しようと働きかける。
G 美月に言われ、博臣は結界の中に飛び込む。

(弥勒の結界の中)

E 弥勒は、変態的な言動を交えながら泉を煽る。
P 弥勒によれば、弥勒や泉は体の中に妖夢を飼っているらしい。
E 泉は、それを弟妹には秘密にしているらしい。
E 博臣は、それを聞いてしまう。

G 直後、弥勒は自爆し結界は消滅する。

(境界の彼方:深部)

E 秋人と未来は、さらに多くの怨霊のようなものに取り囲まれる。

G 秋人は未来に目を瞑るように言う。
GL 秋人は、周りの怨霊のようなものは、自分たちの心の弱さだと言い、未来と心を一つにする。

GE 目を開けると怨霊は消え、二人はおびただしい数の妖夢に囲まれている。

G 2人はそれらを全部倒すべく攻撃を開始する。
G そこに、彩華と愛も加勢する。

G その後、2人は妖夢を粗方片付ける。

E しかし、最後に境界の彼方が腕となって秋人を襲う。
G 秋人は、境界の彼方は自分のものだと言い、境界の彼方を体に取り込む。

E 直後、未来は自分の存在が消えかかっていることに気がつく。

L 未来は秋人に、こっちに来て撫でてほしいとお願いする。
L 秋人は、良く分からず未来の頭を撫でる。

L 喜ぶ未来はさらに「ありがとう」と言ってほしいという。
L 秋人はそれに応じる。

EF 未来は泣きながら何度も「嬉しいな」と繰り返す。
F 秋人は、未来が消えかけていることに気がつく。

L 未来は秋人に心からの感謝を告げる。
EF 秋人の想い空しく、未来は消滅する。

P 秋人は消滅した未来の指輪だけを手に、地上へ落下する。

(後日:冬)

P 境界の彼方は秋人の内部に戻り世界には平穏が訪れた。
P 弥勒の行方はしれない。
P 博臣は泉に変わり、名瀬家の統括となった。

P(回想)博臣は泉に、泉と違う道を歩むことを告げる。

P 部室では、相変わらず文芸誌の傑作選の選考が行われていた。

F 変わらぬ日常。秋人は、その中に未来がいないことを悲しむ。

L しかし、下校中のある日、秋人の手の中で指輪が消失する。
L 秋人は急いで屋上に向かう。そこには未来がいる。
L 秋人は、「眼鏡をかけた栗山さんが大好きだ」と勢い未来に告白する。
L 未来は、それに答えて「不愉快です」と笑う。

L 秋人は未来に未来の赤い眼鏡を手渡し、「この眼鏡をかけてほしい」という。
L 未来は眼鏡をかけ、晴れやかに笑う。

(おわり)

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