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【ストーリー解析】境界の彼方 第10話「白の世界」

2013/12/10 02:49 投稿

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境界の彼方第10話「白の世界」のストーリー解析を行う。原作未読。→前回 →次回
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■評価
★★★ テクニカル


■総評
第10話は、夢の世界で想いを伝えようとする未来の願いと別れ、そして“境界の彼方”討伐計画の推移を描く。特に前半は、非常に高度なバランスでストーリーが構成されており、未来の儚い気持ちを効果的に演出している。前半部には「解決後の世界と見せかけて実は夢」という、一種のトリックが使用されており、何度も見返すことで未来のより深い心情が読み取れるようになっている。

また、後半部は今まで蓄積してきた多くの伏線が回収され、過去のストーリーが丁寧に補完されている。これによって第1話から今までのストーリーの見え方が大きく変わるだろう。
このような今までのストーリーに新たな視点を加えるやり方は、話数の少ないストーリーを強化するための有効な手段の1つであり、非常に優れたストーリー構成だと言えるだろう。

■基本情報
原作 鳥居なごむ
監督 石立太一
シリーズ構成 花田十輝
脚本 花田十輝
製作 京都アニメーション
->Wikipedia

■登場人物
[主人公たち]
  神原 秋人(かんばら あきひと) - KENN
  栗山 未来(くりやま みらい) - 種田梨沙
  名瀬 美月(なせ みつき) - 茅原実里
  名瀬 博臣(なせ ひろおみ) - 鈴木達央
[伊波家]
  伊波 桜(いなみ さくら)- 豊田萌絵
[名瀬家]
  名瀬 泉(なせ いずみ)- 川澄綾子
  名瀬家 祖父 - 沢木郁也

■ドライバー分析
第10話のメインドライバーは次の2つ。

①夢の中で未来が秋人のことを想い、別れを告げる(L-F)
②泉と未来の“境界の彼方”討伐計画の回想(P)

またサブドライバーとして

③夏の世界が夢であることの説明(P)
④未来が“境界の彼方”の討伐へ向かう(G)

がある。
第10話のストーリーは、回想→夏→冬→夏→冬→夏→回想→回想→回想→回想→現在という場面転換の多い構成になっているが、大きくわけると前半の「夏と冬の世界」、後半の「回想」に分けられる。
まず、前半の「夏と冬の世界」は、秋人と未来ののほほんとした話から始まるが、いいところで夏は夢という設定(③)が放り込まれ、急転直下、別れを告げる未来というクライマックス(①)へ向かう。
具体的には、一見事件が解決したような雰囲気の中に、

・何故か夏真っ盛り
・何故か悲しげな冬の描写

といった違和感が投げ込まれることにより、単なるいちゃいちゃ話から、タイムリミットの存在や、未来との別れへの接続がされている。
非常にバランス感覚の要求される構成であり、ここまでスムーズにまとめられているのは素晴らしい。
夏と冬を見せられた視聴者は、「現在の時系列はどこなのか?」という疑問を持つはずで、それが未来の説明によるネタバレでうまく解消されている。

一方、後半は、今まで疑問だった泉と未来の関係が一挙に説明される。未来が秋人を狙う理由、秋人を避けていた理由、泉と未来の会話の内容などが説明され、今までのストーリーがより完全なものになっている。
今までの多くの伏線が回収され、いよいよ最終局面という感じである。

[夏の終わりを象徴するひまわりと、幻想的な別れ]

■残された伏線

①“境界の彼方”と未来はどうなる?
今回、未来が血と体を全て使い、境界の彼方と混じりあい、境界の彼方を秋人から分離したことが分かった。現在、未来は境界の彼方の内部にいるようであり、これから境界の彼方を討伐するようだ。この妖夢の内部世界という描写は“虚ろな影”の場合と同じであり、境界の彼方にもやはり「本体」と呼べるものがあるのだろうか?

[境界の彼方の中心へ向かう未来]

②秋人はどうする?
秋人は、境界の彼方を失い、おそらく普通の人間になったと考えられる。ただし、ラストシーンで秋人の目には境界の彼方が見えていたようなので、多少異界士としての能力はあるものと思われる。
ストーリー展開上は、秋人が未来を助けるという展開になりそうなので、秋人は未来を追って境界の彼方に突入するのかもしれない。

[病室から見える境界の彼方]

③名瀬家の狙いとは?
泉の祖父への説明を聞いていると、どうも未来は利用されている節がある。泉は未来に、境界の彼方は恐ろしい妖夢で、放っておくと世界を滅ぼすと説明しているが、それを倒すとどうなるのかは説明していない。名瀬家の狙いは、本当に世界平和なのだろうか?

④異界士協会の弥勒はいつ動く?
今回出てこなかった異界士協会。しかし、泉の発言から、異界士協会の狙いはやはり境界の彼方であることが分かった。だとすれば、当然異界士協会の狙いも世界平和ではないだろう。もし、境界の彼方が単に倒せば終わるような話であれば、名瀬家と異界士協会は協力関係にはなっても敵対関係にはならない。対立しているということは、少なくとも境界の彼方には手にいれた者にもたらされる何かがあるということだ。
ずるがしこい弥勒のことなので、境界の彼方が倒された瞬間を狙ってくるのだろうか。

また、前回から引き続き、次のような伏線が残っている。

⑤なぜ秋人の内部に“境界の彼方”があるのか?
⑥“境界の彼方”を手にいれるとどうなるのか?
⑦弥勒が回収した“虚ろな影”の使い道とは?
⑧弥勒の背後には誰がいる?
⑨弥勒や異界士協会の狙いは?
⑩桜の鈴はただの形見?
⑪文芸部にはあと2人幽霊部員がいる?
⑫文芸部の機関紙“SHIBAHIME”はどう絡んでくる?
⑬秋人の抱える過去とは何か?

などがある。

■おまけ

今週のベストショットはちょっと間抜けなポーズの栗山未来さんです。

[せいやーーーーーー(棒)]

嘘です。今週のベストショットは、とってもキュートな未来ちゃんに決まってんだろ!!!

[ノースリーブ、おでこ、眼鏡、寝ぼけた目。すばらしい破壊力]

[同類発見]

[おっと、美月様に監視されていることを忘れていた]

■ストーリー詳細

(回想)

P 未来に泉から電話がある。泉は伝えたいことがあるという。
P 未来は、電車に乗り泉に会いに行く。

(回想終わり)

(夏)※後に夢の中だと分かる。

G 秋人が病院で目を覚ます。
L そばで寝ていた未来が起きる。

L その後、秋人の家で未来がご飯を作ってくれる。
P あまり美味しそうではない。
E 秋人はずっと看病してくれた未来の気持ちを良く分かってないようだ。

G そこに、桜が現れまだ(未来の気持ちに)気がつかないのかと秋人にせまる。
F 未来はとっさに桜を連れ出して焦る。
F 秋人は結局なんのことやら分からない。

(冬)※後に境界の彼方の中だと分かる。

L 黒い眼鏡をかけた未来は秋人のいる部室に向かう。
F そこに秋人がいるが、反応がない。

(再び夏)

P 未来と秋人は一緒に学校に向かう。
P 部室には誰もいない。そこに桜からメールがくる。

P 桜と美月がプールでのんびりしている。
L 秋人はサングラスをかけた美月に興奮する。
F 未来は、そんな秋人にちょっとむっとする。

L 美月は秋人を心配するのはこりごりだと言う。

(再び冬)

F 虚ろに歩道を歩いていく秋人。
F 未来はそれを必死で止めようとするがどうにもならない。

(夏の夕暮れ)

L 部室で2人きりの未来と秋人。
P 美月と博臣は先に帰ったらしい。

L 秋人は未来を食事に誘う。
F しかし未来は、もう少し早く言ってくれればと残念がる。

L 未来は秋人に、何で自分に優しくしてくれるのかと聞く。
L 秋人は照れて、自分と似ているからと答える。
F 未来は嫌そうにする。

P その直後、日暮れと共に、窓の外に秋人と未来の戦いの場面が映し出される。

E 未来は秋人に、初めから境界の彼方を目的にしていたこと、秋人を殺すことができず、境界の彼方を血の力を使って秋人から追い出したこと、それによって自分が消滅したことを説明する。
E 秋人は驚く。
E 未来によれば、秋人はまだ目を覚ましておらず、秋人の中に残った未来の血がこの夢を見せているのだという。

L 未来は、秋人がもう目覚めるといい、最後にキスをしようとする。
F しかし、未来は思い切れず、「さよなら」という。
F 秋人はとっさに未来を抱きしめようとするが、未来は光となって消えてしまう。

G 秋人が病院で目を覚ます。季節は秋。

(回想:6ヶ月前)

P 泉の元を訪れた未来は、名瀬家の祖父に紹介される。
E 泉は、未来に秋人(境界の彼方)を討伐してほしいと頼む。

G 未来はそれを実行するが、秋人は不死身でうまくいかない。
L 未来は秋人に優しくされ困惑する。

(回想:5ヶ月前)

E 先の失敗を受け、泉は未来に秋人の表層に境界の彼方が出てきた時を狙えという。
P また、秋人と仲良くならない方が良いともいう。

LGE しかし、未来は秋人に優しくされ、“虚ろな影”討伐の際の決定的なチャンスを逃してしまう。

(回想:4ヶ月前)

E 泉は未来にチャンスを逃したという。

L 灯篭祭りの日。未来は泉に秋人を殺したくないと告げる。

(回想:3ヶ月前)

E 泉は祖父に、凪に合わせて秋人に凍結界を仕掛け、弱った境界の彼方表層に引きずり出し、そこを未来に犠牲になってもらい討伐するという計画を話す。

G その後、泉は未来に、秋人を殺さずに境界の彼方を倒す方法がある(ただし、未来は境界の彼方に取り込まれる)と告げる。
G 未来はその計画に乗る。

(現在)

G 未来は境界の彼方の中心へ向かう。

F 秋人は病室で境界の彼方を眺めながら、未来のことを考える。

(つづく)

次回に続く

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