凪のあすから第1話「海と大地のまんなかに」のストーリー解析を行う。漫画未読。→次回
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■評価
★★★ テクニカル
[ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1380865505
■総評
第1話の見所は、光、まなか、紡の間の鮮やかな恋愛模様。惹かれ合うまなかと紡、そしてそのことに動揺する光。海の世界と陸の世界というファンタジックな設定をいかしつつ、三者のストーリーが絶妙に交差する。少女漫画のような繊細な心理描写がすばらしい。
■基本情報
原作 Project-118
監督 篠原俊哉
シリーズ構成 岡田麿里
脚本 岡田麿里
アニメーション制作 P.A.WORKS
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%AA%E3%81%AE%E3%81%82%E3%81%99%E3%81%8B%E3%82%89
■登場人物
[海の住人]
先島 光(さきしま ひかり) - 花江夏樹
向井戸 まなか(むかいど まなか) - 花澤香菜
比良平 ちさき(ひらだいら ちさき) - 茅野愛衣
伊佐木 要(いさき かなめ) - 逢坂良太
先島あかり - 名塚佳織
[海の神様?]
うろこ様 - 島海浩輔
[陸の住人]
木原 紡(きはら つむぐ) - 石川界人
■ドライバー分析
第1話のドライバーは次の2つ。
①まなかが紡に恋をする(L-F-E-G-F-L)。
②それに対する光の動揺(L-F-L-F)
基本構図は、まなか⇔紡の関係とそれに動揺する光という構図である。まなか⇔紡の運命的な恋と、横恋慕する光という二重の恋が立体的なストーリーを作り出している。また、それらを陸と海の確執や、うろこ様の呪い、エナなどのモチーフの中に埋め込むことで、意味の多重性を高めている。
具体的なエピソードとしては、
①まなかと紡が運命的な出会いをする(L)
②嫉妬する光とまなかは学校のことでけんかになってしまうが仲直りする(L-F-L)
③うろこ様に呪いをかけられる(E)
④山で気絶してしまったまなかを紡が助ける(E-G)
などがある。
■残された伏線
①光はいつ自分の気持ちを認めるのか?
光はまなかのことを「自分がいないと何もできないから面倒を見てやっている」ぐらいに思っている。しかし、実際の行動には、まなかを失うことへの怖れだったり、嫉妬だったり、動揺がみてとれる。おそらく、光はそれを認めたくないのだろう。
しかし、まなかと紡が接近していけばいくほど、光は自分の気持ちに正直にならざるをえなくなっていくだろう。
②まなかはいつ光の気持ちに気がつくのか?
光→まなか⇔紡の関係を三角関係と見るなら、そこには重要な点が不足している。それは、まなかが光のことを恋愛対象と認識するという点である。もし、それが無ければ光はただのお邪魔虫になってしまう。この点を補うには、「光のまなかへの告白」あるいは「まなかが光のことを好きだと気がつく」というプロセスが必要だ。その有無も今後の注目点だろう。
③海の人間が陸の人間になることは可能なのか?
もし、紡とまなかが恋仲になったとしても、いっしょには暮らせない?何か秘密があるかもしれない。
④あかりの店にガム文字を書いていった女の子たちは何か?
今後展開がありそうである。
⑤ちさきと要はストーリーに絡んでこないのか?
ちさきは光のことが好きらしいし、要もいる以上何か役割があるかもしれない。ありがちはのは、ちさきが光にふられて要とくっつくとかだろうか。
⑥ひざの魚は呪い
まだ解決していない。もし、次回なくなっていれば、恥ずかしがるというエピソードの一部だったのだろう。
⑦御船引きの儀式
今後、行われる可能性がある。
■大胆な仮説
仮説A:最後は光とまなかがくっつく?
この作品はどうしてヒロインが、どこの馬の骨とも分からん男に恋をするという内容からスタートするのだろうか?そして、なぜそれを主人公である光の視点から描くのだろうか?その答えは単純である。それは光に対する揺さぶりなのである。光が自分の気持ちに素直になり、それにまなかが気がつき、運命が二人の味方をする。そういうラストを予想する。もし、単にまなかと紡がいい中になるんだとしたら壁ドンものである。
仮説B:実は光と紡の友情話?
もし、この作品が誰かと誰かが付き合うという展開まで行かないのだとしたら、残るのは光と紡の友情物語である。光にとって紡は恋敵だが、紡は悪い奴じゃない。また、海と陸との確執という大きな複線もある。この2人は案外殴り合えば友情が芽生えるタイプのようにも見える。道のりが単純でないだけに、実現の可能性はある気がする。
■ストーリー詳細
L 先島光は海村に住む少年。光は朝飯を急いで作り終わると、食事もそこそこに幼馴染の向井戸まなかを迎えに行くことにした。光はまなかのことがとても気になるらしい。
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P その後光は、比良平ちさきと佐々木要、そしてにまなかに出会う。
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F 光は、まなかが波中の制服でなく、濱中の制服をきていたので怒る。
P 波中は廃校になったので、新しく陸の上の濱中に通うことになったらしい。
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LE まなかは新しい学校で悪目立ちしたくないが、光のことも嫌いではないので着替えに戻ることに。
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P 着替え終わったまなかが戻ってくるが、他の3人は先に行ってしまったらしい。
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E そこに背後から突然魚網が現れ、まなかは船に引き上げられてしまう。
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L 先に行いったものの、まなかが心配な光は波打ち際でまなかを待っている。
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F(L)そこで光は、引き上げられたまなかと、網を操作していた紡との運命的な出会いを目撃してしまう。
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P 濱中についた4人は紡のいる新しいクラスに配属される。
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E 4人は自己紹介を始めるが、魚くさいとからかわれてしまう。
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G 光はそれに応戦して陸の人間を豚くさいとばかにする。
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F 紡の存在に気がついていた光は、かましてやれとまなかに強要するが、まなかはそれを拒否してけんかになってしまう。
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G 体育の授業中、制服が目立たないように、ちさきがまなかにこっそりジャージを貸してくれる。
L 光とけんかしてしまったことを気にするまなかに、ちさきが謝ってきたら許してあげてとアドバイスする。
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L ふと外を見ると、男子たちがトラックを走っている。まなかは先頭を走る紡に見とれている。
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E 光は紡に負けまいと、紡を追い抜かそうとするが、紡ぐを巻き込んで転倒してしまう。
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P 放課後、1人で下校中だった光は、姉のあかりに店の前で声をかけられる。
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E 2人が話をしていると、小さい女の子たちがガム文字で壁に悪戯書きをする。
P あかりによると、たびたびこういうことがあるらしい。
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P その後、青年会に出た光は、陸の人間がお船引きの儀式をやめようとしていることを知る。光は宮司の息子らしい。光はうろこ様にお伺いを立てるように頼まれる。
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P 神社に向かった光は、鳥居のところで御霊火を貰いにきたまなかに再開する。
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L 光は気まずそうに学校の件を謝る。まなかはうれしそうにそれを許す。
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P 神社の中にはうろこ様がおり、まなかに御霊火をくれる。
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E まなかはお礼の煮物を渡そうと手を突き出すが、うろこ様がセクハラしてくる。まなかは驚いて煮物をうろこ様の顔面に投げつけてしまう。
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E 神社を飛び出していくまなかに、うろこ様が呪うぞ!と叫ぶ。
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G 帰り道で泣きべそをかいていたまなかを光がなぐさめる。
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E 次の日、まなかが待ち合わせ場所に来ないので幼馴染の3人はまなかの家まで迎えに行く。
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E 光が部屋に様子を見に行くと、まなかがひざを抱えている。
P ひざに魚の顔(ぎょめんそう)が出来ており、それを見られるのが嫌で、部屋に閉じこもっているらしい(呪い?)。
L ひざの魚を自分にみせるのは大丈夫と言われて光は喜ぶ。
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G 光は魚が目立たないように、ひざに布を巻いてやる。
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E 魚の件には問題が起きなかったが、放課後、まなかはクラスの女子にエナを見せてほしいとからまれる。
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G ちさきはそれを止めさせようとするがトラブルに。
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P そこに紡が現れる。
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FE 恥ずかしさのあまり逃げ出そうとするまなかだが、机にひざをぶつけてしまい、おならのような魚の鳴き声を皆に聞かれてしまう。
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E 教室を飛び出したまなかは人気の無い山道に逃げ込むが、そこで足を滑らせエナを傷つけてしまう。エナが傷ついてしまったまなかは身動きが出来ない。
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G ちさきから話を聞いた光がまなかを懸命に探すが見つからない。
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F その様子を見ていたちさきは、その気持ちに敵わないなともらす。ちさきは、光のことが好きらしい。
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G 山で倒れているまなかを、たまたま野草を探していた紡が見つけ連れ帰る。
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G 父親からエナの直し方を聞いた紡は、風呂場でまなかを塩水につける。
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P 途中で紡は、まなかのひざの魚に気がつく。
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G 次第にエナが再生され、まなかが意識を取り戻す。
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F まなかは紡にひざの魚を見られたと知ってショックを受ける。
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L しかし、紡はひざの魚やエナがきれいだと逆にまなかを口説く。まなかは恋で胸が苦しくなる。
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P 日も落ちて、光はようやく紡に送られてきたまなかを見つける。
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F 紡につっかかる光だが、まなかが紡にひざの魚を見せていることに衝撃を受ける。
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P 光はまなかと紡がいい感じになっていることを悟る。
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(つづく)
次回に続く
→次回
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