手が黄色くなる電子工作

今度はLED蛍光管を点けてみる

2017/06/05 00:14 投稿

コメント:5

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国内の家電メーカーから発売されている直管LEDランプって、従来からある蛍光管と互換性のなさそうな電極形状を採用してますよね。L型ピンとかGX16t-5とかいわれるやつ。









足が2本出ている方が給電端子で直流電源を接続するのですが、極性はどちらをプラスにしても差し支えないようにつくられています。内部にダイオードブリッジが仕込んであるのだろうくらいに考えておけばよいでしょう。
足が一本だけの方は接地端子で、保安や雑音防止などを気にしなければ開放状態でも問題なく点灯します。
で、この端子を採用しているLEDランプはすべて順方向電流が350mAに統一されていて、ワット数の違いはすなわち順方向電圧の違いであるということになっています。管内には定格順方向電流350mAのパワーLEDがいくつも直列につながったものだけが封入されていると思っておけばよく、制御回路とか電流制限抵抗とかの類は一切入っていません(あるのはダイオードブリッジくらい)。

これがわかると、この手の直管LEDランプを点灯させるのはそう難しくありません。
LEDモジュールと放熱板と透明カバーを用意して工作する手間が省ける分、直管LEDランプを買ってきた方が面倒くさくない場合があるかもしれません。

今回は40W蛍光管と同サイズの19W直管LEDランプを点けてみます。
電源は12V2A程度とします。12Vなら手持ちのACアダプタを使って実験したり車載したり、いろいろ応用が利きますよね。

さて、LEDランプには350mAを定電流供給するとして、電圧はどれくらい必要でしょう。
19Wなので、19W÷0.35Aでだいたい55Vくらい出せなくてはいけません。もう少し余裕をみて60V程度を昇圧目標としますか。
趣味の電子工作で入手容易な昇圧コンバータICだと40Vくらいしか耐圧がないとかスイッチング電流が足りないとかいう制限に引っかかり、ちょうどいい品種がありません。
仕方ないのでNE555と外付けMOSFETでそれっぽいものを仕立てることとします。

まずLTspiceで検討。



・NE555で直接駆動できる程度の発振周波数にする
・CONTROL端子にフィードバックしない状態で電圧超過になる程度のデューティ比にする
・電流連続モードで動作させる方がインダクタは小さくできる
あたりに気を付けて定数を決めていきます。
このとき、下記項目は部品選定時に必要となるのでよく見ておきます。
(1) L1にかかるピーク電流と平均電流
(2) C2、C3の充放電電流(リップルの実効値)

(1)のピーク電流はインダクタの規格における「直流重畳最大電流」、平均電流は「温度上昇最大電流」と対応します。ギリギリで決めると発熱に悩まされるので余裕を持たせた方が宜しいです。インダクタの外形サイズが同じならインダクタンスの小さいものほど電流定格は大きくなりますが、むやみにインダクタンスを小さくするとMOSFETの駆動が難しくなってそっちが発熱する事態に陥るのでバランスが大切。

(2)なんですが、照明用の電源は出力電圧に少々リップルがあっても困りません。しかしながら電解コンデンサには充放電してもよい電流の最大値が決まっているので、結局ある程度の静電容量は必要とされ、またESRも低いことが求められることになります。

これを回路図に起こすとこうなります。


C3は日ケミのKZEやKZHが入手容易。C4はニチコンのCSとしました。
KZEやKZHは25V~50V耐圧の低ESRコンデンサの定番。CSは高リップル対応品種。
C4が意外に悩むところ。結局リップル電流耐量ってのは外形の大きさに支配されるので画期的には小さくならないっていう事実もあるのですが、100V耐圧のコンデンサ自体がパーツショップの店頭にはあまりないんですよね。

L1は3A以上流せるもの。ボントンで売ってたトロイダルコイルが330uHでそこそこ外形も大きかったので使えるだろうと思って買ってきました。秋月には9Aのトロイダルコイルがありましたので、外形の大きささえいとわなければアレでもいいのではないでしょうか。

Q1は100V耐圧でゲート容量がなるべく小さく、かつON抵抗が過大でないものとして選びました。以前D級オーディオアンプを作ろうとしたときに4個欲しくて買い求めたのですが、出荷単位が5個ということで1個余っていたのです。秋月で売られているものならFKI10531が比較的性能的に近いような気がします。

D1は100V耐圧のSBDです。平均電流としては1A品でも耐えそうな気もしなくはないのですが、100V3Aの30GHA10をマルツで買ってきて使っています。

D2とD3は出力開放時に過大な電圧が出ないようにする役割を果たします。
35Vのツェナーダイオードがあったため2個直列にしていますが、70~100Vくらいの品種が手に入ればそれを1個入れればよく、低い電圧のものしかなければ必要なだけ直列にすれば代用になります。





ユニバーサル基板で組んでみました。ちゃんと点灯します。
GX16t-5ソケットの小売りがないところが問題点といえば問題点なのですが、どうせ寿命数年くらいはあるのですから、いっそはんだ付けしてしまってもしばらく困らないのではないかと思います。





コメント

Tmu...
No.3 (2017/09/14 22:46)
お返事ありがとうございます。
明後日の方向に進んでいるわけではなかったようで安心しました。
自己責任は勿論承知しております。
電源装置の出物が入り次第試してみたいと思います。

p.s
GX16t-5はG13互換LEDの選定誤りによる危険性を排除するために作った規格だと存じています。
片側給電でアースは任意接続の場合少しの無知と好奇心があれば所定より低いLEDを接続する事も可能なわけで、規格として何も対策をしていないとは考え難い気がします。
LED側には安全装置や識別装置はついてないとの事ですから電源側に何らかの機構が入っているとすれば少し厄介かもしれません・・・
2sc1000
No.4 (2018/02/26 05:37)
お世話になっております。
他の記事でコメントが書き込めませんでしたので、こちらに書かせてください。

niconico ブロマガの「蛍光灯インバータも自作できるんです」
を拝見しました。
現在10W管のチョークコイルの計算を行いたく資料を探していたのですが、
なかなか無く、貴Webサイトの資料を確認させていただきました。
大変お手数をおかけしますが、以下について教えてください。
LTSpiceでシミュレートされるときに設定された電圧64Vとは、20W蛍光灯の
安定状態(点灯)での電圧なのでしょうか。
また、シミュレートに設定されていました「30Ω」とは、二つのフィラメントの
抵抗値の合計だと思いますが、これは計測値なのでしょうか。
それともメーカー仕様書のデータなのでしょうか。
stm-ore (著者)
No.5 (2018/02/26 23:12)
交流100Vを整流して平滑したものをハーフブリッジでスイッチングしているので、平滑コンデンサの容量が十分にあれば140Vppになるべきところです。LTspuceの電圧源は波高値で指示するので、ac 70と指定するのが本来だと思います。
でも本設計ではわざと平滑コンデンサの容量を不足気味にしているので、その分を差し引いて64Vpeakとしています。

フィラメント抵抗ですが、単純に冷間時実測抵抗値の2~3倍になるであろうと大雑把に見込んでこの値としています。
詳細は失念しましたが、調べた限りでは見当外れでもないようです。
設計においては、共振峰の鋭さには関与しますが共振周波数を左右する要素にはならないので、「点けばよい」という目的を挫く要素になるとは考えず、深く追求しませんでした。

…という雑な答えになってしまいます。すみません。
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