いつかの私から一昨日の私へ

疑問形終止符【劇場版サイコパス】

2015/01/12 23:45 投稿

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 行ってきました~!
 劇場のチョイスを間違ったのか、残念ながら入場特典終わってました。他の会場も早かったのかな。表紙が狡噛さんやギノっちの週に集中するかと思ったのに、一週目すらこの調子ってもっと用意しとこうぜ。

 感想にネタバレが含まれる予感がします。
 見に行く予定の人はご注意下さい。

 正直、どのキャラに肩入れしているかで評価が別れる部分の多いストーリーだなと思った。パンフレット(表紙が鏡面仕上げで指紋がやたらつきます)によると、あくまでも洋画的なテイストを目指したというのはとても良く解る。アクションの醍醐味は凄かった。しかしそういう要素<キャラクターの魅力となると一番楽しめるのは狡噛派と朱派だなあと思う。
 ええ、ポニチカはラストの見せ場まで作画すら微妙なとこが多かったです。
 終わった後に「え、雛、喋った?」という声が上がってたが私もそれを一番最初に口にしました。槙島さんの台詞があった所為で掻き消える程度の存在感だった。パンフのアンケートにも「雛河や須郷の見せ場は二期で」と書かれるくらいの存在感だった。いや、須郷さんは「あれ、執行官4人ってことは新キャラ……なんだ須郷かよ」という意味で存在感はあったけど。
 キャラ萌え族には厳しい作品となります。(狡噛派除く)
 映画の限られた尺に収めるには仕方ないですけどねー。

 物語としてはとても興味深い内容です。
 TVシリーズでは描かれず、外伝のグソン小説版で軽く触れただけの海外の惨状が全面に展開され、SEAUnに輸出されるシビュラシステム(と言ってもあの脳味噌畑がそのまま海を渡った訳ではなく、色相センサーと東京のシビュラへの回線が引かれただけ)とそれによって齎されたシャンバラフロートという限られた浮島の楽園。戦乱が主だって繰り広げられ続け、疲弊し尽くした世界で色相を保てるのはある意味で凄い。運良くフロートの中に迎え入れられても、潜在犯として致死毒を仕込まれた首輪に繋がれ制限され、理不尽に晒されたままの市民が大多数。その代表でもある滞在中の朱の世話役であるヨーも自分の兄の身を案じる健気なうら若き女性なのにあっさり巻き込まれてしまう、これがサイコパスクオリティ(虚淵さんへの熱い風評被害)
民主主義の象徴たるべきシビュラは軍閥上がりの議長ハンという独裁者の為のシステムでしかない。それでもヨー達、力を持たず翻弄されてきた市民からすれば、争いのないシャンバラフロートはまさに楽園であった。

 ちょっと私の理解力が低い所為でパンチが足りないなーと感じたのは、狡噛がそのSEAUn近郊でゲリラとして生きていると判明するきっかけとなった密入国ゲリラの動員理由。あれって結局のところ、自作自演みたいなもの、という解釈でいいのかな。物語上大事な導入を担うけど、そんなに重要性はなかった感がパない。
 ただ一期ラストで狡噛が消えた時に手にしていた「失われた時を求めて」(プルースト)を狡噛からくすねて大事に日本まで持ってきていたというのは、物語の中で提示される『狡噛慎也』がカリスマとなり得るか否かの命題には面白い構図だったと思う。ただの戦闘技術顧問として目の前のできることだけをしている狡噛にテロリストたち皆が思想を重ねて見ようとする。
 Agitatorというのはどの時代でも祀り上げられた生贄だと思うのだ。
 彼は本能でその危険性を嗅ぎ分けて擦り抜けて行く。




お借りしました。

 このAgitatorとしての狡噛の素質というところでずっとこの二曲が思い出された。狡噛さんは違うよね(苦笑)どちらでもない。
 むしろFOLLOWERは霜月うざねるさんに捧げたい。

 ただ本能のまま『悪』と認めた『新体制政府』に抵抗する反政府ゲリラに力を貸しただけ。予想通り彼は歪みなく彼のままだった。
 まあでもギノさんにしてみたら一発殴っても許されるよね。しかも義手じゃない方の腕だし。ここのポニチカだけは異様に美人な作画でした。
 彼らの物語は確かにひとつの結論を見せた。狡噛は槙島にはならない。
 また姿を消した狡噛だが、きっとまた何処か辿り着いた先で生き生きとして『悪』と戦うのだろう。彼の『正義』に対する『悪』と。

 果たしてシャンバラフロートの不正を暴く役割も逐わされて派遣されていた朱のラスボスは独裁者ハン議長。しかしそれは既にシビュラによって置き換えられた端末に過ぎなかった。「アイムニコラスウォン」こと神谷浩史率いる憲兵隊のサイコパス捏造という不正は結果として暴いたところで、まだ彼女はシビュラとの全面戦争に至ることはない。
 シビュラシステム輸送という名の領地の占有化に対しては侵略行為ではないかという疑問を投げかけるものの、シビュラに領地の拡大欲などないのも事実だ。ハン議長、そして幾度か目となるシビュラと対決する朱が答えを出す時は来るのだろうか?
 そんな疑問符で物語は締め括られる。
 物語としては終わりながらも戦いには決着はついていない。
 幾つもの可能性を提示したままエンドロールは無情に流れる。

 一つだけ確信したのは霜月が掲げる『正義』もまたきちんと『正義』だなって。
 いままでうざいうざい言ってごめんね。実際にあんな社会になったら、大多数の人々は霜月と同じ結論に至ると思う。民衆の人間性なんて100年経っても変わらないと思う。 

 見所としてはほとんどのキャストが英語で会話し、それに対してあの戸田奈津子大先生が字幕をつけているところだ。普通の洋画ではちょっとヒヤリングが厳しい私でも日本人英語でなら「お、今の言葉をそういう字幕で表すか」という楽しみ方はできた。確かにアニメで海外が舞台になったら、いくら翻訳機があったとしてもあれだけの英会話量というのはあるべきだし、そういう表現に挑んだのはとても評価できると思う。

 しかしせっかく立体音響的に音声を割り振ったのに劇場の音響システムが悪すぎてとんでもない位置から音が聞こえてきてちょっと気になった。もっと良い劇場で見るべきだったなあやっぱり。客席のど真ん中に設置されたスピーカーから「狡噛」と呼ぶ声がした時には画面上、ドアの向こうからの呼びかけとわかっていても驚きすぎて笑った。
 虐殺器官はもっといい近くのシネコンでもやりますように(T人T) ナムナム

 あと雛ちゃんがもっともっと活躍する今後の展開がありますように。小説でもいいよ!(でも深見のさんの小説はとても読みづらいです、ト書きで地の文作らないでー)

 PS:サイコパス2で朱が煙草アロマセラピーしてたとこで誰かが「どうやって煙草に火をつけてるんだ」(非喫煙者向け注釈:煙草は普通吸いながら火を付けないと火がつかない)とつっこんでたけど、火をつけて一口吸って持ってるだけの狡噛さんの煙草が凄い勢いで灰になったのであの煙草は9割方燃焼剤が成分なのではないかと思った。

PS2:あ、強襲型ドミネーターの出番がありました。やったね、ただの欠陥装備じゃなかったよ!
 パンフに寄ると狡噛よりギノさんのが射撃の絵で前は上という裏設定があったそうな。生かされてよかったね、ギノさんも強襲型たんも。


ここまで読んでくれて本当に有難うございます。

素材はこちらからお借りしました。

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