長友佑都を成功させた言葉②
「上昇思考がとにかく強いということで、僕たちは同種の人間だ」
この言葉は、上昇思考という本田圭佑との共通点について語ったものだ。タイプが違うと思われるかもしれないが、高い目標を持った同士で話があうとのことだ。話しているうちにとんでもなく高い目標になり天井知らずになる。
次の言葉からも妥協せずに高いハードルを越えようとする姿勢がうかがえるだろう。
「自分の可能性に対して自分で線引きをしたくはないですからね」
「あきらめて0にするのか、目指して10パーセントにするのかでは、全く違うと思います」
これらは、ドラッカーの「起業家的なシステムは生き残るためにはもたざるをえない」に通じるものがある。
以下、著作「明日を支配するもの」から抜粋する。
あらゆる組織が四つの起業家的なシステムを必要とする。第一に、資源を費やす価値のなくなった製品、サービス、プロセス、市場、流通チャネルを体系的に廃棄していくことである。第二に、改善を体系的に継続して行っていくことである。第三に、成功したものについて新たな展開を体系的にはかっていくことである。第四に、体系的にイノベーションを行い、最も成功している製品でさえ、自ら陳腐化させていくことである。
これら四つの起業家的なシステムは、もつことが望ましいのではない。今日を生き残るためにもたざるをえないのである。
価値のなくなったものは捨て、価値のあるものは改善し、新たな市場機会を探し、成功したものさえ、自ら陳腐化させていくことが生き残るためには必要だとドラッカーは言っている。古く価値のないものは捨て、常に改善していくことが生き残る術なのだ。天井知らずの目標を掲げ、常に上昇しようとする長友の姿勢とよく似ている。
しかし、長友は高い目標を次々と乗り越えているばかりではない。
「僕はいま、究極のポジティブマンになっていると自負している」と言っている。
数多くの挫折を経験した結果、すべての経験を明日への肥やしにしていくためには、どんな挫折を経験しても決してマイナスと考えない究極のポジティブ思考でいることが大切だと実感したことをあらわしている。
「もうはっきり言ってありますからね。僕の夢は君みたいになることだって」
この言葉は「世界一のサイドバックになる」と公言している長友がハビエル・サネッティに言ったものだ。
上昇思考に究極のポジティブマインドが加わることで、世界一という高すぎる目標を目指すことができるのだろう。そして、夢から現実的な目標に確実に近づくために、前向きな努力を惜しまない長友をあらわすのが以下のドラッカーの言葉だ。
「成功する起業家は女神の口づけを待たない。働く」
以下、著作「イノベーションと起業家精神」から抜粋。
イノベーションのためには、七種類の機会を調べなければならない。最初の四つは、組織内部あるいは産業の内部の機会である。第一が予期せぬこと、すなわち予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事である。第二が現実にあるものと、かくあるべきものとのギャップである。第三がニーズである。第四が産業と市場の構造変化である。残りの三つは、組織や産業の外部の機会である。第五が人口の変化である。第六が認識の変化、すなわちものの見方、感じ方、意味の変化である。第七が発明発見による新知識である。
これら七つのイノベーションの機会は互いに重複する。角度の違う壁に取りつけられた七つの窓に似ている。窓から見える景色は隣の窓とかなり重なる。だが、部屋の中央から見える七つの景色は異なる。
常に進化するのは、イノベーションが必須だ。イノベーションはそう簡単なものではない。組織、業界内部の四つの機会、外部の三つの機会を調べ、自ら行動しなければ成果はつかめないのだ。あらゆる可能性を探り、前進を続ける長友と相通じる言葉だろう。
世界一と言う高すぎる目標を達成するために常に前向きに前進し続ける長友は「起業家的なシステムは生き残るためにはもたざるをえない」「成功する起業家は女神の口づけを待たない。働く」の実践者と言えるだろう。
パート3に続く
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・本田・長友・内田・ヒデ編
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著者プロフィール
1976年神戸市生まれ 明治大学農学部卒業後、2009年にチャンスメディア株式会社設立。
代表取締役社長に就任。
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長友佑都を成功させた言葉② 「あきらめて0にするのか、目指して10パーセントにするのかでは、全く違うと思います」