●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』ROUTE161  417-420頁  ★銃砲刀法にバリバリ引っかかってくるやつ

2020/08/15 22:52 投稿

  • タグ:
  • コスプレ
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  • 創作
  • ライトノベル
ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
【 今までのあらすじ】

コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
リンに誘われ、サバゲ―イベントの昼食作りを手伝うバイトをすることに。
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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                     人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
きっかけにコミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
賢者のルミのコスプレイヤー。   

 イメージイラストは
 ぽよん様提供。     
                              
                     白銀(しろがね)リン
ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

天使のリンをイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

イメージイラストは こんぺいとう 様の
イラスト―メーカーより。




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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   417-420です。

白銀(しろがね)リンと元自衛官の武田とのCQC(近接格闘)模擬戦を
間近で見ていたルミは、驚きも半分、果然の思いも半分であった。

萌っ娘の圧勝じゃん ……
 ナイフを使ったCQC(近接戦闘)って言うから、派手なバトルを期待しちゃったけど、
瞬きしてたら見逃すくらいあっけなかったな。
 …… まあ、よくよく考えたら、いくらレンジャー出身だって、
あの子の異能者レベルのスピードに、ついてこれる人は、そうはいないか ……

お鍋の灰汁取りも忘れ、感心するルミ


勝負に負けた武田は、平然と自分の胸に背を預けて寄りかかっているリン
少し憎らし気に頭から見下ろす。

「また、やられたな。俺の腕を弾いて体ごと飛び込んでくるなんて、
ちょっとでも外したら大怪我してたぞ」

きゃははは!

リンは武田の胸に後頭部をくっつけたまま、顔を上げ反らして高笑いする。
そして、一呼吸おいてから静かに一言。

…… うちが外すとでも?
 その言葉には絶対的な自信と凄みが籠っていた。

でもでも、中尉さん。うちのことを心配してくれてたんですゥね、優し~い
今度は甘い萌えボイスで猫のように頭を摺りつけ、大きな瞳で武田の顔を仰ぎ見る。

いい大人の武田も、美少女のあざとい仕草に情けなく翻弄されてドギマギしている。
照れ隠しなのか、武田は突如、勝者の肩と膝裏に手を伸ばして抱え上げた、
お姫様抱っこの状態で、小さい子をあやす様に振り回す。

 強く握れば折れてしまいそうな華奢な体躯、まだ幼女体でお尻も小さく驚くほど軽い。

 抱き上げられたリンは、わざとらしく「きゃっ」と叫ぶも、
武田の太い首に腕を絡めて振り回されるのを楽しんでいる。

 三十過ぎの男と十二歳の女の子、ふたりの歳の差から親子の戯れのように見える。

うちも中尉さんのこと心配してるですゥよ、ハンデがあってよかったあ~っ

 リンの言葉を耳にしてハッとするルミ彼女の顔から血の気が引いた。

ハンデとは体当たり禁止のルールのことだ。
リンにとって不利な体格差を埋めるためのものだと思われたが、ルミは気づいてしまった。

ハンデはあの子の安全のためにあるんじゃない! 
もし、ハンデがなかったら …… 死闘になりかねない、
あの子が本気を出したら、マジで相手の身がヤバい!
武田さんはそのことに気づいていない ……

ルミがそう思ったのは、今までリンがナイフを持った銀行強盗を退治したり、
大勢の族を相手に乱闘したのを見てきたからだ。
白銀リンは無邪気そうに振る舞いつつも、その言葉に喧嘩猛者の箔を垣間見せてくる。

ルミがそう感じていた時、誰かが呼んでいる声が聞こえてきた。

「武田さ~ん、武田ちゅうい―」
農家の間口から丸川が手を振って武田を呼んでいる、どうやら炊飯の交換時間のようだ。

「おう! 今行く!」

 武田は抱えていたリンをそっと地面に立たせてると。

「それじゃあ、白銀、また後でな」

いってらっしゃいですゥ~
 リンは小さく手を振ってバイバイで見送る。

 武田は脇を締めたランニングスタイルで駆け戻っていく。
自衛隊を辞めても叩きこまれた行動様式は抜けないらしい。

******

 カレーの仕込みは続く、灰汁取りを終えた寸胴に市販のカレールーを砕いて放り込む、
よく混ぜて一煮立ちさせたら、留め具付きの蓋を閉める、パッキンが付いているので
輸送中でも零れない仕組みだ。

ルミちゃん、うちらのお仕事は、お昼の時まで一旦終わりなのですゥ。
 熱々の重たい鍋は、中尉さんらが運んでくれるですゥ。
量が多いから冷めないし、そのままで具にじっくりと味が染み込んでいくですゥよ

ふ~ん、そうなんだあ

フィールドまで、うちらは先に行くですゥよ

あれ? 鍋は置いていくの?

後で炊飯と一緒に取りに戻るそうですゥ

 ふたりは再びピックアップトラックの荷台に乗り込み、農家を出発した。

 国道に出て暫く走り、未舗装の脇道に入った、乾いた野っ原をゴンゴン進んでいくと、
運動会で見るような白い集会用テントが見えてきた。
 そこがサバゲ―イベントの開催本部で、既にたくさんの人が集まっていた。

皆、様々なミリタリックコスだ、この辺鄙な開催地へは車で来たであろうから、
恐らく道中もまんまの恰好だったに違いない。

車はテントの近くで停車した。ルミリンは荷台から降りる。

うわー、すごいいっぱい

 周りは大人だらけに見えた、女性も居たが小中学生は見当たらない、
中学生で、しかもジャージ姿なのはルミだけだった。

 ルミリンは、チームの代表である黒田に連れられ開催本部の天幕の裏に入った。

 中にはパイプ椅子と長テーブルが置かれていて、ここがふたりの待機所になるとのこと。

 ルミ達が椅子に座って一息つく間もなく、ドヤドヤとサバゲ―雑誌の編集者が
カメラマンとモデルガンメーカーの社員を従えてやってきた。

「おはようございます、白銀(しろがね)さん。
早速ですがスポンサー分の撮りをお願いしたいのですが?」

開口一番、アーミーシャツ姿の編集者が撮影の依頼をする。

いいですゥよ。確かニューモデルはステアーAUGでしたっけ?
 編集者の申し出を快諾するリン。事前に撮影内容も知らされているようだった。

 これを聞いて気を良くしたメーカーの社員が揉み手をしながらリンに話しかける。

「そうです、そうです、よくご存じで。
3.4kgとリアルな重量感、弾数も八十発とゲームでの実用性も高い新製品なんですよ」
大きなパッケージを開けてモデルガンを取り出し、そのスペックを喋りながら
マガジンや電源装備を喜々として組み立てていく。

ルミはその様子を見て思った。
まるで小学生が心躍らせてプラモを作るように、この人、楽しそうに仕事をしているなあ

 自慢の新製品を構えるメーカーの社員。
「見てください、トリガーの引き切りが軽いんですよ」
 そのまま商品のプレゼンが始まりそうな勢いだったが、
一眼レフを首からぶら提げたカメラマンが 彼の肩をトントンと叩いてそれを制した。

「メーカーさん、続きは後でお願いしますよ。
外で背景のセッティングをしてますんで、皆
さん、よろしくお願いします」

サバゲ―雑誌の関係者らは、天幕の外へ出ていった。

リンちゃんは、どんな銃を使ってるの?

うちは、トイガンは持ってないですゥよ

ええっ、サバゲ―チームに入ってるのに?

うちはチームのマスコットガールなのですゥ。
それとルミちゃんにも教えておきましょう。
サバゲ―で使うトイガンには、条例という県ごとの法律で
発射する弾の威力が強いモデルは有害玩具として規制がかかるのですゥよ。
今日のイベントで使われるトイガンは、みな十八歳以上でないと使っては
いけないやつなのですゥ

そうか、それでここへ来てる人たちって、大人の人ばっかりだったのか

中学生は買えないし、借りて撃ってもダメなのですゥよ。
だから、うちはゲームには参加出来ないのですゥよ

でも、銃持っての撮影はOKなの?

多分、OKなのですゥ、撃ってないから

多分 …… なの?

グレイゾーンらしいのですゥ

グレイなのかよっ!

あっ忘れてた! それとっ
急にリンルミの首に腕をまわすと強引に引き寄せ、頬どうしをくっ付けた。

 突然のことにルミは驚いた、マシュマロのように軟らかなリンの頬の感触を感じながら、
視線を彼女に向けたが、頬をくっつけた体勢なので、長いまつ毛しか見えない。

 リンは小声で。
いいですかルミちゃん、うちがサバイバルナイフを持ってることは、
他の人には喋っちゃダメですゥよ

えっ、何で?

うちのチームの人には黙認してもらってますけど、他の人には絶対内緒なのですゥ。
うちのナイフは有害玩具どころか、銃砲刀法にバリバリ引っかかってくるやつなので、
持ってるだけでも逮捕されちゃうのですゥ

違法の認識はあったのね。んじゃ、何で持ってくんのよう

御守りですゥ きっぱりと言い放つリン

うそー、御守りでジャガイモ切ってたじゃん

調理器具として使っていい御守りなのですゥ

強引やな

とにかく、内緒ですからね

わ、わかりました 返答を聞いて、リンは首から腕を解いた。

(つづく)
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