●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』ROUTE161 409-412頁   ★サバゲ―の月刊誌に

2020/06/26 22:57 投稿

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  • コスプレ
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  • 創作
  • ライトノベル
ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
【 今までのあらすじ】

コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
リンに誘われ、サバゲ―イベントの昼食作りを手伝うバイトをすることに。
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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                 人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
きっかけにコミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
賢者のルミのコスプレイヤー。   

 イメージイラストは
 はじめとみかん様提供。     
                  
                 
                白銀(しろがね)リン

ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

天使のリンをイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

イメージイラストは 海冥 様作製の3Ðモデルから。


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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   409-412です。

日本で一番大きな湖と言えば琵琶湖、近畿地方の真ん中に位置する滋賀県にある。
滋賀県事体が琵琶湖を囲んでいるのだが、見方を変えれば南北に伸びた大きな湖が
県を縦に割っていて、湖の東側を湖東、西側を湖西と呼んでいる。

夜明け前、暗い空には、まだ星が瞬いている時間、湖西側にある国道を一台の
ピックアップトラックが 京都から北へ向かっていた。

 車の前部には太いパイプのバンパーガードが付いたランドクルーザータイプ、
後ろの荷台はダークグリーンの幌で覆ってあり、
悪路に強い太いタイヤが
アスファルトの路面をゴーゴーとグリップ音を響かせ爆走している。

 トラックが道路の窪みを通過したためか、ガタンと弾むように大きく揺れた。

アウッ

 そのショックでトラックの荷台に居たルミは目が覚めた、正確には眠りから覚めただけで、まだ覚醒しきっていない状態だ。
ルミは中学一年生、ゲームオタクな少女なのでネトゲ―をオールすることはあっても、
トラックの荷台で過ごすなんてことは普通ない。
 古いパソコン並みに目覚めの立ち上がりが遅い彼女は、まだ自分の状況が分からなかった。

 幌で覆われた薄暗いトラックの荷台、道路を照らす照明灯からの間接的な光が、
ぼんやりと辺りを浮かび上がらせていた。

さっきの弾みで鼻の上からズレ落ちたメガネをかけ直す、
次第に寝ぼけていた目の焦点が合ってくる。

 ルミはギョっとした、対面に銃を持った男座っていたからだ。

 迷彩服に身を包み、ゴツいコンバットブーツ、立てた自動小銃を抱きかかえるように
して大きな箱に腰かけている、短髪の若い兵隊だ。

自分はまだ夢を見ているのだろうか? シューティングゲームの残夢?
 ルミの隣からシャコシャコと金属が擦れる音がする、
振り向くとそこには見知った顔がいた。

 白銀(しろがね)リンだ、ゲームのイベント会場で知り合った
コミュ障のルミの数少ない(二名)友達で同い歳の美少女コスプレヤー。

 ゆるふわヘアにベレー帽を被ったリンが、サバイバルナイフを棒状の砥石で
シャコシャコと熱心に研いでいた。

あら、ルミちゃん、起こしちゃったですゥか? 到着まで、もうちょっとかるですゥよ

 ルミの視線に気づいたリンが舌っ足らずなアニメボイスで謝りつつ、
ナイフをかざして研ぎ具合を見ている。
薄暗い車内にナイフの刃先とそれを見る彼女の大きな瞳が白く光って見えた。

 リンは対面の兵隊と同じく迷彩服を着ている、彼女がトレードマークにしているベレー帽もお洒落なペインターベレーではなくエンブレムの入ったアーミーベレーだ。

 ルミはようやく自分がなぜトラックに乗っているのかを思い出した。
そうだった、これからリンちゃんとバイトをしに行くんだった……

 話は一週間前に遡る。白銀リンからアルバイトに誘われたのだ。
オタクなルミの趣味は、何かと物入りである。ゲームソフトであったり、
アニメ雑誌であっ
たり、その手の薄い本だったりと……

一般庶民層の彼女のお小遣いは、やはり一般庶民級なので、それほど多くない。
 まだ中学生なので、バイトは校則で禁止されており、おおっぴらに応募も出来きない。

もとより、コミュ障のルミが、見ず知らずの大人相手に応募する度胸などあるわけがない。
でも お金はほしい。そんな時、リンから。

ルミちゃん、今度の土曜日、イベントの食事作りのお手伝いをやらないですゥか?
 食事作りと言っても、メニューはカレーなので簡単なのですゥ。
玉ねぎとか、じゃがいもの皮を剥いたり、下ごしらえのお手伝いですゥ。
もちろん、うちも一緒ですゥし、アルバイト代として五千円もらえるですゥよ

リンも一緒にやってくれるなら、こんな心強いことはない、ルミは直ぐに承諾した。

白銀リンは、その萌え可愛い容姿から、数々のコスプレコンテストに出まくっている
人気コスプレイヤーである。

と同時にサバイバルゲ―ムチームのマスコットガールもやっていて、サバゲ―の月刊誌に
ミリタリールックで載っているのをルミも見せてもらったことがある。

サバゲ―雑誌と言えども、商業誌にモデルとして紙面を飾ったことをリン
読者モデルだと言い張り、結構自慢げだった。

リン自身は 両親と血が繋がっていない複雑な家庭ではあるが、義父はアメリカで賞を
もらうほどの音楽家で裕福なお嬢様、だからお小遣いに不自由しているわけではない。

今回のアルバイトと言うのは、サバゲ―の合同イベントで振舞う昼食のお手伝い。
セレブ家庭のリンは、バイト代目当てではなくチームのマスコットとしての使命感から、
イベントに参加している。
ただ、今回は合同イベントなので参加人数が多く、助っ人としてルミは声をかけられたのだ。

バイトの内容をあまり深く考えずにOKした、
まあ、大人でも『誰にでも出来る簡単なお仕
事です』の募集文句だけで応募するのだから、
バイト未経験の中学生なら無理もないことだ。

でも、まさか午前三時に出発して、滋賀県の北部まで拉致されるとは思っていなかったよ出発が早いということで、ルミリンの家に前泊までするハメになった。
早めに就寝したのだが、午前二時過ぎには叩き起こされて、夢うつつのままジャージに着替えさせられ、リンに腕を引っ張られながら 迎えに来たピックアップトラックに連れ込まれたことを思い出した。 

 ルミたちを載せたピックアップトラックが国道を離れ、田んぼに挟まれた道を抜けた後、
一軒の大きな農家の敷地に入って停まった。
 トラックがエンジンを切るやいなや、リンは荷台から、外にポンと飛び降りた。

さあさ、ルミちゃん、一旦降りるのですゥよ

 リンに促されて、ルミもトラックの荷台から足場に気を付けながらおずおずと降りた。

 日はまだ昇っていないが、空は白んで明るい。
地面に降りたルミは、体を反らして腰を伸ば
した。大きな農家の邸宅前、未舗装の敷地に
トラや耕運機が停めてあり、隅では茶色い鶏が何かをついばんでいた。

 トラックから一緒に乗って来た若い兵隊も降りて来た。
リンがその男の二の腕を掴んで引っ
張りながら、
ルミちゃん、あらためて紹介するですゥよ。 丸川兵長さんですゥ

「ま、丸川のぼるです! よ、よろしく」

短髪で、ずんぐりとした大柄な容姿に似合わず、丸川は声をうわずらせてルミに挨拶をした。

お、おはようございます、本田ルミです
 ルミも緊張した挨拶を返した。

 トラックの乗車席側からもふたりの大人が降りて来た。
 ひとりは山賊のように髭をたくわえ、リン同じデザインのベレー帽を被り、
サングラスを
かけた初老の男性。

もうひとりは、太い眉に大きな目、顔は浅黒く日焼けしており、腕まくりした腕も逞しい、
ルミの父親よりは若く見え、三十歳くらいと思われた、
モスグリーンのキャップを被っている。 

ルミちゃ~ん、こちらのふたりも紹介するですゥよ。この髭のおじさんが黒田大佐、うちらのチームの代表でお医者さんなのですゥ

 紹介された黒田がルミに近寄り手を差し出し、
「黒田です。今朝早くから申し訳ないね」
 少ししゃがれた声で、握手を求めた。

ど、どうも、今日はよろしくお願いします
 ルミは黒田の手をとり、握手しつつ頭を下げてお辞儀した。

そしてぇ、こっちが武田中尉さんですゥ。
 中尉さんは元自衛官でレンジャー部隊にいたですゥよ

「正確にはレンジャー部隊にいたんじゃなくって、レンジャー訓練課程の履修だ、よろしくな」
 武田は敬礼で挨拶した。

 ルミリンの耳そばで。
みんな軍隊の階級つけてるんだね

うん、うちも一応、看護曹長って肩書なのですゥよ

ふうん、曹長さんかあ……


さあ、ここの農家さんで下ごしらえに取りかかりますですゥよ

ここで?

 リンルミを連れて農家の裏手にまわる。

おはようございますでっすゥ~

 元気いっぱい、手を挙げて、野良着を着た農家のおじいさんに挨拶する。

「おー早いな、頼まれてた芋と人参と玉ねぎは水場に置いといたからな」

ありがとでっすゥ!

 家から少し離れた場所に公園の水飲み場のようなセメント台の水道栓があり、
排水はそのまま傍にある田んぼの用水路に直結してある。
 水場に大きなバケツに入った野菜が六つ置いてあった。まず、水洗いから始める。

 井戸水なのか、水が冷たい、ルミたちはジャガ芋と人参の泥を落とし、
玉ねぎの外皮を剥く。

さあ、次、ルミちゃんはピーラーで皮を剥いてくださいですゥ、
うちはカットをしますから。
 玉ねぎの外皮はまとめて捨てるけど、他の剥いた皮は
こちらにポイしてくれたらいいですゥよ、後で鳥さんたちが食べてくれますから

なるほど、エコだね


(つづく)
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