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●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 365-368頁  ★震える少女の肩をギュッと?

2019/09/22 23:44 投稿

  • タグ:
  • コスプレ
  • 小説
  • 創作
  • ライトノベル
ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。中学生三人組が東京のイベントへ!
【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。
これをきっかけに動画サイトの東京音楽祭に招待されることに!
東京までやってきたのはいいが、泊まる所がない! 
ルミたち中学生三人組は、初めて会った男性のマンションに押しかけた、いかに?

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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                   主人公の本田ル
この春、中学生になったばっかりの女の子。

ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけにコミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
賢者のルミ」のコスプレイヤー。   


イメージイラストは
はじめとみかん様提供。     
                  
         
                     滝沢エリカ
ポニーテールにティアラを着けたエリカ姫
コスプレイヤーで中学三年生。
イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。
リストカットした過去もあるちょっとワケあり
の美少女。
ルミをダンス動画作りに誘う。


                       白銀(しろがね)リン
ルミ
がイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

「天使のリン」をイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

 
イメージイラストはゐてぃ 様提供。

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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   365-368です。

ノーコンP自分の胸に顔を埋めて泣き続けるエリカに戸惑った、
こんな経験は の三十年余の人生では無かったし、
考えてみれば エリカは今日初めて会った子だ。

震える少女の肩をギュッと抱きしめてやってもいいのだろうが、
直ぐ傍では 彼女の連れのルミが メガネの奥から冷たい視線をジッと向けているので
非常に気まずく、馴れ馴れしくセクハラと勘違いされそうな行動は躊躇われた。

エリカの息が服の布地を透して胸に伝わってくる、まるで焼石を当てられたように熱い。
ノーコンPは宙を仰いでエリカの頭を撫でてやることしか出来なかった。

夜の公園、もどかしい時間が経ち、ようやくエリカの胸から顔をあげた。
彼女はその瞳を潤わせながら、上目づかいでノーコンPを見つめる。

本当にもう怒ってな~い?
 喉がかゆくなるような甘ったるい声、聞いていたルミは、心の中で
ゲロゲロ!っと叫んでしまったほどだ。

なぜなら、普段のエリカが絶対やらない、媚売りまくりの猫撫で声だったからだ。

ああ、怒ってない、怒ってないよ
 即答するノーコンPルミは呆れかえる。
ノーコンPのおっさん、あんたの負けだよ

 女狐エリカに いとも簡単に弄ばれている情けない大人ルミは嘲笑した。

ルミたち三人はマンションの部屋へ戻ることになった。
ノーコンPは持ってきた毛布をグルグルと丸めて肩に背負う、ルミらが後に続く。

 ルミエリカに近寄り、耳元にそっと囁く。
エリカさん、迫真の演技でしたね
 その口調は、多少、皮肉が込められていた。

ええ~、何の事かしら?
 しらばっくれる女狐エリカ

彼女がジャージのポケットに突っ込んでいる右手首を ルミは強引に掴んで引き抜いた。
 暴露されたその手には、目薬が握られていた。

 秘密を暴かれても、エリカは平然と答える。
さすがはルミ、気づいていたのね

うん、わかってた。だってさあ、いつものエリカさんとキャラが全然、違ってたじゃん

うふふ、男って本当に女の涙には弱いものなのね。チョロ過ぎ
 シレっと言い放ち、ルミに舌を出すエリカ

このティアラを冠した少女は、中学三年生ながらウソ泣きで三十半ばの大人を
手玉にとってみせたのだ。

 マンションのエンタランスへ入る手前まで来ると、エリカが先を行くノーコンP
体を寄せ、猫がじゃれつくように腕に絡みついた。

 それを見たルミは顔をしかめて。
何だ、何だあ? ノーコンPのおっさんを連れ戻すという目的は、
もうとっくに果たせたはずだぞ。なぜ、そんなに引っ付く必要がある? 
わたしに見せつけたいのか? ギギギ!

ルミの目には、左腕に女子中学生を絡みつかせたノーコンPがデレているように映った。

右肩に丸めた毛布を担いでいるは、エリカに絡められたままの左手で
マンションのオートロックを押しにかかる。

ふたりして腕を伸ばす様は、まるで披露宴のケーキ入刀、初めての協同作業のようで、
快調にピッピッっとロックを解除した。エンタランスの扉が開く。

エリカちゃんたちは、みんなもうシャワー浴びたんだよね

ええ、勝手に使っちゃってゴメンナサイ

いやいや、別にちっとも構やしないんだよ。
 俺が部屋に居たらさあ、君らの方が入るに入れないんじゃないかなあと思ってね
 ノーコンPは頭を掻きながら、気遣う。

 脱衣スペースもほとんどない狭い部屋、ルミたちがバスルームへ出入りしたら、
彼女たちもノーコンPもさぞかし気マズい状況だろう。

 ルミはふと思った、ノーコンPは最初から気を利かせて部屋から出て行ってくれたのかと……考え過ぎかなとも思った。

三人は部屋のドアの前まで戻って来た。
目的通り、ノーコンPを連れ戻せた。

まだ、の腕に絡みついているエリカの態度に、ルミは少々不満が残るも、
留守番のリンが待ちくたびれていやしないかが気になった。

ノーコンPがドアノブを引いた。
するとズゴゴゴゴー、ピーピーピーっと ヘビメタバンド級の

天地をひっくり返したような凄まじい大音量が耳に飛び込んできた。

しまったあああ!
 リンちゃんのハイパーなイビキの事をすっかり忘れていたあああ!
 ルミは頭を抱えて仰け反った。

 白銀リンはその小さな体からは、想像出来ないような大イビキをかくのだ。
しかも、本人には全くその自覚がない。

 見てはいけないものを見た場合、そっと閉じするのが今のトレンドだが、
血相を変えたエリカがドアに体当たりして強引に閉めた。

アハハッ、公園のベンチで寝てこようかな

 再び可愛い子ぶりっ子して見せるエリカの瞳は激しく泳いでいて動揺を隠しきれていない。

 ノーコンPは肩に毛布を担いだまま、呆然としているだけであった。

      *****

誰かが部屋をパタパタと歩きまわる音でルミは目が覚めた。
眠たい目をこすりながら、部屋の天井がいつもと違うことに気がつく。

あ、そうだ、東京に来ているんだっけ。
エリカさんとリンちゃんと三人で、ノーコンPのおっさんのマンションに転がり込んだんだ

毎度ながら、ルミの覚醒は旧式PCの立ち上がり並みに遅い。 

夕べは枕も無しで毛布に包まり、マンションの床に直寝したので体の所々が痛い。
 彼女は辺りを手探りでメガネを探す。

ルミちゃん、いつまで寝てるですゥか! もう起きるですゥよっ

片手にフライパンを持ったリンにどやされる。
ふああ、卵の焼けるいい匂いがする。萌っ娘が朝食を作ってくれてるのかな?

寝ぼけているが嗅覚の目覚めが良いルミ
うちが今朝、コンビニまでダッシュして、パンと卵を買ってきたですゥよ、自腹で!

自腹って、萌っ娘は金持ちの家のくせに、セコいこと言うなあ。
 だいたい、あんたの大イビキのせいで夕べはなかなか眠れなかったんだよ。
 安眠妨害の損害賠償を請求するぞ ……

 ようやく見つけたメガネをかけながら、声にならない声でルミはぼやいた。

夕べはリンのイビキのトーンが収まるまで廊下にずっと立ちっぱで待ち、
部屋に入ってからも安眠とはいかず、スマホアラーム級の騒音下で寝たのだった。

お早うルミ、あんたも顔洗いなさいよ
首にタオルを引っ掛けたジャージ姿のエリカが洗面所から出てきた。

お早うございます、わたしも顔洗おうっと

 ようやく、まともな視力を回復して立ち上がったルミは、
部屋の主であるノーコンPがベッドの上で窮屈そうに正座をしているのに気づく。

その膝の前には小さなテーブルが置かれ、そこには焼き立てのトーストの皿があった。

ベッドの上で朝食?

ルミノーコンPと首だけ頭を下げた中途半端な挨拶を交わした。

リンがやって来て、ノーコンPのお皿のトーストにフライパンからトロトロのオムレツを
注ぎ載せた。シンプルだけど美味しそうな出来だ。

メガネをかけ、焦点が定まったルミは、リンの恰好に改めて驚かされた。

萌っ娘がエプロンをしているよ! 
 なんとそれは新聞紙で作ってあった。

ご丁寧に肩ヒモ周りもフリフリのフリル付きで器用に紙をひねって作ってある。

ペーパークラフト技術が半端ない!
 ルミリンの器用さとコスプレ根性とも言うべきその信念に感服した。

エプロン姿のリンは、オムレツにケチャップでハートマークを描き上げると、
ケチャップ瓶をマイク代わりに鈴のような可憐な声で歌い出した。

『♪愛情こめて、ルラララ~

 さあ、ご主人様、召・し・あ・が・れ!』

メイド喫茶の真似!
今朝のリンは、昨日とは打って変ってノーコンPに対して愛想がいいなとルミは思った。
結局、萌っ娘はこれがやりたかったのね……)  

即席のメイド嬢は 新聞紙で器用に作ったひらひらのエプロンを着け、
ベッドの上に座ってるノーコンPにオムレツトーストのハートマークデコに続いて
かいがいしくコーヒーを注いでやっている。

萌っ娘はノーコンPさんのことを信用していなかったし、
連れ戻すことにも賛成しなかった。
 公園にも行かなかったから、謝ってもいない。

何しろ、本人の前でナイフを使った護身術レクチャーをやって、
人格全否定の発言をしてたから、バツが悪くて謝りづらいんだろう。

このメイド喫茶の真似事の朝食サービスは、ノーコンPさんへの
罪ほろぼしのつもりかな? 

素直じゃないなあ。まあ、ニセの涙で騙す誰かさんよりは可愛い気があるけどね。
 ほらほら、ノーコンPさんが萌っ娘のオムレツトーストを美味しいって誉めてるよ

ルミリンの振る舞いを微笑ましくも思った。

(つづく)
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★初めて読まれた方は、1頁目からどうぞ
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