●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 357-360頁  ★ド変態に決まってるじゃないですゥか

2019/08/10 00:03 投稿

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  • コスプレ
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  • 創作
  • ライトノベル
ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
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【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。
これをきっかけに動画サイトの『東京音楽祭』に招待されることに!
中学生のルミたちが東京を目指す、パフォーマンスはいかに?


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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                      人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
きっかけにコミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
賢者のルミのコスプレイヤー。   

イメージイラストは ぽよん様 提供    
             

     
                   滝沢エリカ
ポニーテールにティアラを着けた「エリカ姫」の

コスプレイヤーで中学三年生。
イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。
リストカットした過去もあるちょっとワケあり
の美少女。
ルミをダンス動画作りに誘う。




                   白銀(しろがね)リン
ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

天使のリンをイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

 
イメージイラストは 彩葉 様提供。




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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   357-360です。

ネットカフェに泊まる当てが外れたルミたち三人は、ノーコンPのマンションに
泊めてもらう事になった。
東京から電車に乗って船橋という所で降り、駅を出てからも さらに歩かされる。

ノーコンPの後について エリカルミリンとカルガモの親子のように ぞろぞろと続く。

 ルミは歩きながら 自分たちの今の状況を考え直していた。
親には内緒で東京に来てるから、予約もなしでホテルへ行っても 家出中学生かと
怪しまれてしまうし、ホテルの人もきっと保護者に確認を取ろうとするだろう。
 だから、ホテルに泊まるのは無理だ。
他に何の伝手も無いし、ノーコンPのおっさんに頼るしかない ……

ノーコンPは直ぐにはOKしなかった、ルミたちが可哀想な捨て猫のような表情で
懇願しても渋っていた。

それもそうだろう、未成年者を保護者の承諾なしに泊めたら誘拐犯、社会的に終わる。

業を煮やしたエリカが強引に説き伏せたのだ。
あたしたちを東京の音楽祭に呼んだのは、ノーコンPさん、あなたでショ。
あたしたちが中学生だと知っていたんだし、呼んだ方にも責任というものがあるはずよね。

このまま路頭で夜明かしするはめになって、警察に職質されたら、
どう事情説明したらいいわけ? 
誰のせいでこうなったとか、あたしたち喋っちゃうかも知れないわよ!

だから、あたしたちを泊めてちょうだい

 エリカノーコンPの眼前に指を突きつけ、責任という言葉をチラつかせながら、
一方的に捲くし立てた。
半分脅迫しているようにしか聞こえない。

さすがにノーコンPも折れるしかなかった。

引き摺るキャリーバッグを持つ手が痺れてきた、ルミは泊まる先のことを考えた。
今日会ったばかりの男の人の所へ泊まりに行く ……
ノーコンPさんは三十半ばのおっさんだ。
ゲームオタクでコミュ障のわたしが言うのも何だけど、
投稿動画にハマってるような人だし、今さらだけどヤバくないか?

リンちゃん、あの人のこと、どう思う?
 ルミ彼女の後ろに続くリンに話しかけた。

どうって、あのオゲレツな『愛を子宮に届けてよ』な~んて歌詞を作った人ですゥよ。
ド変態に決まってるじゃないですゥか
リンノーコンP本人に聞こえるくらいの大きな声で罵るように答えた。

ルミリンの存在に安心を覚えた。

何しろ、白銀(しろがね)リンは、近接格闘技エスクリマの使い手で、
ナイフを持った銀行強盗を瞬殺したこともある頼もしい子だ。

前を行くエリカが いきなりノーコンPの顔写真をスマホでパシャパシャ撮り出す。

いいこと。もし、あたしたちに変なことしたら、顔写真が残ってること忘れないでよ! ノーコンPにそう警告した。

 それを聞いてルミは呆れて苦笑い。
エリカさんの考えた襲われた時の対策?
でも 襲われてからでは遅いだろう

ノーコンPは引率する少女達から、そんな仕打ちを受け、不機嫌な顔をして黙々と歩く。
電車を降りてから随分と経ったが、まだ目的地には着かない、
商店街を抜け、信号のある大きな道路からも離れ、住宅街に入ってきた。

 乾いたアスファルトの道に キャリーバッグを引き摺る
車輪のゴオゴオという音が響きわたる。

まだ着かないんですゥかあ、うちはもう …… 眠いですゥ
 最後尾を歩くリンが弱音を吐いている。
 見れば、いつもお洒落に被っているベレー帽はズレ落ち、足元はフラフラだ。

 この様子に動揺するルミ
ど、どうしちゃったんだ萌っ娘!
これから、初対面の人の家へ泊まりに行こうとしているのに、
頼りにしているわたしらのボディーガードが電池切れになっちゃってるよ。

『狂犬サキ』の通り名まで持つ喧嘩猛者のリンちゃんは、わたしよりずっと体力があるはず。秋葉原観光でハシャぎ廻り、昼のお寿司屋さんで大喰いしてたし、
その後の居酒屋さんでもバカ喰いして歌いまくってたからなあ ……

リンの疲労の原因、心当たりが多過ぎた。

右へ左へと蛇行しながらキャリーバッグを引き摺り、時々居眠っては道から反れて、
路肩に突っ込んで行きそうになってしまう。

その度に、ルミが慌てて彼女の首根っこを掴まえて
連れ戻しに行かなくてはならなかった。


ようやく、ルミたちは住宅街の奥まった所にあるノーコンPのマンションに辿り着いた。

五階建て、そう大きくはないが割りと新しそうなマンション、
ノーコンPが玄関のオートロックを慣れた手つきでピッピッと打ち込むと、

エンタランスの自動ドアが開いた。

 小さなエレベーターに乗り込む、キャリーバッグを持っているので
四人も乗れば 満員電車並みに狭っ苦しい。

 ノーコンPルミの頭の上から腕を伸ばして、五階のボタンを押す。

 到着階でエレベーターから吐き出されるようにして降りた。
 502号室、スチール扉横のネームプレートには何も書かれていない。

怪しく思いながらも、ノーコンPが扉を開けるや否や、
少女達はキャリーバッグともども部屋に雪崩込んだ。

ルミは初めて入る男の人の部屋に、ドキドキしながらも興味津々と観察する。

ワンルームって聞いてたけど、思ってたほど狭くない。
ベッドが置かれているが、それでも卓球台くらいのスペースがまだある。

デスクにはパソコン、キーボード(電子ピアノ)、よく知らないけど音響機材。
 わたしの部屋みたいに散らかっていない。

想像していたような、美少女アニメのポスターや抱き枕は見当たらない。

本棚にはジャズやレゲエ、洋楽中心のタイトル、それとコンピューター関係の雑誌。

唯一、オタクっぽいのは、ボーカルソフトの美少女フィギュアが一つだけ飾ってある。

だけど、そいつはエロっちいやつじゃないから許してあげよう

取りあえず、部屋の隅に荷物と一緒にペタリと座り込む。

この一室で中学生の女の子三人が、今日会ったばかりの男性と一緒に寝るのだ。

このヤバそうな状況に、リンがポシェットから御護り(軍用ナイフ)を取り出し、
エリカに護身のレクチャーをやり始めた。

エリカさん、大丈夫ですゥよ。リンの『御護り』は、NATO軍御用達の品ですからね、
レプリカだけど

真顔で聞き入るエリカ

ふたりにルミは即座に突っ込みを入れる。
リンちゃん、全然大丈夫じゃないよ、
ナイフを使うような事態が、既に超ヤバいんだって!

これは、ただのナイフじゃないんですゥよ
 リンルミに向き直って答えた。

ええっ!ただのナイフじゃない? 何か特別な仕掛けでもあるの?

リンはギラりと光るナイフの抜き身を見せながら、ドヤ顔で解説する。

このナイフはレプリカだけどオリジナル同様にモリブデンが入っていて、
なんと! 金属だって切れるんですゥよ

いやいやいや~っ、そんな切れ味の問題じゃないでしょうよ!」 
 リンはナイフの切っ先を今だ玄関で靴の整理をしているノーコンPに向けて宣言する。

いいですゥか! エリカお姉様にちょっとでも変なことをしたら、
うちがメッタ刺しにしてくれるですゥよ

あ~ハイハイ

 狂犬の異名を持つリンが凄んでみても、彼女の素性を知らないノーコンPは、
舌っ足らずなアニメボイスの女の子が中二くさい台詞を吐いてるくらいにしか思っておらず、おざなりな返事をして軽く聞き流している。

ふん、まあいいですゥ

 無反応なノーコンPリンは少々不満気だが、再びエリカの方に向き直る。

ま、まずですゥね、太腿をブスりと刺してですゥねえ、
相手の動きを奪うのが近接戦のセオリーなのですゥよ

ジェスチャーを交え、物騒な軍事教練をやりだすリン

キャー萌っ娘! ノーコンPさん本人の前で、そんなレクチャーやめたげて~」

 ルミは気が気ではない。ノーコンPの方を窺うと、温厚だった彼も、さすがに怒り出した。


おまえら、いいかげんにしろよ! 
せっかく親切で泊めてやってるのに、
まるで
人を犯罪者扱いしやがって!


 怒ってルミたちを追い出すのかと思いきや。

俺は、公園で寝てくる!

はそう吐き捨て、ベッドにあった毛布を丸めて抱ると、部屋から出て行ってしまった。

この突然の行動に、リンは握り締めていたナイフを振って、バイバイと見送った。

どうするエリカさん?出ていっちゃったよ

どうもしないわ、好都合よ。今のうちにシャワーを浴びてしまいましょう

 そう言って、ドアの内側からロックをかけた。
エリカさん、あんたって鬼だな……

部屋の主を追い出しておきながら、シャワータイムを優先させる、
自己中なポニーテールの少女は、少しも悪びていないのだった。

(つづく)
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